異国から無理矢理連れて来られたパッゼは宮廷侍医の弟子として飼い殺しの身分になっていた。
それから数年、やっと宮廷を辞すことになったある晩、パッゼは謎の集団に拉致されてしまう。
彼を迎えたのはかつて友情を育んだ美少年ユハスという人物で、
立派な美丈夫に成長したユハスは<盗人の王>と呼ばれる盗賊団の頭領になっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-14 13:48:10
132414文字
会話率:37%
文武に優れ母親譲りの美貌にも恵まれた王子アイロスは、十八歳になっても結婚をしようとはしなかった。花嫁探しのため一年間の契約で城を離れたアイロスが出会ったのは、伝説の竜を狩ることを生業にする竜狩人フォルカーという男だった。フォルカーに話を持
ち掛けられ、白い竜殺しと亡国の王女を救いに旅に出たアイロスたちだったが―――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-12 22:51:22
28014文字
会話率:49%
京都府警嵐山署に殺人を告白する電話がかかってきたは。
現場に駆けつける嵐山署員。
血まみれの男と女。
恋人を殺したと言う女。
他の所轄で起きた女の兄の不審な事故死。
取り調べが進むに連れ、明らかになる真実。
楠任三郎(くすとうさぶろう)シリ
ーズ第二弾。
pixvより転載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-11 16:03:01
16903文字
会話率:65%
100年引きこもりしていた狼の獣人×魔女である妻を殺したい美形の青年。
かつて神話級禁忌指定をうけた魔獣がペットになって、青年と協力して奥さん暗殺に奮闘する人外BLもの。
※女攻め・ややあり。
妻子持ちの夫ってエロくないですか?既婚者BL
もの書きたくて衝動のままに書いてます。あと当て馬が女っていうのも興奮します。同士がいればリアクションもらえると、嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-10 23:36:27
2316文字
会話率:31%
裏カジノで不敗と名高い孤高の人鬼(じんき)が見初めた女は、笑顔で実弾入りのロシアンルーレットを躊躇いも無く受ける剛胆さを秘めた女だった。
神殺しと呼ばれる人鬼。
女は神から加護を受けた元巫女のデリヘル嬢。
惹かれ合う魂の幾度とない邂逅で
、今生こそはと願う二人の日々。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-09 22:33:06
22360文字
会話率:38%
地球で都市伝説レベルの最強殺し屋が異世界の裏社会のドンの息子に転生!?
奴隷から平民、貴族まで様々な階級の多くの美幼女・美少女・美女・美熟女たちを持ち前の美形と最凶の性技で虜にしながら最強の固有魔法と武術、錬金術で裏社会を成り上がる。
最終更新:2021-02-09 18:44:21
3040文字
会話率:12%
【最近ちょっと気難しい狼獣人の軍人ドルフ×ドルフにずっと無自覚片思いな人間の元同級生ヒイラギ】
士官学校で同級生だった頃からずっと狼獣人のドルフに無自覚片思いしていた人間のヒイラギ。
ある日珍しく酔っぱらって前後不覚になったドルフに女と間
違われて襲われてしまい、止めなきゃと思いつつも普段は自分のことなど眼中にもないドルフに欲しがられるのが嬉しくてついそのまま最後まで抱かれてしまう。
それから数日経ってもヒイラギはどうしてもその時の快感が忘れられず、良心に苛まれながらも再びドルフを酔わせ、相手が自分だとバレぬよう必死に口を押えて喘ぎ声を殺しながらもまた彼に抱いてもらおうとするのだが……というお話。
★最後はちゃんと両想いです
★ドルフ(攻)もヒイラギ(受)も女性と身体だけの関係を持っていた過去アリ(詳しい描写はないです)
★大変気軽にさらっと読める、ただのエロ話です
(アルファポリスさんにも投稿しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-08 16:00:00
35662文字
会話率:31%
あいつはいつも泣く。俺に抱かれた後、誰にも気付かれないように声を殺して。
キーワード:
最終更新:2021-02-08 01:04:01
10815文字
会話率:29%
異常なまでに兄に執着する弟×弟に対して劣等感と憎悪を持って生きている兄のカップリング。
桜木一哉(22)は今年の春、新社会人となる。弟を七年前の春に喪ってからは順風満帆の人生を送っていた、はずだった。
だが桜舞い散る中、「久しぶり
だね、兄ちゃん」と声をかけてきたのは、殺したはずの弟である玲二だった。
当社比エロ多めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-07 17:55:08
24066文字
会話率:50%
「蛆女」梗概
重雄は腹が妊婦のように膨れ、昔女に刺された傷も開き、病院で診ると腹腔に多量の蛆が。外科医の静香が取り除き、内科医の洋子の恋人である別所が調べると、別所の研究所から盗まれた危険な蛆と判明。遺伝子組み換による殺人蝿が、故意に腹
の中に入れられた。最初研究所の指紋認証キーを開けられるアルバイトの伊藤が疑われ、別所は私立探偵の小田を雇う。小田は重雄を刺した女から調査を開始し、重雄の子供を産んですぐに自殺したことを知り、残された子は静香であると判明。指紋認証キーを調べると、静香の指紋も登録されており、別所との親密な関係が疑われた。退院した重雄は再び蛆を入れられ、一斉に羽化して腹が破れ、即死。しかし真犯人は、重雄の遺産相続者である義雄と洋子のコンビだった。二人は重雄を殺し、静香を犯人に仕立てようとしたのである。指紋認証キーに登録された静香の指紋も、洋子が静香の残留指紋をゼラチンで転写したものだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-06 14:00:00
23502文字
会話率:59%
ルナは旧友のエリナに誘われて、宇宙友好協会を訪問。そこには、かつて好きだったユウがいて、一緒に小さな宇宙船を見学した。この宇宙船は異次元の宇宙にあるもう一つの地球から来たもので、十分の一の縮尺のルナとユウ、エリナが出てきた。異次元の宇宙のア
バターたちはもう一つの地球に住んでいて、二つの地球は時間がずれてはいるものの、片方に悲劇が起こればもう片方にもいずれ起こるのだという。いま、向こうの地球の日本は隣国から侵略を受けていて、占領される可能性がある。その事態を見るために、三人は特殊な寝椅子に座って、アバターたちの意識に入り込み、もう一つの地球に向かった。
もう一つの地球では、すでに日本は占領されていて、占領国の大統領はルナの夫のレンだった。敗戦日本の地下組織は、ルナが日本に戻ったときに夫を殺害することを要望した。ルナの夫が死ねば、大統領もいずれ死ぬのだという。ルナの意識はアバターのルナの意識と合体したため、地球に帰って夫を殺すことになった。
夫のレンの父は現職の総理大臣で、レンはその秘書として働いていた。帰途の間に、ルナとユウは関係を持った。地球に戻ると、二人は渡された毒薬で夫を殺す計画に入ったが、実行する予定だった総理の後援会長宅でのパーティは総理の風邪でキャンセル。連絡のために宇宙友好協会に戻ると、エリナを含め、全員が毒殺されていた。彼らはルナとユウを犯人に仕立てるため、プロの殺し屋を雇い、パーティのメードとして会長宅に潜入させていた。
主犯の大沢は総理の椅子を狙う男で、口封じのためにスタッフを毒殺したのだ。総理と息子のキャンセルに腹を立てた後援会長は、政敵である大沢を誘うと二つ返事で承諾した。殺し屋は総理がキャンセルしたことを知らず、大沢のグラスにシャンペンを注いだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-01 19:00:00
28902文字
会話率:47%
とある噂が在る。理不尽に晒され、憎悪に囚われた人間の前に、金でその恨みを晴らしてくれる魔物たちが現れると。
その噂は真実で、その魔物たちの正体は、FH「闇の虎」セル所属のオーヴァードたち。
彼らは、金を貰って他人の恨みを晴らすことに言
い知れぬ悦びを感じてしまう、厄介な薄汚い人殺したちだった。
TRPGダブルクロスの世界観を使った小説です。ダブルクロスでの犯罪組織・ファルスハーツのいちグループに必殺仕置人的活動をしているものがあった、というお話。内容は明るくないです。すっきりはしないかもしれません。カタルシスは考えてますけど。
……元々カクヨムで載せていましたが、思うところがあり、こっちにも掲載。
もし、続きが気になるようでしたらカクヨムに続編があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 15:40:26
63723文字
会話率:19%
1970年代、北極点からある機械が引き上げられる。
それは「人間の意志」を変化させるかつて存在した世界「旧世界」の遺物だった。
人間の意志の画一化による世界画一を目指すジェラルド・バリエ率いる私設武装組織T・A(アブソリューション)と現世界
維持のためT・Aと対峙するT・A・I(アブソリューズ・イノセンス)のヴァルター・クロウとその仲間たちとの約半世紀にわたる殺し合いの物語。
一方、ヴァルターの義理の孫であるシュバルツ・クロウはどこにでもいる普通の青年。
平凡に生きるはずだった彼もまたその紛争へと巻き込まれていく。
だが、その陰には”Xeno”と呼ばれる第三の存在たちの影があった。
この物語は多くの戦いに身を落としていく人々の意志を繋ぎ続ける物語。
この物語はフィクションです。
実在する人物、団体名等とは一切関係ありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 04:52:28
7391文字
会話率:34%
日本最大級の暴力団・鳳凰会の元組長の娘で、かつては凄腕の殺し屋だった美冬が、組の若頭・巽と想いが通じ合って2ヶ月。恋人として過ごしながらも、いずれ組長となる巽と、いつまでいっしょにいられるのか……と不安を募らせていた。そんなとき、巽に現在の
組長・志水の娘である莉子との結婚話が持ち上がり、美冬は巽との別れの予感を抱き始める。しかし巽は、「あなたを絶対に離さない」と宣言し、美冬にある「仕事」の依頼をもちかける。
※この作品は、日本初のハードボイルドラブコメディとして名高い(かもしれない)『私はあなたを殺せない』(https://novel18.syosetu.com/n1913gp/)の続編です。
※この続編だけでも十分にお楽しみいただけますが、登場人物のあまりにもスイートでデリシャスなラブアフェアのせいで、脳内が甘ったるいサトウキビ畑状態になる可能性があります。できれば、ほろ苦&切なめの本編をお読みになり、続けてこちらをお読みいただければ、スイート&ビターでファビュラスなフレーバーを味わえるかと思います。つまり、「本編も読んで。面白いから」ってことです。宣伝です。
※本編同様、今回も暴力&残虐シーンがほんのちょっとだけあります。ガチのマジでほんとのちょっとです。本編よりも少ないです。しかも描写はあっさりです。それでも「そういう場面は1ミクロンも読みたくねーんだよ!」と思われるのであれば、読むのをあきらめるしかないかもな……。いや、その場面だけは薄目で読めばいいかもしれないな……。
※2021年2月開催の「アルファポリス恋愛小説大賞」に、本編ともどもエントリーしています。王道から外れに外れた大気圏外の作品なので、受賞うんぬんよりも、多くの(私と同じ性癖をもつ)人にお読みいただけるとうれしいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-29 22:57:01
57067文字
会話率:54%
日本最大級の暴力団・鳳凰会の元組長の娘で、凄腕の殺し屋だった25歳の美冬。「ふつうの生活がしたい」と2年前に殺し屋を引退し、カフェで働いていたが、かつて殺しを教わった鳳凰会の若頭・巽が現れ、「久々に"仕事"をしませんか」
と殺しを依頼されてしまう。美しくも凶暴な巽に恋心を抱いてはいるものの、「ある理由」により巽から逃げたい美冬は、なんとか依頼を断ろうとするが……。
※(2021/01/29追記)2021年1月29日に、続編の『私はあなたを離さない』(https://novel18.syosetu.com/n4306gt/)を公開しました。晴れて恋人同士になった2人がいちゃいちゃしながら敵をぶっ殺しています。よろしければお読みくださいませ!
※元殺し屋が主人公ですが、残虐な描写はわずかです。その描写もあっさりとしているので、そこらへんが苦手な方にもお読みいただけると思います。ですが、「それでもダメ!」という人は読まないでおくか、ヤバい部分だけ避けて読むか、座禅などでメンタルを鍛えてからお読みください。
※性描写は後半に控えています。前半にはありません。ごめんね。なので、性描写を目的に読み始めるとイライラしてくると思います。そのいらだちは、水を加えた小麦粉にぶつけてみてください。コシの強いうどんができあがります。
※エブリスタにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-06 23:13:42
66446文字
会話率:48%
————兄が死んだ。
————ガードレール突き破ってそのまま転落。
————即死だったらしい。
将仁は兄の死を電話口で知らされた————。
瀬田 将仁は好きに人生を謳歌していた。
幼い頃からの夢であった犯罪心理学者を叶えるた
めに海外へ渡り、そのまま永住権まで手に入れた。
片手間で趣味であるセレブたちの下世話な恋愛事情の記事を書きながら夢を叶えた本業であるプロファイラーとして犯罪者相手とやり合いながら、警察署に雇われ、楽しく過ごしていたのである。
日本に居た期間とアメリカ生活での期間を超えて三年たった頃。
彼の元に一本の電話があった。
十五歳離れた兄、瀬田 将義が事故で亡くなったという。
その兄は年の離れた瀬田を一人手で育て上げ、医者として稼いだ金で、弟をアメリカへと留学させた兄だった。突然の訃報を受け全ての仕事をほっぽり出して、身一つで日本へ帰国した。
十五年振りに帰った日本で待っていたのは、兄が残した一人娘の愛美だった。
その愛美は、幼い頃にアルコールと睡眠薬で自殺した二人の母親に瓜二つだった————…。
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不定期更新です。
過去に漫画で描いているのですが、それの小説版です。
宜しくお願いします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-26 18:17:03
15194文字
会話率:35%
記憶をなくした男は貧民街と思われる場所で目を覚ます。
そこは欲しいものがあれば力づくで奪うのが常だという、極めて異常な場所だった。
男はそんな状態から安住の地を求めて歩き出す。
注意:主人公は必要があれば喜んで女を犯し、男は殺します
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-21 14:00:00
32800文字
会話率:37%
紫乃原真人(しのはらまさと)は自らが創設した『ダーククラブ』という悪党相手の始末屋サークルの部長。ダーククラブの入部条件は「人を殺したことがある者」である。
真人の父は国際指名手配犯の殺し屋「ダークナイト」、母は世界を股にかける結婚詐欺師「
礼美」。悪党のサラブレットに産まれた真人の中学校生活が始まる。
血統からしてまともじゃない真人の将来はどうなるのか?ダーククラブの活動記録、ご覧あれ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-21 12:00:00
22297文字
会話率:35%
イルムは欠伸を噛み殺しながらベッドから出ると歯磨きと洗顔の後、搾乳を開始した。
最終更新:2021-01-20 18:02:32
10940文字
会話率:68%
連載開始前のものをまとめてモチベを醸成する場所です。
独立して連載になるのが目標です。
続きの気になる話があれば教えていただけると嬉しいです。
収録タイトルと最終更新日
「1.淫紋少女クラスター」20.10.28
「2.僕たちの教室にイジ
メはないJC」20.10.21
「3.非恋愛系研究部」20.10.23
「4.心に壁と花束を」20.10.27
「5.僕たちの異世界学園にはダンジョンがある」20.11.22
「6.魔女殺しの英雄と貴族妻学院」20.11.25
「7.ぼくの帝国ココロダンジョン」21.01.16 new!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-18 21:16:49
401202文字
会話率:41%
あらゆる人間を自在に操る少年、ナツミキリヤ。
彼が操れないただ1人の少年、フユキタイヨウ。
2人は出会い、友情を結び、ともに奔放な青春を過ごす。
そして17歳の時、タイヨウはキリヤを殺した。
※加筆前の作品が『E=mC^2』(http:/
/zaxon.80code.com/tmp/index.html)に掲載されています。
作者名がサイトによって違いますが、nakamiとXPJboxは同じ人です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-30 19:00:00
204066文字
会話率:44%
元最強の暗殺者であるイズナは、自身の素性を隠して執事として、愛する少女に仕えていた。
その娘が人身売買組織に売られたと知り、アジトに乗り込みボスを刺殺した所まではいいが、よりにもよってその女ボスは、命をストック出来るチート持ちの魔女であった
。
不意を突かれ、拘束されたイズナの前に、愛する少女が凌辱される様を見せつけられる。
チンポを生やされ、惨めな体へ変えられようが、少女の救出を諦めずに、必死に耐えるイズナであったのだが、彼女の本当の望みを知ってしまい……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-17 00:00:00
15084文字
会話率:41%
前世の私は日本の有力な財閥の娘で、立派な悪役令嬢だった。
他人を貶める事は一通りやったかしら。
人殺し以外なら、色々なものが私を守ってくれていたし、何でもできたわ。
邪魔をするあの子をやっと引き摺り下ろしたというのに、一緒に事故に遭うなんて
不運ね。
あの子も随分あざとい事ばかりやって来たから、揃って罰を受けたのかも。
あの私は死に、私はたった今、お話の世界の中で目覚めた。
そう、流行りの悪役令嬢に転生する物語の中で。
でも、高校生がゲームの悪役令嬢に転生する物語に、更に悪役令嬢が転生って、相当にクドくなりはしないだろうか。
おはなしの筋は変わりませんが改稿致しました。
字数を増やして再掲載しております。
全9話完結済みです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-16 18:57:46
42257文字
会話率:22%
『上海の|王碧鳳《ワンヴィファン》が失脚した。
王碧鳳。
身内までをも震え上がらせた残忍さと辣腕を上海王家の大老に見いだされ、その娘婿となった殺し屋である。
その王碧鳳が場末の男娼に血道を上げて、王家の血を引くみずからの妻を殺したとい
う事件が長い抗争の引き金となった。
当時、実権を握っていた大老は娘を殺されて――或いは顔に泥を塗られて――怒り狂い、王碧鳳を上海の冷たい海に沈めたと言うが、死体が上がっていないので本当のところは分からない。
北の|王月龍《ワンユエルン》か?
南の|王星沙《ワンシンシア》か?
それとも、まったく別の新興勢力が上海を手中におさめるのか?
そのことが中国黒社会で生きる物の間で囁かれるようになってからすでに一年が過ぎようとしていた。
王家――中国の水と闇の世界を仕切る、伝統的な黒弊(マフィア)組織である。
その歴史は限りなく古い。
清朝初期、皇帝一家専属の暗殺者として「王何某」という男の名前が出てくるのが最初である。
その血は途絶えることなく連綿と受け継がれ、やがて、清朝後期の資料では、王家は皇帝の重鎮として名を連ねている。
清朝が滅びた後、王家は一時、身を隠すように中国黒社会から消えた。
王家の名が再び黒社会に登場するのは第二次大戦集結の直後からだ。
王家は当時膠着状態だった無数の小さな黒弊をことごとく吸収し、あっというまにひとつの大きな組織と化した。
王家には流れが二つある。
王家の創始と言われている王月龍、星沙兄妹(この二人は夫婦でもあった)の流れである「王本家」と、そこから枝分かれした「王分家」すなわち上海王家だ。
通例、上海大歓楽街――桃源上海――を任されるのは王分家の長だ。
そして北京を仕切るのは王本家の男性、香港を仕切るのは王本家の女性である。
彼らは名前を持たない。
王家の正当な地位を継ぐと決められた時になって初めて、「月龍」・「星沙」の名を継承するのだ。
世襲制であるが、家長制ではない。
毎回、当主選びにはきわめて非人道的かつ過酷な方法が取られるが、この話は後ほど。
――さて。
当代の双頭は、「王家の好色兄妹」と卑称されている。
(以上、|李晶《リージン》のレポートより)』
<<<この小説は15年ほど前の商業BL雑誌に掲載されました>>>折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-12 23:52:41
40281文字
会話率:47%