かつて、神の保護を受けた国と呼ばれた公国があった。
各国には類を見ない四方を深い深い森に阻まれ、伝説はその名を聞けば、知らぬ者はいないほどに有名だった。
ーー四方の森民(たみ)、守護獣。
ほとんどが女からなり、森を統べる人狼族。
北の黒狼
、東の銀狼、西の金狼、南の銅狼。
銀狼族から生まれ出る、オッドアイの瞳を持つ唯一の守護者(ウテナ)を筆頭に君臨していた。
彼らが護るのは、ヴァルリード公国の神殿から祈りを捧げ、国を守る小さな神子。
オッドアイを持つ人狼族の若き銀狼、ケイナン。
神子が成長するまでの中継ぎとして育てられた、神殿の仮神子であるプリシア。
時は公国の守護獣、人狼族を手に入れんとロエンメル帝国に森を荒らされた事態から始まるーー
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-18 20:00:00
5899文字
会話率:36%
海に面したリヴィエール公国の男爵家に生まれたメルリーナは、元船乗りの祖父マクシムに教えてもらって以来、チェスに夢中だった。十歳の時、マクシムに連れられてリヴィエール公爵家の宮殿を訪れ、強引な上に乱暴だけれど、本当は優しい公爵家の跡取りである
ディオンと出会う。負けたら何でもいうことをきくという賭けをして、定期的にディオンとチェスをすることになったメルリーナは、チェスの腕だけでなく、幼い恋をディオンと育むことに……。やがて、十六歳になったディオンは、未来の公爵となるべく経験と知識を得るため他国へ留学してしまう。メルリーナは、ディオンを信じ、寂しい思いをしながらも二年間、その帰りを待っていた。しかし、二年後、すっかり逞しく立派な青年となって帰国したディオンの傍らには、美しい王女様が。似合いの二人の様子を目の当たりにしたメルリーナは、二人が婚約すると知り、ディオンへの思いを諦める決意をするのだが……。【9/5 アラン&グレースの番外編完結!】【※アルファポリス様にも掲載しています】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-05 17:27:04
387145文字
会話率:42%
剣と魔法とスキルの世界。
シーマウマ公国に侵略の足音が鳴り響く。
侵略者はライオーン帝国。
かつて結んだ停戦協定の期限が切れるとともにライオーン帝国は侵略戦争を開始したのだ。
国力の差は明らかであり、勝利の可能性は限りなく低い。今のままでは
。
しかし、シーマウマ公国にはある祭具が存在した。
祝呪箱と呼ばれる移動不可能な箱。
公国の建国時からあると言われるそれ。
この箱に願うのなら、望むままのスキルが手に入る。
その願いに釣り合うだけの呪いとともに。
箱様、箱様。料理がうまくなりたいです。
祝福”料理技術(小)”を獲得しました。
呪い”味覚阻害(小)”を獲得しました。
”料理技術(小)”と”味覚阻害(小)”がスキルとして統合されます。
スキル”味盲の料理人(小)”を獲得しました。
ただし、祝呪箱には一つ言い伝えがあった。
曰く、女が願いをかけるのはやめておけ。
その言い伝えを守り、スキルの獲得は男だけが行ってきた。
「そんなことを言っていてはシーマウマは滅んでしまいます」
侵略軍が街に迫り、芳しい話は聞こえない。負傷者を救おうと聖女は祝呪箱に願いを告げる。
箱様、箱様。どうか私に癒しの力を。皆を救えるだけの力をお与え下さい。
祝福”聖女の慈愛”を獲得しました。
呪い”…………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-19 21:40:31
46067文字
会話率:44%
グランシェラード王国の王女ルシアナは、幼い頃から従兄弟のフィーに片想いをしている。なんとか彼に振り向いてもらおうとしたものの、十も年が離れているフィーからは子供扱いされ相手にしてもらえない。
そんなルシアナが十九になった年、ついに隣国マイ
ヤーム公国から公子セナとの婚姻の打診が来てしまう。追い詰められたルシアナは、侍女プリシラの助言を受け、フィーとの間に既成事実を作ろうと試みる。だが、処女のルシアナには閨の事は初めてのことだらけで、事は思い通りには行かず……
「崖っぷちの王子様~」の続編になります。あれから四年後、王子レンの妹ルシィの結婚を巡るドタバタ話です。前作を読まずにこちらからお読み頂いても大丈夫です。
R18シーンのある部分には*がついています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-16 16:08:38
102269文字
会話率:55%
生きる為に男の格好をして旅をする少女を助けた傭兵の話し。
帝国に家族を殺されて一人生き残った少女は、父親から受け継いだ魔力のこもったペンダントを、死者の宮殿に安置することを決め、生まれ育ったガリアン公国に戻っていく、その途中でぐグイドという
傭兵に助けられ一緒に旅をする羽目になった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-12 15:19:45
26438文字
会話率:27%
フェーベ大陸の恋人たちの物語。
ナルフィ大公国の第二大公女シルヴィは、ある日帝都ローゲの士官学校に在籍している兄を訪ねる。そこで出会った隣国スコルの第二王子ニコラスとシルヴィは少しずつ親しくなっていくが……。
最終更新:2018-03-19 21:00:00
57255文字
会話率:29%
フェーベ大陸の恋人たちの物語。
ナルフィ大公国の第二大公女シルヴィは、ある日帝都ローゲの士官学校に在籍している兄を訪ねる。そこで出会った隣国スコルの第二王子ニコラスとシルヴィは少しずつ親しくなっていくが……。
最終更新:2018-02-12 21:00:00
3572文字
会話率:33%
ダナーン聖公国の姫クローディアと共に帝国に捕らわれたシリアナは、帝国の将マリウスの妻となる。しかし、マリウスがシリアナを妻としたのには何か思惑があるようだった。
――悲しみは風に流そう……
母の故郷の歌を歌い、夫となったダルバード帝国の
若き公爵マリウスと共生きていくことを誓おうとしたシリアナだったが、
マリウスの心をつかめず、新たな一歩を踏み出すことにためらいを覚えるのだった。
(自サイトでも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-19 18:00:00
114595文字
会話率:28%
主人公国津大が子供の頃、世に溢れていたヒーロー達。その一人であり、大の憧れだったスーパーヒロイン、ティターニア。
神話の巨神の娘を名乗る彼女は世の為に戦ったが、ある時を境に姿を消す。
それから数年後、成長した彼は思いもしなかった形で彼女に再
会する。
趣味と性癖の発露の為に書いてます。一部性描写がありますのでR18としています。
7/2 思ったよりも性描写等少なくなりそうなため、一旦一般とR18で分けたいと思います。
本編内容を一部修正し、一般はhttp://ncode.syosetu.com/n0856ec/で今後連載します。
R18描写ありの内容を書く場合(おそらく本編とは関係ない読みきりの内容になると思います)、引き続きこちらで追加します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-19 09:00:00
102308文字
会話率:52%
魔法や魔術と言った力が礎く世界。この世界は九つの大地に分かれ、世界の中央にはユグドラシルと呼ばれる大樹が聳えたっている。
白暦2031年。驚異的な繁栄を続けてきた人類は第三次世界大戦勃発により、一時代の技術は途絶え、文化は退行してしまう
。人の記憶からも忘れ去られた時代はいつしか【白の時代】と呼ばれるようになっていた。
それから時が経ち、新暦257年。再び繁栄を取り戻した人類は再び争いを繰り返す。激しくなる争いの中で台頭してきた3つの勢力ーーガルディア帝国、イエンフィア公国、聖ニーグル教会ーーは世界の覇権を争う。
※1)加筆修正した物です。 ※2)個人サイトからの転載です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-19 22:02:00
41965文字
会話率:37%
主人公の少年が突然山中で目覚めた世界は、様々な種族が混住し、人が魔法を駆使する世界で、魔法はあるが火薬は登場していない中世的世界観という(定番すぎる)時代設定になっている。
一部の知識以外の記憶がない少年はやややる気、覇気に欠ける性格で
あるが、そこもやはり定番といえる都合の良い設定があり、チートな能力に乗って、多くの人の助けを受けながら無一文の身から借家住まいを経て小さな村を持つ身分になり、更に領地が広がり街造りの過程も出てくる中、主人公は地位が上昇していく。
最終的には皇帝を称するところまで昇る構想であるが、これは概要程度で具体的な筋として出来上がっているのは公国(設定では帝国、王国に次ぐ規模の半独立国を指す)王位を得るまで。
この過程で何度か戦争が発生し、お約束のゴーレムや魔法道具が出てくる中、様々な人物が登場し、主人公に係り、行動を共にする。
この様々な人物とは仲間は献身的、敵対者は愚鈍という安直な設定で、当然美女も含まれ様々な愛憎劇(構想半ばであるがNTR発生も・・)が生まれる。
ここにはもちろんハーレムが生じ、序盤は控えめな出だしですが暴力的な描写や性的に残酷な描写もあります。
・・などとあらすじモドキを書いていますが、内容はこれまで世に出ているあまたの作品に比肩する独創性はなく、簡単に予測できるお約束が秩序なく並ぶ構成となっています。
序章部分で記憶のないつまり正体不明であるはずの主人公の正体を結構匂わせているため、凡その結末も推測でき、主人公のためにこの世があるかのようなストーリーなので、客観視せず主人公(男性)視点で読めば暇つぶし程度にはなるのではないかと思っています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-11 23:26:01
40049文字
会話率:25%
支配の王錫(しはいのおうしゃく)その王錫を持ったものは、世界を手に入れることが出来ると言われていた。今まで伝説と思われていたが、巨大な神聖帝国アバロンの現皇帝が、その支配の王錫を使って皇帝となった、支配の王錫の力を恐れた、現皇帝は、王錫の材
料である、北の王国ガリアン公国王家の血筋がすべて皆殺しにした。
生き残った少女ステファニーに恋をして、ステファニーを男だと思い、迷走する。傭兵グイドのお話しです。
以前書いたものとは若干変更しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-18 22:06:59
17555文字
会話率:28%
空を翔ける翼の少女
ヴィルドバッハ公国とシルヴァーナ王国の間に起こった一〇年戦争の間に起こった一幕の物語
少女はあの日、空を飛ぶ紅蓮の大火に出会った
前作、報仇妖鬼から続く、幻想譚ここに開幕
最終更新:2016-10-24 00:09:18
10100文字
会話率:18%
千年後の歴史書にまで『二度とこの世に産まれてこないでください』と書き記されたアルスフィア帝国ファウレッティア姫皇帝。
これは一代にして辺境弱小国だったアルスフィア公国を世界統一を成し遂げた大帝国にまで押し上げたかの姫君の、誰もが目を逸ら
し頭を抱えたくなる所業のごく一部を綴った物語である……。
※全四話、のびのびになってしまいましたが2016年10月17日完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-17 18:00:00
47224文字
会話率:41%
異世界トリップするのは人間だけじゃないですよ。私、落ちこぼれエルフのメラヴィセルナは気がついたら、異世界にいました。この異世界にはエルフがおらず、しかも私の能力が国に益をもたらすということで、最初に保護してくれたイフル公国の王に愛され、それ
からも長らく代々の王たちに囲われることに。でも8代目ウェイグス陛下に嫌われて、この国を出ていくことにしました。
堅苦しいお城暮らしは飽きたので、今度は楽しく庶民生活を満喫したいな。
というはなし。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-30 12:21:13
3607文字
会話率:21%
この物語はサークル「八房の小部屋」より異種姦CG集「めすブタ姫強制受精」の番外編です。
気になる方はこちらをポチッと DLsite.com様【http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/R
J151175.html】
【あらすじ】
トリケ・キープソンは、エルフが納めるハイルライト王国の隣接する数ある国の一つ フォールフ公国ノルランディ伯爵が納める国の外交官の一人。
自他共に認める幼女趣味の変態紳士だ。
外交官になったのも世界のロリ姫様と親しくなりたいがためになったといういきさつをもつ彼は、公務そっちのけで姫に会いに行くので、あまり大きな仕事は回ってこなかった。
そんな彼が今注目しているのがエルフのロリ姫様こと「シャルル・ハイルライト」その人だ。
長寿のエルフの為 容姿がゆっくり成長していくのでもう10年ばかり幼いままの永遠のロリ姫様。しかも身体にアンバランスな巨乳ッ!
もう悪戯しないでどうしろと言わんばかりのロリ姫様と親しくなった彼は、彼女の卑猥な姿を見たいがためにこっそり行動にでるのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-17 13:21:22
20041文字
会話率:31%
バーテルミア公国第一公女付きの侍女であるラヴィニアは思わぬ事態に見舞われていた。大国アクスウェルム帝国第一皇太子であるレオンハルトに見初められ、公女の身代わりとして婚姻を結ぶことになってしまったのだ。ラヴィニアは自分の人生を公女にささげると
決めていた。だから迷いなどなかった。悔いなど、なかったはずだった・・・。
※本作には過度なものではありませんが暴力的・性的な表現が含まれます。事前予告等はございませんので、予めご了承ください。
【ご報告:現在、無期限休止中の作品です。一旦の形として完結済となっておりますが、ストーリー自体は完結していません】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-09 15:25:01
49277文字
会話率:36%
中世末期のブルゴーニュ大公国。騎士見習いとして共に育ったフィリップ、アシル、そしてエスターシュ。フィリップはアシルに友人以上の感情を抱く自分に気付くが、その気持ちを打ち明けることが出来ない。そんなフィリップをエスターシュは冷笑する。
戦を明
日に控えたその夜、フィリップはアシルの天幕に忍び込み関係を持つが……。
※自サイトからの加筆・転載作品です。
2015/12/18 本編完結しました。
2015/12/24 番外編「ノエルの贈物」UPしました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-24 00:06:32
39891文字
会話率:26%
動乱の世。レレイ・ラ諸侯ユヴェ・イル公国の王子キリアは、即位したばかりの新国王カヴェクの元へ輿入れした。先王の悪政により疲弊した小さな国へ、新王の援助を取り付ける為に。野心を胸に秘めた美貌の花嫁と、天衣無縫な獣人の王。この愛は駆け引きか、そ
れとも。——『人材派遣の賢者様!』スピンオフ、氷の世界の恋物語。※ケモ注意折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-14 09:00:00
13874文字
会話率:31%
サルンド公国の第一公女、リリースは、ピューレ王国第三王子、シャイールと結婚することとなり、ピューレ王国へやって来た。話題に事欠かない自由奔放な王子と、故国を捨て、前向きに頑張る公女の物語
最終更新:2015-02-16 09:17:43
29907文字
会話率:27%
イチゴ栽培と屈強な傭兵で知られる小国・エルベトーレ。その第一王女・リリアナ・アーダルベルタ・フォン・エルベトーレ(通称リリ)は、落ち着かない毎日を過ごしていた。
長年きょうだいを持たなかったリリは、父王の後を継ぐ王太子として遇されていたが、
二年前に父がガリアの平民出身の職業婦人・アナベルと再婚、昨年異母弟・ヨーゼフが生まれた。
エルベトーレの法では、王位継承において男子が優先される。自動的に王太子の位を失ったリリは、これまで学んできた政治や経済の知識が無になることに、虚しさを感じていた。
はとこのトーマから求婚されるが、どう見ても「あわよくば王位を手に入れよう」という野心が見え見えで、気分はげんなりするばかり。
そんな中、秋の収穫祭が行われる。父王とともに余興の剣闘試合を観覧していたリリは、漆黒の髪にアメジストの瞳を持つ青年、レフ・ゼブロウスキと出逢う。
あまたの豪傑を打ち負かして勝利の美酒にあずかったレフを、父王は知っていた。かつて強敵・アナトリアに滅ぼされた同盟国・カシューブ公国の公子で、虐殺の中を落ち延びて生き残っていたという。
感激した父王は、レフを新任のリリの親衛隊長に任じようとするが、リリは己より弱いものに守られたくはないと、レフに勝負を挑む。
防御の姿勢に落ち着きがあり、手数の多さに惑わされないレフは、リリをかわし、寸止めで勝負を決める。
この件で更に自信を失ったリリは、その後のアナトリア攻略で己の沽券を取り戻そうとするのだが――。
凛とした美人だが己に素直になれない姫君と、地獄を見て執着を忘れていた青年の、可愛らしくも激しい恋物語。謀略もほんの少しあり。
Pixivのコンペで落ちた作品( http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/590232/ )を、頭から書いてみました。
Twitterを始めてみました。たぶん更新情報などしか流さないですが、気が向いたらフォローいただけたら幸いです。 https://twitter.com/fry_magumi折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-26 01:30:15
16968文字
会話率:28%
pixivのコンペに落選した作品の再投稿です。
傭兵とイチゴの産出国として有名な中欧の小国・エルベトーレ王国。
その第一王女のリリアナ(通称リリ)は、生まれてから長らく王太子であったが、異母弟ヨーゼフが誕生したため、廃太子され、『普通の王
女』として生きることとなった。
どう生きればいいのかわからず、鬱々と過ごしていたが、傭兵騎士団の剣闘試合で腕試しに来た傭兵騎士・レフと出逢う。
異教徒に滅ぼされた公国の長だったレフの父と、リリの父王が懇意だったこともあり、レフは父王から気に入られ、リリの親衛隊長に任命される。
レフからは剣闘試合で手合わせした際に見透かされるようなことを言われ、またお調子者風な外見と態度にリリは反感を抱くが、父王主催の舞踏会にて、はとこのトーマから絡まれ、侮蔑された時にかばってくれ、手の甲に誓いのキスをしてくれてから、心が揺れ動き始める。
己が王族であることへのこだわりを捨てられず、帝国と異教徒の戦争へ志願するリリだったが、戦場で奇襲を受け、撤退を余儀なくされる。
追っ手を逃れるために逃げ込んだ無人の納屋で、ともに逃げてきたレフへ、「せめて女として死にたい」と誘惑を試みるが、レフは「一目見た時からあなたが好きだった」と言い、あくまでレフの意思でリリを抱く。
その後味方に助けられ、国へ戻ったリリは、明らかに心の荷が軽くなったことを感じる。
レフと合わせる顔がなく、彼を避けていたリリへ、次第に陰謀の魔の手が近づいてくる。
外国人の王妃・アナベルを快く思っていない一派が、リリを擁してクーデターを起こそうとしていた。
国の不和をよしとしないリリは、クーデター派を一網打尽とするため、敢えて誘いに乗ったふりをする。
クーデターの首魁はトーマだった。外国人の血を引くヨーゼフよりも、己とリリの子供の方が王位にふさわしいと妄想しての叛乱だった。
大衆を煽動する手段はよくない、自分はトーマと結婚する気はない、と説くリリだが、トーマは聞く耳を持たない。
あろうことか、「押し倒せば言うことを聞く」という思考のもと、リリを辱めようとする。リリははっきりと抵抗し、ブラウスを破かれたところで、レフが助けに来る。
形式にとらわれることの愚かしさを痛感し、リリは王族から離籍することを決意する。レフからは、情熱的な一夜の際に、将来結婚しようとプロポーズされる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-07 03:55:33
22975文字
会話率:46%