女伯爵リオーネには呪いがかかっている。
結婚し、夫の死期に立ち会うと、妻である彼女も死んでしまうのだ。
そして数日前に逆行転生し、夫を救えないまま、リオーネだけは助かり新しい人生を送る。
過去に三人の夫と死別し、彼らを救えない現実
に生きることを諦めた未亡人、女伯爵リオーネ。
父親の命令で参加した皇帝陛下主催のお茶会で、傷心のリオーネの前に現れたのは傲岸不遜な公爵令嬢ミネルバだった。
横暴な性格のミネルバは身分の違いを嵩に着て、年上のリオーネをいじめにかかる。
「再婚できない未亡人なんかここには相応しくないわ、出て行きなさい。未亡人!」
その振る舞いを見た帝国の冷血皇弟と噂に名高いライオネルは横暴なミネルバから、リオーネを庇うのだった。
「殿下、私などを庇われては、お名前に傷がつきます! いい加減にしなさい、そのような無礼な振る舞いは許しませんよ!」
しかし、逆にそう言い、横暴なミネルバから咄嗟にライオネルを庇うリオーネ。
他人の優しさに触れたことのなく、心を閉ざして生きてきたライオネルは、リオーネの純粋な忠誠心に感銘を受ける。
利用しようとする者ばかりがいる宮廷で孤独だったライオネルは、リオーネに亡き母親の面影を抱いていた。
「……リオーネの逞しさが必要だ。僕は呪われた運命に立ち向かえる気がする」
少しずつ心を通わせていく二人は、ミネルバたち反皇帝派が引き起こす騒動に巻き込まれていく。
問題解決にあたるなか、リオーネの受けた呪いが事態を解決すると判明して……?
互いに支え合うことで、二人の心の傷が癒されていく。
他の投稿サイトでも、掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-26 10:18:44
61391文字
会話率:39%
【健気人狼×ツンデレ半ヴァンパイア】
ヴァンパイアと人間が共存するフィール公国。そこで暮らす主人公シュンヨウ・レーヴェ・バーベナは、父親は人間で母親はヴァンパイアのハーフ。ハンターの家系である為、少し先の20歳の誕生日を迎えるよりも早く跡を
継いでいた。
ある夜、連続殺人事件の犯人であるヴァンパイアを追っていると人狼のチカと出会う。チカは、シュンヨウに力を貸してくれて、無事任務を遂行出来たがチカに『血の契約』を迫られる。
『血の契約』というのは、ヴァンパイアとの間に行われるものでヴァンパイアは地位と血に困らなくなる。が、ヴァンパイアは相手の血しか受け付けなくなり、相手を失うと飢餓感で死に、また相手はヴァンパイアを失うと強烈な孤独感に襲われるというデメリットがある。
シュンヨウは『血の契約』自体を毛嫌いしており、チカの誘いを拒むが人懐っこさに邪険に出来ず、家までついてこられる。
昔両親と祖母が事故で亡くなり、祖父は多くのヴァンパイアと『血の契約』を交わした。三年前に死期を悟った祖父は、ヴァンパイアと心中を図る。その光景を見てしまったシュンヨウは『血の契約』を嫌う。その後『血の契約』を迫ってくるチカは「オレなしじゃ生きられなくすればいいんだ」と温もりと共に快楽を与えてくる。流されて身体を重ねてしまった日から、シュンヨウは戸惑いながら、チカに心開くようになる。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 09:50:45
89207文字
会話率:67%
【2024.5/9追記】
少し読後感が気になったので、アフターえっちを書き足しました。
◇◇◇
いつもと同じように最期の願いを聞き、叶える。
それが僕の仕事だから。
これからもその繰り返しだと、思っていたはずなのに。
死期の迫っ
た相手の未練を残さないよう最期に願い聞き、叶えた後に死後の世界へ送る死神としての毎日を送っていた僕。
そんな僕が次に送るのは、小田倉瑛士という人間の男だった。
いつものように願いを聞いた僕だったが、彼が最期に願ったのは「恋人が欲しい」というもので……?
死期の迫った苦労人大学生×感情が乏しかった死神のお話です。
※R描写は少なめで私の他作品に比べるとかなりあっさりです。
※他サイト様でも公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-29 21:24:59
13864文字
会話率:36%
傭兵の白虎は、昔受けた呪いによる死期が迫っていた。そんななか面白半分で稀人の奪取という依頼を受け、宮城の奥で絶世の美人と名高い男と出会う。
稀人は確かに美人だったが、性格は全く可愛くない。しかし白虎の任務は稀人とひと月行動を共にし、依頼者の
ところへ送り届けることだ。
ーー喧嘩ばかりする二人はいつしか、心を通わせていく。
時間の限られている白虎は、不憫な境遇の稀人を救うことができるのか。
呪い持ちの無骨な傭兵(30)×召喚された不憫な稀人(18)
中華風・異世界転移ファンタジー。ケンカップル。ハピエン。
※途中残酷な表現があります。前書きで必ず注意喚起します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-23 17:00:00
114522文字
会話率:32%
天才的な頭脳で世界を大きく発展させた功績を持つ「私」。自分の才能がいつかこの世から失われることを憂い、コールドスリープで十五年後に移動することでいくらか死期を遅らせようとする。しかし技術発展が想像以上のスピードで進み、コールドスリープできる
期間が長くなったことで、「私」は性的な情報を延々と脳内に流されながら、実に150年間も眠らされてしまう。そして目覚めた後、そこは女どうしで子作りができる世界になっていて……!?
※公式企画2023「眠りと目覚め」参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-08 21:00:00
7645文字
会話率:66%
これは、とある聖王国の聖宮(宮殿)に従事する侍女が魔族に堕ちていくお話です。
ライマノール聖王国は、国として岐路を迎えていた。
最高権力者である聖女イルスメラは、年老いてなお後継者を定めることができず、聖騎士団、神殿、貴族の三つの派閥
に分かれて水面下で政争を繰り広げていた。
自らの死期が近いことを悟った聖女イルスメラは、かつて自らが手を差し伸べ、救った侍女ディーラの幸せを願い、結婚して聖宮(聖女の宮殿)を離れることを勧めるが、ディーラは最後まで主に仕えることを選択する。
聖宮の警護官、クレッドはディーラへ求婚するが、聖女イルスメラへの忠誠を第一に考える彼女にすげなく断られる。ディーラをあきらめきれないクレッドは、聖宮に密かに隠れていた魔族の囁きに唆されて、眷属と化し、ディーラを手に入れようとするが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-13 17:02:30
30132文字
会話率:56%
死期が迫る男。着飾る妻を見て、あらぬ想像をしてしまう――。
って書くと、まるで不倫ものみたいですね。
最終更新:2022-09-11 00:00:00
2097文字
会話率:44%
〈地獄の門番、現世にて妖と対峙〉
死者が行くあの世。
そこには地獄という国と天国という都市がある。
十三の神、「十三王神」により管理されている、地獄国、天国市の職業安定所で働く「秘匿課」には「実働隊」と呼ばれる特殊任務を遂行する部署がある
。
地獄の門番とも呼称される適性人員、十億分の壱と言われるその部署の仕事は、裁かれるに値する罪を犯しながら裁かれること無く死期を迎える人間を、死亡する前に捕縛し、生きたまま地獄へ送ること、そして現世に出現した魑魅魍魎の類を捕縛し地獄へ送ることの二つ。
適合者である、五道転晴明、十王祐天、法界王天海の三人に、妖の捕縛命令が出る。現世日本国の本土から離れた離島にある「賽の河原」へ、実体化を許可され、怪異の元凶を捕縛せよとの命令を遂行する為、現地へ生人の姿を借りて向かうことになる。しかし偶然に出会った旅行者が祐天に恋愛感情を募らせ執着してしまう事態が発生する。祐天を溺愛する天海は嫉妬の感情を持て余してしまうが……。
※「十三王の決議ー迷子の白い子ー」https://ncode.syosetu.com/n9579hn/の続編ですが、序説で設定説明をしてるので、前作を読まなくても読めます。
※BL、恋愛要素、性描写有り。
※作品はカクヨムからの転載です。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860444715279
※pixiv(此岸)に転載してます。pixivのみ主人公の名前を変換して読めます。(ルビは変更されません)挿絵と設定画もこちらにあります。
◇この物語はフィクションです。物語に出てくる人物、宗教、場所、事件は想像上の創作であり、実際の人物、場所、宗教、事件とは全く無関係です。
◇ この物語は、虐待、虐め、差別、喫煙の描写がありますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-08 10:21:31
158716文字
会話率:43%
「今夜ここに来た、あの男には決して心を許さないで。もし惹かれてしまったら、きっと二度ともう元には戻れなくなるから」
遊郭の遊女、雛菊が出会ったのは、先輩遊女たちがそう危惧する冷徹な眼差しをした術師、斎。
雛菊は言葉少なで不愛想な斎に最初は戸
惑うものの、時折垣間見せる強さと不器用な優しさに惹かれていく。
逢瀬を重ねるごとに、互いに心を通わせあい、切ない恋に落ちていくふたり。
しかし「また必ずここへ来る」そう言い残しながらも、斎の来訪は途絶え、その身を案じながら待ち続けた雛菊の前に再び現れた斎は、返り血を浴びた凄惨な姿で深淵の闇を映し出すようなうつろな眼差しをしていた。
己の全てを犠牲にして捨て身で化け物を狩り続ける過酷な宿命を負った術師である斎。
その苦しみの一端を知った雛菊は心を痛めながら斎を優しく包み込むように受け止める。
一方、 治らない病におかされた雛菊の身体には、刻一刻と迫る逃れられぬ死期が近づいていた。
自ら死を望みながらも生き続けることを課せられた術師と、生きて叶えたいささやかな願いを叶えた美しい少女の、四季折々に咲く百花繚乱の麗しい花々と共に綴る大正時代風ロマンティック純愛ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-08 19:37:21
62129文字
会話率:20%
今では国政から引退をした真柴喜三郎、八十歳を越えて死期を考え始めると、昔政界に入った当時の衝撃を遠い記憶の中に蘇らせていた。
今でも政界に闇の力を持っているが、特に芸能界には絶大な力を持っていた。
その喜三郎が、偶然に見た黒豹企画の素人SM
作品で、昔の記憶が蘇り、死に土産にアイドルグループの安西未来、演歌歌手の最上容子、女優鏡綾子を使ってSM、陵辱作品の製作を作る様に依頼をしてきた。
黒豹企画の素人SM作品の製作には、人気グループのASPのTUYOSI事、海老名剛司が大きく関係していた。
黒豹企画の野々村社長に依頼が来た時、既に色々な事前工作が喜三郎の手で行われていた。
老い先短い喜三郎の夢の犠牲に成るのか?三人の美人の運命は?
喜三郎の夢の実現は三人の美女をそれどれ凌辱する事。
三部構成の作品です。
姉妹作品、女優と一緒に読まれると面白さが増しますよ!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-31 12:00:00
78179文字
会話率:34%
生まれ変わったと思ったら、「来世も共にありたい」と語り合った、生まれ変わりの恋人の守護霊になっていました。しかも彼には死期を悟る死神がつきまとっている。
骸骨の死神が低音で警告する。「これはアタシの獲物なんだけどぉ」と。
こうなったら全力で
彼をお守りします。
※冒頭から男女心中の描写があります。
別サイト別名(実)で投稿している作品を書き直しながら更新していく予定です(そしてあくまで予定は未定です。汗)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-16 23:54:06
4784文字
会話率:29%
ミドル
「俺を生かして帰せば黄金を与える」
ain
「アイヌには黄金など必要ない, お前らと一緒にするな」
多分そうだと思う,
ミドル
「えー, じゃあ鮭の取れる川の領有権?」
ain
「お前のような雑魚など一瞬でその気に」
兄は
言った,
兄
「敵の数が多いからまずお前は, 挹婁を呼んできてくれ,
俺はミドルが死なないように注意をこちらに引き付ける」
弟
「いいけど中途半端に攻撃したら逆にミドルの死期が早まるかもよ?」
兄
「俺は矢を外さない, まあミドルに当てない程度には」
弟
「そういう意味では」
彼は呼びに出てった,
兄は毒矢を放った, 外れた,
兄
「下手だなぁ・・・」
彼はどんどん射掛けた,
何発かは刺さった, 無論敵に,
ain
「いてえな畜生, 誰だ?」
別人
「誰って・・・
敵だろう?」
彼はマキリとか別の武具を持って, 矢の放たれる方向を見定め始めた,
兄は一旦攻撃を中止した、
ainは毒により失神して倒れた,
別人
「どうした?」
彼の注意がそれたので兄は放った, 彼の耳をかすめた, この毒は致死に至るまでの速度が極めて高いらしい,
兄は続けて射った,
betsujinは避けた,
兄
「すごい動体視力だな」
betsujinは兄を見つけた, 兄はどうせ避けられるだろうと思い, ミドルに近づく方向性で逃げ出す,
別人
「異民族がそっちいったぞ」
別のアイヌが反対側から来る, もっともここは開けているので, 丸見えだったわけだが,
兄
「一人で戦うのが無理だったか?」
彼は数が多い方へ放った, 一発程度は当たった, 別人に対し先程使った毒が効いてきて、彼は失神した、
挹婁の援軍がやってきた, 彼らは弩を持っていた, 彼らは弓を連射した、 するとどんどん当たった,
更別人
「撤退だ!」
彼らは逃げ出した,
これでアイヌ側は十名程度被害を出した, ミドルは救出された,
更別人
「何がまずかったのか論議しようぜ」
厚別
「相手の兵器が優れてたんだろ?」
更士別
「そんな事よりさっさと医者の芸当見ようぜ」
厚別
「そうだな, っておい!」
更別人
「こんなんやっててあんな兵器に敵う訳ねえよな・・・」
彼らは,折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-08 22:21:48
4986文字
会話率:70%
【三国志オタクで諸葛亮推しの女子大生が女狐にそそのかされて、推しの命を救うためにライバルである司馬懿の側室になるお話】
サークル活動中に訪れた神社で占いをしていたら、女狐に召喚されてしまった藤波恋。女狐が言うには、歴史に異変が起こり、推しの
死期が早まってしまったという。歴史を修復するために、藤波恋は推しのライバルである男の側女になる決意をする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 23:47:14
94198文字
会話率:50%
世界で最後の竜である黒竜。自らの死期を悟った頃、自分の番が生まれた事を感じとる。
一方、生まれて3時間後に嫁ぎ先が確定してしまった、小国の王女リリアーナ。小国なんだから、伝説みたいな生き物の黒竜なんかに逆らえませんって。国王夫妻は16年間リ
リアーナを男性に関わらせまいとして、何とか成功。
数千年生きた竜のおじーちゃんが、16年生きたリリアーナを囲い込んでロリコ……溺愛するおとぎ話。
※他サイトにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-12 01:00:00
10678文字
会話率:39%
ファンタジーBL。性行為を通じて能力の移譲が行われる世界。引き継がれる能力と記憶に囚われる人々の話です。 <あらすじ> 死期を悟った老人は自分の能力と記憶を継いでくれる者を探していた。 一方、能力を切望する少年は能力を継承するた
めに身体を差し出すことに。
いつ更新するか、分からないお蔵入り作品。初めて書いた一次創作。 気まぐれに不定期更新します。
他サイトから引っ越してきました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-21 06:00:00
7182文字
会話率:17%
勇者との最終決戦を控え、自分の死期を悟る魔王軍の公爵アスタロト。そんな魔王城に突如勇者がやってくる。
「関係者によると勇者は『せっかくゲームの世界に来たならアスタロトに会おうと思ってそれだけを目標にここまで来た』などと意味不明な供述をしてお
り魔王城では精神鑑定も含め動機の解明にあたる方針です」
勇者にグズグズに愛される中ボス「アスタロト」目線のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-21 16:10:11
11629文字
会話率:35%
死期の近い王――マリゼルのもとには常に悪魔がいる。姿かたちは掴めないけれど、声が、音楽が、聞えてくる。「早くFineを聴かせてあげたい」悪魔は嗤う。マリゼルは己がなぜ悪魔に憑かれているのか理由を知らない。国を導く英雄王として人生を駆け抜けて
きた。たくさんの命を救い、国を安寧に導いてきた。だが、死の淵に佇む己のそばでは常に悪魔が嗤っている。ひとつだけ、おかしなことがある。マリゼルには、ある一時期の記憶がないのだ。思い出そうとすると頭がちりちりと痛み、記憶を呼び起こすことを阻害する。マリゼルは己の置いた精神と肉体を顧みながら思う。なんでもいい。英雄王として死にたい――と。そんな心身ともに疲れ果てたマリゼルのもとに、一人の女中が現れる。名前も知らない相手なのに、顔を見た途端、記憶が刺激された気がした。彼女は言う。「さあ、思い出して。わたしを、幻のレビュタントへ連れて行って」と――。マリゼルが犯した罪とは何か。そしてこの女性は誰なのか。すべての謎は過去にあり、それを思い出したとき、悪魔の正体もまた……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-28 19:52:25
11393文字
会話率:65%
このところ災難続きの青年、鬼丸悠希(おにまるゆうき)。その災難は降りかかりながらも彼自身を襲わない。そんな毎日に疑問を抱きながらも普通の毎日を送ろうとしていたある日、彼の許についに死神が訪れる。
死神に取り憑かれ、死を迎えなければならない理
由を聞かされ、それでも抗いたい彼の時間稼ぎは、ふと死神にとんでもない食糧を与える事になり・・・。
これは死神と、死期を迎え損ねたある青年のお話。
https://plus.fm-p.jp/u/return_of_the_blissforest/mypage に掲載中の話を加筆・修正してお届けします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-12 10:10:35
7752文字
会話率:50%
タイトル中に「死ぬ」という言葉がありますが、これからお読みいただく小説は決して悲しい話でも暗い話でもありません。どちらかと言えば、むしろ、明るいお話です。お正月ですからね。
最近、人が死ぬストーリーが多いですよね。恋人が死ぬ話、子供
が死ぬ話。それは、視聴率や興行成績が上がるからでしょうね。
でも、なぜ上がるのでしょうか?
だって、人間は漏れなく死ぬのだから「死ぬこと」なんて珍しくも何ともないはずなのにね。
「死ぬ」と言えば、人々は耳目を寄せ関心を寄せる。
その理由は、たぶん、誰もが死ぬ割りには、誰も「死んだことがなく」、誰も「いつどのように死ぬのかを知らず」、そして誰も「死んだらどうなるかを知らない」からでしょうね。
では、それらを知っていたら、どうでしょうか?
知っていても、人々は死を恐れ、死に同情し、死を悲しむのでしょうか?
いつどのように死に、死んだらどうなるかが事前にわかっているのなら、「君の膵臓が食べたい」だなんてほざいても、「だからなんだよ?」と誰も興味を示さないことでしょうね。
さて、新春第一弾としてこれからお贈りするお話は、人々の誰もが「いつどのように死んで、死んだらどうなるか」を承知している近未来の世の中の話です。
今から20年先の未来、「占い」は「未来予知学」という学問として確立されて、「人の行く末」が「人の死」が、そして「人の死後の世界」が確率論的、統計学的に「確定した未来」として解明出来るようになります。
だから、人々は、自分の未来を、自分の死期を、そして自分の死後を、それぞれの「確定した未来」として知るに至ります。
それから10年が経過します。つまり、30年後です。
「未来予知学」はすっかりと普及し定着して、今や自分の「確定した未来」を知り得ない人など誰もいません。
そんな中、2048年の正月の三日、小学校時代からの親友三人組が久しぶりに集い、大阪は天満の磯丸水産という居酒屋で酒を飲んでいます。
この話は、そんな場面から始まります。
これは読切の短編小説です。テレビに飽きた貴方にお贈り致します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-03 14:19:50
5977文字
会話率:69%
不景気にあえぐ出版業界で、営業職として働く桐生拓真。ぎりぎりの生活の中、癌が見つかった拓真は事前受け取りの保険金で延命治療を行うのではなく、自らの生きてきた過去を振り返るために、それまでの生涯で付き合ってきた女性を訪ねていく。高校生時代か
ら結婚後まで、順番に女性遍歴をなぞっていく。変わってしまったものと変わらないもの。ただ話すだけでなく、ベッドを共にすることで、自分の生きてきた意味を探ろうとする拓真。触れ合う心と体。やがて、最後にたどり着いた女性と、拓真が最後に見た風景は!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-08 00:41:57
42476文字
会話率:50%