ヨウスケは大魔法使いとして異世界に召喚され、仲間と共に無事に「瘴気」を封じて早数年経った。
森の中で一人暮らしているヨウスケだったが、自分の魔力でSubとしての欲求を抑える日々が続いている。
日本ではもはや周知されきっていたDom/Subユ
ニバースという第三の性は、この異世界には存在しない。つまり、ヨウスケはこの世界でたった一人のSubであり、ただただ身体の不調と不安感を押し殺すだけだった。
そんな中、近くの廃村で一人の少年と出会う。少年は異質な容貌――頭に獣の耳のようなものを付けて、寒空の下座っている。そして何より彼はヨウスケに「命令」を与えたのだ。
Subとしての本能は自然とそれに従った。少年は、この世界でただ一人のDomだった――?
そしてその少年の正体は――
メインは19歳✕26歳、攻めの小年時代は一瞬です
※Dom/Subユニバースの設定をお借りして、独自設定に改変しています。
※Dom=SMのS、命令したい・受け入れて欲しい 等
Sub=SMのM、命令されたい、必要とされたい、褒めて欲しい 等
欲求を我慢すると体調不良に
※作中にSM要素は皆無です。
しばらく毎日更新していきます。どうぞよろしくお願いします
(追記)タイトル変更:旧題「育てたDomに愛されるのは、元大魔法使いのSubでした」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-22 22:42:59
56604文字
会話率:43%
異世界某国。陸軍東部カトムズ軍駐屯地副司令セントワルド・ペッツァーは、尊敬する兄が男色に溺れているという情報を聞きつけ急遽王都へ向かう。
そこで久しぶりに会った兄・レンブラントは………。
セントワルド・ペッツァー(42)
イースランド陸
軍東部カトムズ郡駐屯地副司令。軍務においては真面目だけどそこそこ遊びも知ってる人。兄レンブラントを心酔している。
レンブラント・ペッツァー(45)
セントワルドの兄。大戦末期における北部作戦本部の若き司令官。陸軍の伝説的存在。
現在は陸軍本部監査課課長。
ヴィクター・ランベルト(52)
元陸軍本部会計課長。現在レンブラントとバルトロと3人で中央区の豪邸に住む。(半強制)
非常に品のいい穏やかなイケオジ。
バルトロ・ケンドリック(41)
現在の陸軍本部会計課長。元政策部所属の超エリート。
仕事ではどんな時も冷静さを失わない安定した人物として定評があった(過去形)
ランベルト元課長に関する事だけ冷静さを失い一気に感情的になる。
注・本作品は拙作「ランベルト課長のこんなはずじゃなかった日々」の余話となります。
注・本作主人公は拙作「嫌われ男は涙を流さない」にほんの一瞬出てきたあの人です。
いつものように見切り発車で書いたら今回は18禁描写なしです!わーい
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-17 15:05:03
12977文字
会話率:29%
ある時、道端で蹲っているお婆さんを見かけたセアラは持っていた焼き立てのデニッシュをあげた。
そのお婆さんは「魔法」という、子供のお伽噺の様な言葉を残して消えたのだった。
それこそ、魔法の様に一瞬で・・・・・
白昼夢でも見たような不思議な体験
だったが、セアラはその事をすっかり忘れたのだった。
連載ですが、2話で終了します。
いつもの如く・・・短編のつもりが、男性サイドも同じ字数の長文になり・・・
見辛いだろうと、2話に分けました。
宜しくお願い致します!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-16 22:00:00
29291文字
会話率:31%
※10/16 どすけべ3000字加筆しました。
『この泥棒猫!!』
聖樹はいにしえのアーカイブの中でしか聞いたことがないような古い嘲り言葉に、一瞬耳を疑った。
掛けた相手を間違えただろうか。
『僕なら彼のためにすべてを差し出せる! 彼
のためにうなじを差し出し、ヒートの間、彼を待つための巣を作り、彼のために子どもを生む、そんなことができるのは僕だけだ!』
ふむ、と聖樹は反証する。
確かに、オメガではない自分にはそれらを行う本能はない。
だからといって、本能ではないから伴侶への情愛が薄いという証明にはならない。
ならばこそ、証明してやろう。私の巣作りによって。
溺愛ハピエン前提の『違う、そうじゃない』系オメガバースラブストーリー。
溺愛アルファ×スパダリ系溺愛アルファ。notざまぁ系。王道学園の元副会長×元生徒会長。
大島Q太様のTwitter企画『溺愛アルファの巣作り』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-10 21:21:34
13458文字
会話率:38%
涼しくなった秋の季節に、野外で全裸になり愛し合う男女の性癖を美しく熟す。 超短編で一瞬のエロティシズムを堪能する官能小説。
最終更新:2022-10-06 01:25:05
764文字
会話率:40%
その日、未曽有の大地震に襲われた街は、一瞬にして廃墟と化した。
生き延びた人々は先の見えない生活に暴徒へと落ち、あるいは協力しながら生きていく。
図らずも突入する弱肉強食の時代。しかし父の予言に従い備えを万端にしていた秋村春樹は、一人気まま
に日々を過ごす。
※鬱展開がありますのでお気をつけ下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-28 23:12:45
93442文字
会話率:38%
幼なじみがポメラニアンになってなかなか人間に戻らない。こっちは心配してんのにひょうひょうとしやがってかわいくない……、なんてことは決してない。くっ、もともと美形とはいえ、このポメラニアンかわいすぎる!
高校生の一瞬すれ違い両片思いほのぼのコ
メディーハッピーエンドの短いお話です。
※ポメガバースかわいい! と勢いで書いています。攻めがポメです。ふんわり知識と独自設定を多々含みますのでご注意ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-14 23:32:41
7342文字
会話率:28%
「喜べ、フラン!お前の嫁ぎ先がやっと決まったぞ!」
帰宅した父が、最上の笑みを浮かべ、両手を広げて私の方に来た。
サロンに居た友人と私。嫌な予感しかしない。
友人は父を落ち着かせようと宥めながらソファーに座らせ、私は侍女が用意し
たカップにティーポットを傾けてお茶を注いでいる。
「なんと、あのアルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵だぞ!」
興奮冷めやらぬ父。
「 … 」
お茶を注いだまま固まった私。
カップからお茶が溢れまくっている。
「へ?」
驚いた私の口から変な声が出た。
嫌な予感的中!!
アルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵、御年28歳。
8年前に最愛の婚約者を事故で亡くされた。あと3ヶ月で結婚式だったという。
それ以来、一人息子である彼にの元に、喪が明けると同時に大量の縁談が持ち込まれたが、これを悉く撃墜…。付いた渾名が“撃墜王”、そして現在に至る。
あの“撃墜王”が何故…?
疑問に思うも、理由は簡単であった。“王命”である。
後日聞いた話だと、国王に呼び出された公爵閣下が、その王命を聞いた途端、室内の温度が急激に変化したらしい。
その上、公爵閣下から怒りのオーラが駄々漏れ、国王以下、場に居合わせた者達の顔色が一瞬で真っ青に染まったという…。
あー…
顔合わせの時、私…瞬殺されんじゃね?と思ったのは言うまでもない。
まぁ、その時は亡き夫の所に行けるからいっか…。(良くねぇーよ!ってか、行きたくねぇー)
私ことフランドール・アルバ伯爵令嬢、20歳(一応?)未亡人と最愛の婚約者を亡くした公爵閣下のお話。二人は無事に結婚出来るのか?(というか、ないわぁ。)
悲劇の裏に隠された真相とは?
*フィクションです。よくある設定のお話です。
*投稿者の他の作品で同じ名前や家名が出てきますが、使い回してたりするので、何の関係もありません。(シリーズではない)
*R18は、話の展開によっては必要かもしれないので、念の為に入れてます。
*ご都合設定なので、ザックリと細かい所はスルーして、時間潰しにでもお気軽にお読み頂けると嬉しいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-08 00:08:29
148319文字
会話率:25%
他人に一瞬で催眠をかける才能を持っている高校生のナツミはハロウィンの夜、塾帰りの時に泥酔したミニスカポリス姿の女子大生に遭遇する。だらしがない女子大生を懲らしめてやろうと悪戯半分で女子大生に術をかけると、、、
最終更新:2022-09-05 13:25:14
2231文字
会話率:25%
膨らみ始めた桃色の蕾。
大人になり始めた、でも大人になりきらない一瞬の妖しい輝き。
大人のどす黒い欲望が、どす黒く反り返る砲身が、
少女の真っ白で無垢な体を貫き、汚す。
どす黒い欲望渦巻く白い塊を、未熟で真っ白な子宮に解き放つ。
今このまま
死んでもいい…
※本当にやると「お縄」を頂戴することになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-31 00:33:49
325693文字
会話率:15%
予言の巫女により、救国の英雄になると神託を受けた俺はやる気のない18歳。
ところが周囲は本人を他所に大フィーバー。問答無用で国唯一の王女(レズ)との結婚迄決まってしまう。
(国救うどころか未だ何もしてないのになあ…。)
気がすすまない内
に事態はどんどん進み、ついには国をあげての挙式当日。
一陣の黒い竜巻きが一瞬にして俺を攫った。
何が何だかわからない内に、今度は何処かの城の中のとある部屋のベッドにいた俺。
そして俺を抱えたまま俺の下敷きになってベッドに気絶している黒髪の美形。
取り敢えずは起きるまで介抱してみると、目を覚ました彼は俺に言ったのだった。
「我の嫁…。」
つまり救国の英雄とは、戦って魔王を倒すとかそういう感じではなく、魔王に嫁(賄賂)を貢いで勘弁してもらう方向のやつだった…。
確かに国は救ってんのかもしれないけど腑に落ちない俺と、超絶美形イケメンドジっ子魔王様の 甘い新婚生活は無事スタートするのか。
※ファンタジー作品にはいまいち馴染みがないので詳細な背景描写等ははおざなりですが、生暖かい目でお見守り下されば幸いです。
※この作品はアルファポリス様、エブリスタ様にも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-20 12:00:00
25420文字
会話率:29%
昔々あるところに、一人のお嬢様がいました。
そのお嬢様は、スザンナといって、ある国の侯爵令嬢でした。
という物語調のお話です。1話は。2話がRで、2話完結予定。
王子さまのことが大好きな令嬢と、令嬢が大好きな王子さまのお話です。
ハッピ
ーエンドです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-17 00:00:00
7524文字
会話率:27%
落ちこぼれの魔術師が、最期に召喚した竜と過ごした一瞬。
「ただ死んで終わるよりは、あなたの腹に収まる方が有意義に思います」
エロはなく、流血や人体欠損を伴う捕食描写が存在します。さらっと書いているのでグロ描写を期待されると拍子抜けかもしれ
ません。
登場人物がどちらも男性のためボーイズラブカテゴリとしておりますが、明確な恋愛描写はありません。
作者としては恋の一種(一方通行)と考えています。
※一年ほど前に同人誌として発表した作品です。Pixivにも重複投稿しています。
鬱描写、自殺に近い描写、メリバなどを含みますが、自殺・犯罪行為を推奨する意図はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-06 12:12:09
7383文字
会話率:25%
この瞬間を繋ぎ留めようとする努力の成果。それでも光の季節は過ぎてゆく。
一瞬で入れ替わる光と影。生まれてはたちまち消える泡のような超短篇。記憶の薄片、見えない事件、生々しい感触に反して遠い遠い物語。
最終更新:2022-08-05 23:00:00
17519文字
会話率:9%
【執着攻め×執着受け】
月神の加護を賜る月一族の寵児である虹蓮(こうれん)が乱心して、月神と死神を殺し、平安ノ国から「死」がなくなった。―――それから三百年後。
水一族なのに溺死しかけた泡桜(ほうおう)は、目が覚めるとすべての記憶を失っ
ていた。その上、動く死体に襲われる。追い詰められる泡桜であったが、涼やかな美貌を持つ花一族の君桜(くんおう)に助けられる。初対面である筈なのに、泡桜は君桜に懐かしさを覚え、離れたくない、離したくない、と強烈に惹かれていく。
そんなある日、三百年前に虹蓮に味方していた雪一族が水一族に襲来。訳も分からぬまま戦いに巻き込まれた泡桜は、三百年を生きる雪一族の雪童(せつどう)を強く憎み、復讐を誓う。だが、土一族、火一族、風一族、鳥一族と、かつて虹蓮と関係があった一族で次々と異変が発生。さらには、三百年前に死んだ虹蓮が復活するという噂が流れ出す。
虹蓮とは何者だったのか、三百年前に何があったのか、何故「死」がなくなったのか、各地で何が起きているのか。
三百年を巡る謎が明らかになったとき、泡桜と君桜の恋は思わぬ結末を迎える―――・・・。
○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o
※過去で主人公が女性を愛する描写が一瞬あります。くっつきません。
※主人公が二人の男性の間で揺れ動く描写がありますが、固定CPです。三角関数にはなりません。
※R15は警告なし。R18は警告あり。
○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o
※1話あたり5千字ぐらいでまとめています。
※設定がヘビーです。ストーリ重視で進みます。下書き時点で20万字越えの長編です。
※更新情報はTwitter(@f3enju)をご確認ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-27 21:16:08
29275文字
会話率:41%
突如として人攫いに包囲された幌馬車。彼らの狙いは馬車に乗っていた銀色の髪をした美少女だった。
しかし彼らの予想に反して少女は強かった。圧倒的な強さで並みいる人攫いたちを圧倒する少女だったが、一瞬の隙を突かれ眠らされてしまう。
縛られた少
女はアジトへと連れ去られ、人攫いたちになすすべなく凌辱される――
ところがこの凌辱劇は実は少女自身が仕組んだものだった。
彼女はコードネーム《銀狼》、国の情報機関に所属するエリートエージェントだ。
次の任務で彼女は敵国の都心にある学園に潜入することになる。
その学園にはクラスメイトを奴隷にすることのできる魅惑のシステム《マッチ・システム》が存在していた――
・清楚な見た目のつよつよな美少女がわざと格下の男に負けて犯されたり調教されたりするお話です。
・少しだけガールズラブ要素のあるSMファンタジードラマ。
・主人公無双です。敗北・洗脳・媚薬堕ちエンドはありません。
・IF展開もありません。
・ヒロインのイメージを伝える目的で少しだけ挿絵をつけています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-06 22:00:00
18487文字
会話率:38%
――気になるあの娘に、チャラいオトコの影。
受験に失敗して、不良高校にしかたなく入学した僕。案の定頭の軽い奴らのパシリになるも、そこで黒ギャルと出会う。どうせこいつも同じ人種……と思いきや正義感を振りかざす彼女は僕を助けた。日に焼けた眩し
い笑顔に、一瞬で落ちる心。
そこから僕は、彼女と勉強会を開いたり、あの手この手で彼女の気を引こうとする。やめてしまおうかと思った勉強も彼女との未来の為なら頑張れる。彼女を支えられる男になりたい、その一心で勉強に夢中になっていたら。
とある夏、気づいたら、彼女には男の手垢が付いていて。
さよならのつぶやきが頭を離れない。
※あらすじのみ寝取られる彼視点。本編ではこっちの視点は出てきません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-03 22:00:00
13049文字
会話率:45%
俺たちに明日はない。
斜陽が空を紅に染めている。
もうじき日は完全に沈み夜がやってくる。
そしてその夜を越えて息をつなぐことなど俺たちには出来やしないだろう。
(中略)
そのとき不意に悪魔のような考えが閃いた。『ひょっとしてこいつに殺される
のも、俺の死をこいつに捧げるのも変わらないんじゃないだろうか。』
ーーーーーーーーーーあらすじーーーーーーーーー「感情なき戦略兵器」とあだ名される「俺」は、敵国エースの軍人と戦闘のたびに戦っていた。しかしトラブルにより2人は死の砂漠へと飛ばされてしまう。全てを諦めた「俺」はある行動に出るのだが…?
包容力マシマシの敵国英雄攻め×無口無表情不憫受けBLです!
ーーーーーーー!!!!!!注意!!!!!!!!ーーーーーーー
脅迫による同意のない性描写があります。
受けが攻め以外に犯されるシーンがあります。
暴力描写はほぼありませんが、一瞬だけ血が出ます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-24 17:00:00
12939文字
会話率:16%
私の名前は、笠谷摩耶。派遣社員。派遣先の会社は例の新型ウィルス感染爆発の影響で全館閉鎖。契約の都合上、在宅勤務なども認められず、一時休業状態に。ひそかに好意を寄せる男性社員から、自宅で仕事を手伝ってほしい、と言われてから、私の人生は大きく変
わってしまった。一瞬の幸せと、その代償。
※2022.06.24 完結しました。ちょこちょこ推敲するかもですが、大筋、変わりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-24 02:14:08
159690文字
会話率:52%
ざわざわ
「……、……!」
自分の頬や腕を何かがピシピシとくすぐる感覚がする。
まばたきでぼんやりと浮かんできた景色は、自分の背たけよりも大きな植え込みの迷路をかき分ける己の腕。
風のざわめきの中に誰かの声が聞こえると、その方角を目指
して小走りになる。導かれるように体が自然と向かったのは、聞こえたのがどこか既視感を覚える声だったからかもしれない。
機嫌が悪そうな鉛色の空に冷たい空気、湿った草木の匂い。轟々と音を立てる風が誰かを叱るみたいに雨粒を強く地面に叩きつけている。落雷の音が遠く聞こえて感じる強い焦燥感。
ピシャン、ガラガラガラ……
「ぅわっ……」
一際大きな雷が鳴った。辺りを一瞬、黄色く染める。
声のした方に視線を向けると、見上げるような木の太い枝に子供がしがみついているのが見えた。日が当たらないために彩度の落ちた世界で、真っ赤な髪が雷に明かされ鮮烈に光る。
「……!……!」
その姿を見つけた俺は、感情の処理に困るような苛立ちを感じた。
花も果物も成らない、自分の背丈よりも高いだけの木になんの用があるのかと。
何も、雨で滑りやすいこんな日に限って登ろうとしなくてもいいではないか。嫌な予感に鼓動が早まるのを感じる。
「……ル! ほら…………あ!」
何も出来ずにハラハラと見守っていると、突風が吹き荒び、こちらへ振り返ろうとした子供の体が傾く。
「!!」
つづく折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-23 04:46:29
93801文字
会話率:47%