ハーレム社会に生を受けた主人公・財前正が、行き過ぎた世界を一つ変える物語。
22世紀の未来、腐った社会を舞台に主人公は言葉を紡ぐ。
人は、情欲に呑まれ、嫉妬に踊らされている。女ばかりの未来社会で、各々の意志は複雑に絡み合い、互いに地獄を
創り出す。
俺は、愛に溺れているんだ。
発展しすぎた人類社会は、既に腐敗し静かな絶望の淵にあった。0.01%の富豪が、数多くの貧民の臓器を目当てに規制を強め、安楽死を促進させる。それによって長寿を得た富裕層は、さらに権力を強め貧富の差は拡大するばかり。奪われた投票権は偏った権力者のために利用され、貧民は何も知らずにただゆっくりとつまらない人生と早すぎる死に向かって歩き続けていた。
しかし、そんな「クソみたいな社会」をひっくり返す、大きな戦争の芽がひとつ。それは、TDD財団の跡取り息子、財前正。反社会組織の最大勢力「竹下組」の跡継ぎ、竹下秋と奇妙な出会いを果たした主人公は、ハーレム状態の共同生活を送りながら、徐々にその勢力を拡大していき、やがて全世界の学生たちを連ねた巨大組織「学生連合」を結成する。それは、世界を支配する支配者の目に、確かな脅威を感じさせるには十分な力だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-28 20:23:33
55781文字
会話率:55%
フューマンとは未来と人間を掛け合わせたアンドロイドの造語です。
主人公は離婚等を原因に安楽死を選択した38歳の中年男性。
死んだつもりが目を覚ますと35年後の世界、体は38歳のまま。
目の前には自分より年上になった息子がいました。
そして主
人公が眠っている間に生まれた、既に成人した孫もいます。
息子の傍らには美しい女性型フューマン、世の中は配偶者を必要としない世界になっていました。
しかし、息子と孫の関係はあまり上手くいっていませんでした。
主人公は二人の関係を修復するため、再び生きることを決心しました。
ある日、浦島太郎状態の主人公に息子が配偶者としてのフューマン購入を持ちかけます。
興味本位でフューマンを見に行く主人公でしたが、そこで15歳年下の女性と運命的な出会いを果たし、交際を始めます。
またその一方で、主人公は既に年老いた親友や元妻などとも邂逅を果たします。
幼少期から常に目で追い掛けていた元妻ではない、特別な存在とも。
様々な人間との関わりを経て、主人公はかつて安楽死を選択した自分を悔いるようになります。
女性との交際も順調に進んでいましたが、ある時、偶然にも孫に遭遇します。
女性と孫は、かつて交際していた恋人同士でした。
そしてその望まぬ別れの原因となったのが主人公の息子でした。
いきさつを知り、主人公は身を引くことを女性と孫へ伝えました。
そしてそのことを息子にも伝えます。息子は主人公から言われ、二人を祝福する言葉を並べます。
こうして女性と孫は再び恋人同士となりました。
しかしその頃から、女性の周りで妙な出来事が続くようになります。
そしてその妙な出来事の黒幕は、主人公の息子であるようにしか思えない状況です。
本心では二人を祝福していないのではと、孫の息子に対する疑念は増幅していきます。
そして次第にエスカレートしていく不自然な出来事に追い詰められた女性は、遂に自殺を試みます。
主人公は孫と協力して何とか女性の自殺を食い止めますが、その事件を受けて孫が暴発し、とうとう息子と正面からぶつかりあってしまいます。
そこで瀕死の重傷を負ってしまう息子でしたが、それに衝撃を受けた息子の配偶者でもあるフューマンが独白を始めます。その独白により全ての誤解が解消し、親子の正面衝突は解決するのでした。
ただし、その代償は大きなものでした。※カクヨム様重複折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-21 22:45:19
76093文字
会話率:90%
産業革命…、世界大戦…。激動の時代を潜り抜けてきた人類は、増えすぎた人口に危機感を抱いていた。
世界は水面下で一枚岩と化し、『NWO(New World Order)』という組織が設立された。NWOは、アメリカのジョージア州に『カイドストー
ン』なる石碑を建て、『現代の十戒』を示した。
その一文はこう始まる…。
【大自然と永遠に共存し、人類は『5億人以下』を維持する】
そして、世界中で大規模な人口削減が実施される。
無差別的に人々が『削減』されていく中、日本国は独自の政策を提案、施行した。それは、『手水(ちょうず)政策』―――。
内容は公開されていないが、明確なのは、この政策の被行者に選ばれた者は『死ぬ』という事だ。それだけならば、他国が行っている削減と大差はない。しかし、手水政策には『その先』があった…。
生い立ちに少し難がある天涯孤独の『今泉拓也』は、ある日突然、手水政策の被行者に選ばれる。現世に何の未練もない拓也は、あっさりと政策の施行(安楽死)を受け入れたが、死後は別世界に飛ばされる事を告げられる。
口減らしの為に命を奪われた彼を待ち受けていたのは、それまでの常識や価値観が一切通用しない世界だった。
突拍子もないハチャメチャな世界で、暴走族を潰したり、刺青を入れたり、ドラッグをキメたり――…。
同じ様に政策を受けた者同士や、現世にはいなかった『アヤカシ』と共に、好き勝手できるこの舞台を作った『日本』の目的とは…??折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-23 21:38:52
591106文字
会話率:41%
中東で出会ったひとに囲われ異国に生きた日本人青年の話。
強く惹かれあうふたりが正式にともに生きるために、ずっと一緒にいるために、あらゆる試練をくぐりぬけていく話です。
健やかなるときも病めるときも、喜びに満ちるときも悲しみに狂いそうにな
るときも、いつも共に。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-22 05:00:00
297255文字
会話率:67%
高度にA・Iが発達し、貧富の差が極端に広がった近未来。社会保障はもはや有名無実であり、労働者はいくらでも代替えでき、海外から安い労働者を豊富に供給できる時代。資本社会から落ちぶれ、もはや、消費者となり得ない日本国籍を得ている国民への解決策
として、『厚生労働省安楽死推進委員会』が発足し、安楽死制度が導入されて久しい時代である。安楽死推進委員会に所属する五十嵐は、いい生活を夢見て今日も安楽死を推進していくのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-09 21:34:16
3037文字
会話率:32%
タイトル中に「死ぬ」という言葉がありますが、これからお読みいただく小説は決して悲しい話でも暗い話でもありません。どちらかと言えば、むしろ、明るいお話です。お正月ですからね。
最近、人が死ぬストーリーが多いですよね。恋人が死ぬ話、子供
が死ぬ話。それは、視聴率や興行成績が上がるからでしょうね。
でも、なぜ上がるのでしょうか?
だって、人間は漏れなく死ぬのだから「死ぬこと」なんて珍しくも何ともないはずなのにね。
「死ぬ」と言えば、人々は耳目を寄せ関心を寄せる。
その理由は、たぶん、誰もが死ぬ割りには、誰も「死んだことがなく」、誰も「いつどのように死ぬのかを知らず」、そして誰も「死んだらどうなるかを知らない」からでしょうね。
では、それらを知っていたら、どうでしょうか?
知っていても、人々は死を恐れ、死に同情し、死を悲しむのでしょうか?
いつどのように死に、死んだらどうなるかが事前にわかっているのなら、「君の膵臓が食べたい」だなんてほざいても、「だからなんだよ?」と誰も興味を示さないことでしょうね。
さて、新春第一弾としてこれからお贈りするお話は、人々の誰もが「いつどのように死んで、死んだらどうなるか」を承知している近未来の世の中の話です。
今から20年先の未来、「占い」は「未来予知学」という学問として確立されて、「人の行く末」が「人の死」が、そして「人の死後の世界」が確率論的、統計学的に「確定した未来」として解明出来るようになります。
だから、人々は、自分の未来を、自分の死期を、そして自分の死後を、それぞれの「確定した未来」として知るに至ります。
それから10年が経過します。つまり、30年後です。
「未来予知学」はすっかりと普及し定着して、今や自分の「確定した未来」を知り得ない人など誰もいません。
そんな中、2048年の正月の三日、小学校時代からの親友三人組が久しぶりに集い、大阪は天満の磯丸水産という居酒屋で酒を飲んでいます。
この話は、そんな場面から始まります。
これは読切の短編小説です。テレビに飽きた貴方にお贈り致します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-03 14:19:50
5977文字
会話率:69%
ある日、隕石があいつらを地球にもたらした。
あいつらに襲われると、自殺しない限り、激痛の死があるのみ。
そこで各国政府はノアの箱舟を用意した。
もちろん、日本政府も箱舟を用意したのだが、国民の人口に比してまるっきり足りない。
そし
て、やはり、主人公の男はノアの箱舟に乗れなかった。
だから、もはや、男の運命は「死」あるのみに思える。
そんな中で、悪徳業者が激痛の死を逃れる安楽死薬を人々に売りつける。
しかし、安楽死薬のほとんどが偽薬だ。
さて、どうする?
眼球が飛び出るほどの悶絶の苦痛死を回避するには?
いや、ひょっとすると、生き残れる道があるのかも・・・・
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-02 18:00:00
59858文字
会話率:49%
製薬会社が極秘で開発した薬、それは人を苦しみから救う安楽死の薬だった。身内だけで人体実験を重ね、発表を目前に控えたある日、何者かによってそれを週刊誌に取り上げられてしまう。
社長である立花誠二郎を始め幹部は皆、逃げたが、人を苦しませずに殺
せる薬というものは様々な悪意ある者たちを引き寄せてしまう。息子である立花瑞樹もまた、関西組系の暴力団に拉致されてしまうが、その美貌により男たちの欲望のはけ口にされてしまうのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-13 21:12:58
11396文字
会話率:42%