ルナは旧友のエリナに誘われて、宇宙友好協会を訪問。そこには、かつて好きだったユウがいて、一緒に小さな宇宙船を見学した。この宇宙船は異次元の宇宙にあるもう一つの地球から来たもので、十分の一の縮尺のルナとユウ、エリナが出てきた。異次元の宇宙のア
バターたちはもう一つの地球に住んでいて、二つの地球は時間がずれてはいるものの、片方に悲劇が起こればもう片方にもいずれ起こるのだという。いま、向こうの地球の日本は隣国から侵略を受けていて、占領される可能性がある。その事態を見るために、三人は特殊な寝椅子に座って、アバターたちの意識に入り込み、もう一つの地球に向かった。
もう一つの地球では、すでに日本は占領されていて、占領国の大統領はルナの夫のレンだった。敗戦日本の地下組織は、ルナが日本に戻ったときに夫を殺害することを要望した。ルナの夫が死ねば、大統領もいずれ死ぬのだという。ルナの意識はアバターのルナの意識と合体したため、地球に帰って夫を殺すことになった。
夫のレンの父は現職の総理大臣で、レンはその秘書として働いていた。帰途の間に、ルナとユウは関係を持った。地球に戻ると、二人は渡された毒薬で夫を殺す計画に入ったが、実行する予定だった総理の後援会長宅でのパーティは総理の風邪でキャンセル。連絡のために宇宙友好協会に戻ると、エリナを含め、全員が毒殺されていた。彼らはルナとユウを犯人に仕立てるため、プロの殺し屋を雇い、パーティのメードとして会長宅に潜入させていた。
主犯の大沢は総理の椅子を狙う男で、口封じのためにスタッフを毒殺したのだ。総理と息子のキャンセルに腹を立てた後援会長は、政敵である大沢を誘うと二つ返事で承諾した。殺し屋は総理がキャンセルしたことを知らず、大沢のグラスにシャンペンを注いだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-01 19:00:00
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