俺は夢で『家族に会いたい』と頼まれ、目が覚めると紅国の王子「宇軒」という小説のキャラになっていた。なのに、この宇軒はどうやら後宮で軟禁状態にあるらしい。え、何それ。聞いてない。てか、頼み聞くならその紅国って所に行かなきゃじゃね? 行けるのか
? とか思いながらも慣れない環境に戸惑いつつ、とりあえずは脱後宮を目指して頑張ろうとするが……
/不定期更新/攻め以外と絡み(未遂)があります/18Rは予告なし/役職や階級、人名に関してはふんわりです/何でも許せる方向け/ご無理な方はソッ閉じして下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-22 21:00:00
174990文字
会話率:33%
◆◇謎に包まれた吸血鬼×生真面目な人狼◇◆
《あらすじ》ある人狼に追われる年経た吸血鬼ヴェルギル。退廃的な生活を送ってはいたけれど、人外の〈協定〉の守護者である、人狼達の〈クラン〉に追われるほどの罪は犯していないはずだった。
ついに追い
詰められたヴェルギルは、自分を殺そうとする人狼クヴァルドの美しさに思わず見とれてしまう。鋭い爪が首に食い込むのを感じながら、ヴェルギルは襲撃者が呟くのを聞いた。
「やっと……やっと追い詰めた」
その声に祈りを連想したのは、頭をひどく打ったからだろうか──。
だが、彼の望みは想い人の復讐だった。
「人違いだ」と説明するも耳を貸さないクヴァルドに捉えられ、人狼の本拠地へと連行されるヴェルギル。そして天敵同士である人狼と吸血鬼は、手を組んで同じ敵を追うことになるが──。
「吸血鬼」小さな声で、クヴァルドが言った。「なんで、俺を?」
同じことを、ヴェルギルもまた自問していた。
何故、この男なのだ?
イムラヴの血を引く人狼は珍しい。だが、それだけが理由ではない。見事な毛皮に惹かれたからか? あるいは、哀れを催すほど真面目で高潔だから? 故郷の歌を見事に歌い上げたあの声のせいか? それとも、満たされない憧憬を抱えた彼に同情した?
わからない。これほど不確かなことがこの世に存在することを、いま初めて知った。
ヴェルギルは口の中で、〈嘘の守護者〉リコヴへの祈りを口にした。それから肩をすくめて、こともなげに言った。
「わたしは悪食でね」
それぞれの思惑を抱えつつ、激しく惹かれてゆくふたり。だが、ヴェルギルにはどうしてもクヴァルドを裏切らねばならない理由があった。やがてふたりの道行きに、国中を戦禍に巻き込みかねない陰謀の暗雲が立ちこめ──!?
異世界の島国・ダイラを舞台にした、ハイファンタジーBL《日月の歌語り》シリーズ1作目。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-10 14:03:22
268206文字
会話率:44%
退魔師の幼馴染を守るため『守護者』となった明。しかし、彼の力を狙う何者かによって拉致されてしまう。明は幼馴染の元へ帰り、守護者の役目を果たす事ができるのか?
陰気な美青年×幼馴染に一途な少年
メリーバッドエンドです。
性描写はありませんが
、洗脳・監禁・悪堕ち(対立流派堕ち)などの要素があるためR18としています。
27000文字で完結済みです。
pixivにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-16 22:50:51
27883文字
会話率:40%
『諫山理沙子』52歳
家族は夫、娘夫婦、息子、孫2歳の6人家族で幸せな日々を送っていた。
ある日、健康のために散歩した公園で急に胸が痛くなり倒れてしまう。
そして、気がつくとテーマパークのお城の中のような場所の魔法陣の上にいた。
そこに
は15〜6歳のコスプレ王子様、騎士、魔法使いの3人がいて、5年毎に行われている『聖女召喚』をしたのだという。
52歳の自分が何故『聖女』として選ばれたのか疑問に思ったが、魔法陣の召喚システムの適合者(この7日間で周囲10キロ圏内で亡くなった人)の中では自分が一番若かったので召喚されたらしい。
そして、何故か息子よりも年下の守護者の王子様に熱烈なアプローチをされてしまい、困ってしまった私がとった行動と、明かされた衝撃の事実とは?
聖女召喚の高齢化問題に取り組む問題作。
R18表現のある時はタイトルに※をつけます。
『虹色聖女ヤスハの伝説』と同じ設定の世界となっております。
全71話完結いたしました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-12 20:00:00
208229文字
会話率:22%
俺はヤーシャ。
20年前、聖女として召喚された。
そして、5年間の聖女としての期間を終えた俺は、そのまま聖女が済む『守護の館』に『管理人』として勤めていた。
5年毎に行われる聖女召喚。
今、4回目の聖女召喚が行われた。
そして、召喚され
たのは地球の時間で言えば52歳、倍の速度で時間が進むこの世界では102歳の今までになく年をとった聖女だった。
聖女と『恋人』となるはずの守護者の王子様を大変だなと思って傍観する立場だったはずなのに、いつの間にか俺までも巻き込まれていく。
『聖女の理(ことわり)〜若返ったからって息子より若い守護者との結婚なんでできません〜』のヤーシャ視点となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-05 12:10:56
42098文字
会話率:22%
俺は橘泰葉 21歳 男
俺の長い髪を見た異世界人に女と間違われ聖女として異世界に召喚された。
召喚されたこの国は現在、国家存亡の危機に陥っている。
そして、この世界を救う方法は守護者と呼ばれる日本で言えば、15歳の3人の少年達と俺との4P
のゲイSEXしかない
……らしい。
しかも俺以外の3人の少年達は全くの経験なし。
俺も女としか経験はない。
誰1人としてやりたくないのに、国を救う使命感のみでこの難題へと取り組んでいく。
果たしてこの4人は国を救うことが出来るのか?
全8話。
最終話まで予約投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-24 00:00:00
24081文字
会話率:20%
あたしの名前は「キョウカ」。
大学受験が頭を悩ませ始めた高校3年生。
……だったんだけど、突然「異世界召喚」されて、「慈愛の聖女」って役目を押しつけられたの。
「慈愛の聖女」のお仕事はいろいろあるんだけど、その中でもいちばん大切なのが、
5
人の「五聖玉の守護者くんたち」と、ココロもカラダも交流をもつこと。
いわゆる「そーゆーこと」なんだけど、守護者くんたち、みんなショタっ子なんだよね。
最年長の子でも11さいだし、最年少の子はまだ6さい半なの。
「小学生男子が大好きなあたし」の、ショタ的異世界ライフ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-10 18:00:00
40820文字
会話率:21%
多古弘《たこひろし》は自堕落な21歳の青年。
フリーターの彼はパチンコにハマり、生活に行き詰まってしまう。
いよいよホームレス───
そんな頃、妄想癖の強い彼の肉体に変化が現れる。
とあるラーメン屋───
多古弘《たこひろし》は、ある少女と
遭遇する。
お互いが感じる《なにか》それは、婬魔と戦う少女、ダークフェアリーの誕生だった。
これを機に、多古弘は妄想でしかなかった《触手獣》に現実世界で変化してしまう。
それは、ただの怪物なのか、それともダークフェアリーの守護者なのか───
触手メインです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-06 06:16:10
31875文字
会話率:17%
二年前に交通事故で家族を失い、一人暮らしをしている主人公の河合貴士は巨乳好きで、プログラミングが趣味の大学生。ある能力で世界の秘密を知り、株価の変動を正確に計算して、自動取引するシステムを作って億万長者になった。
ある日、隣に住む幼馴染の
高校二年の銀髪巨乳美少女、北山香澄の家が借金で困っていると聞き、彼女の窮地を救った。そして二人は結ばれる。もともと香澄は、幼いころから貴士を慕っていたのだった。
イチャラブ生活が始まると思いきや、いきなり翌日、二人の前に、謎の褐色巨乳美少女ラシャミが現れる。彼女は、貴士は十四人の女性とともに「災厄の日」から世界を救う偉大な守護者で、その力はエッチをすればするほど強くなると語るが・・・
※挿絵を追加しました。♡のついている頁の挿絵は肌色多めです。閲覧時はご注意ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-11 01:00:00
1177575文字
会話率:47%
その砦は王国の重要な拠点の1つだった。王国と公国を分かつ辺境にある。
王国の血脈は尊い。この世界をお創りになられ、そして去った神が、世界の守護者たる徴を授けた人のうちの1人を祖に持つ。
砦では辺境の降誕祭と年始をまとめて祝う宴が開かれていた
。騒々しくなる中、北の国から来たベルセルクル・イェルドは精霊術士のセスに自慰もしないことをからかわれている。セスは急に「僕とキスして、君が勃起しなかったらもうからかわない」と言い出す。イェルドはセスが嫌いなので、その賭けにあっさり乗る。口と口をくっつけるくらいでなにが起こるというのだ。イェルドはそう思っていた。
受けが攻めの性への無知さに付け込んでキスしてるので注意です。
攻めも断りなしに挿入しています。
以前ムーンライトノベルズに掲載させていただいていた『無知シチュから恋人になるまでの話』の序盤書き足しと大幅な路線変更版です。
アルファポリス、pixivに掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-17 23:45:16
35581文字
会話率:54%
世界を蹂躙し、悪逆の限りを尽くす魔王。
その魔王を倒すために結成された勇者パーティは、長い旅路の果てに、遂に魔王と相まみえる。
聖剣の勇者ダン。
流麗な女騎士シャルロット。
光の聖女ユミナ。
盾の守護者ヴォルフ。
4人から成る勇者パーテ
ィは、犠牲を伴いながらも魔王に勝利し、世界に平和を取り戻した。
しかし、かつての仲間を弔うべく再び旅路に出た彼らは、そこで怪しげな宗教団体と遭遇する。
謎の宗教団体の内情を探るべく、勇者パーティの面々は密かに行動を開始するが、宗教団体の長である妙齢の女教祖もまた、自らの目的を果たすべく、ダンに好意を寄せるシャルロットとユミナに目を付けていたのだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-02 00:00:00
145405文字
会話率:27%
実の父親に殺されて、気づいたら過去に戻っていた!?
涙がブラックダイヤになる不思議な能力を持つユリアナ。
貴重な能力がゆえに、父に監禁されていた。
日々虐待されブラックダイヤを生み出し続けられる。
父からの激しい虐待の末、とうとう
殺されてしまう。
来世では幸せになりたいと願いながら
生き絶えるが気付けば過去に戻っていた。
今度こそ殺されず、父親からの解放を望む。
どうやって脱出すればいい?
脱出した後はどうしたらいい?
脱出をした先で出会ったのは、帝国の筆頭公爵たち
公爵家で保護してもらううちに
どうやらユリアナは数100年に一度誕生する聖女だということがわかる。
しかも、聖女は複数の男性と婚姻を結ぶのが通例だと言われ一気に5人の夫が⁉︎
脱出した先で待っているのは希望?絶望?自由?
それとも……----
start 2023.05.19〜 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-18 09:15:05
15159文字
会話率:24%
ネタバレになるので、少しだけ
少年と青年の旅の物語
二人は神に等しく、魔王ですら相手にならない黒竜王の鱗を持っていた
人と関わらないはずの、黒竜王の鱗を持っている理由は何か
二人の旅の目的は何か
色々な者たちの思惑と共に、二人の旅は進んで
いく
異世界ものですが、異世界要素は前面には出てきません
(と思っています)
魔法・魔物・剣もカレーの福神漬け程度です
そのうちがっつりR18(BL以外もちょびっと)ですので、苦手な方はご注意ください
作者は王道ネタが大好物です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-29 20:34:53
117575文字
会話率:54%
トレジャーハンターが褐色の爆乳を持つ二人の守護者におっぱいで搾りつくされる話です。
最終更新:2023-04-05 07:07:52
16246文字
会話率:67%
神嶺山脈の麓に雪溶けの水を湛えた巨大な湖がある。
その湖は天を衝く山嶺と魔境の森に囲まれた秘境だ。
蝕と朔の重なる夜、そこに異界から美しい男が現れる。
その男はサリードと星を対にする唯一無二の半身である。
五歳の試練でサリードは守護者にそう
予言され単身秘境の湖に向かう。
*第一章はサリードが半身を迎えにいくための旅がメインです。
*受けが出てくるのは第一章の終わりになります。
*第二章の冒頭はさらりとですが凌辱シーンがあります。
*第二章から一日一回更新になります。
*この作品はアルファポリスに先行連載されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-10 07:00:00
203585文字
会話率:37%
最強と言われた竜騎士アルス、彼が愛したのは狩人で同じ男のハルト。
2人は旅をしている中で絆を築き上げていく。
正妻に迎えたいアルスはハルトに愛情を注ぐ。
ドラゴンと心を通わすアルス、ハルトはそんなアルスに惹かれて寄り添う。
2人の心が1つに
なった時、確かにそこに「愛」は存在する。
時に切なく、時に激しく、時に笑い合って、2人は旅をする。
君と出逢えて僕は幸せだよ――――そう言えたらどれだけ君を笑顔に出来るだろう……?
【第2部】
守護者として生きるアレスを支えたいと願うのはハルトの勝手な想いだろうか?
ハルトもまた守護者として任命される。
そして、ハルトは不死の加護を受けていずれ、聖母として重い使命を追う事になる。
聖母として生きる事でアルスの子を産みたいと願ったハルト。
しかし現実は無情にもハルトの心を深く傷付けられていく。
2人が求める「愛」の形とは――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-18 00:00:00
119933文字
会話率:59%
獣人が暮らす異世界の神の遣いである守護者の運命の番として召喚されたたといは、第1王子で守護者のイルの運命の番とされるが、その3ヶ月後に召喚された竜欧院かさねをイルは真の運命の番と認め、たといはかさねによってイルの宮を追い出されてしまう。行く
宛もなく彷徨って辿り着いた先で、たといは自身を運命の番と呼ぶ蛇族の王子・シュイと出会う。
※シュイは攻めですが、蛇族の受けには挿れるところがあります。
※男性妊娠可能な世界です。
※えちちシーンはいつも突然に。
※アルファポリスさん、フジョッシーさんにも番外編追加、加筆修正、♡喘ぎなしで掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-17 00:00:00
75147文字
会話率:44%
幼い頃から、不思議な夢を見る。「比翼連理の番。異なる世界にあなたの番はいます。それは一つが欠けることが出来ない。あなたと番は否応にも惹かれ合い結ばれるでしょう。あなたの盾となり矛となるその人と、時が来たら巡り会います。生涯添い遂げるのです。
あなたを精霊の加護が導くでしょう」25歳の凛空は同じ夢を見た。いつもと違うのは、少年の声に呼ばれた。目を覚ましたら、そこは見慣れない世界で……目の前には、ハニーブロンドの髪にペリドット色の瞳をした美しい顔立ちをした少年だった。彼は国王で、凛空の番だと告げられる。凛空は、100年に一度に訪れる風の精霊の加護を持つ守護者だと言われる。
番である以上王妃になってもらうと告げられるが凛空は拒む。しかし、魔力の暴走により凛空は倒れてしまう。魔力融和の儀式が必要で、その方法とは番であるレオンによる口づけだった。
偏屈で口が悪い少年王との口づけによる儀式を拒むも、凛空が持つ膨大な魔力により身体に異変を感じ……レオンによる口づけを毎夜受けることになったのだが、次第にそれは儀式とは違ったものになっていく。
※ゆるゆる設定です。初投稿の為、拙い文ではありますがよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-22 01:46:56
98555文字
会話率:47%
──剣と魔法の世界『フォーリアナ』
世界には凶悪な魔物が徘徊し、隣接する七大国は互いに無益な争いを続けていた。
そんな戦乱の時代に神業とも言える剣技で弱き人々を守る最強の守護者がいた。
その者たちは人々に畏怖と尊敬の念を込めてこう呼ばれてい
た……『剣聖(けんせい)』と。
今ここに、史上最強とうたわれたファー・イーストの第15代剣聖の青年『デルティア』と、その愛弟子である心優しき少年『エルシャ』の物語が今始まろうとしていた!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-25 17:00:00
13802文字
会話率:17%
聖剣『が』守護者 ~ヌいたらサキュバス(処女)ついてきた~
https://ncode.syosetu.com/n5494hx/
のIFストーリー
第十話の夜――
もしも邪魔が入らなかったらこうなっていた……かも?
最終更新:2022-11-16 18:01:48
3597文字
会話率:7%
残念ながらできません(出オチ)。
シウレリア・ガーフィリオンは生まれながらの聖女であった。民草の傷を癒し、予知力で大規模な災害を事前に防ぐ彼女の利き手には、『二対聖痕』があった。同じ聖痕を左手に持った剣聖ディールートと出会い、互いに想いを
共にしたことで、二人は本来以上の力を発揮し国に従事した。穏やかな家庭を築いた二人は国の守護者としてその身を儚くした後も崇め奉られたという——
国民からの尊敬を経て神格化された聖痕夫婦の実情とは。
誰からも尊ばれた聖痕夫婦は決して想いあってなどいなかった、というお話。致すまでが長く、痛いシーンはないのですが基本無理ヤリです。
ご評価、いいね、ブクマ、お恥ずかしながら、誤字報告等ありがとうございます。
急に冷え込みましたが、以下のキーワードをご確認の上、ご自愛くださいませ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-01 23:49:25
14789文字
会話率:27%
◆◇謎に包まれた吸血鬼×生真面目な人狼◇◆
【日月の歌語りⅠ】腥血(せいけつ)と遠吠え
《あらすじ》ある人狼に追われる年経た吸血鬼ヴェルギル。退廃的な生活を送ってはいたけれど、人外の〈協定〉の守護者である、人狼達の〈クラン〉に追われる
ほどの罪は犯していないはずだった。
ついに追い詰められたヴェルギルは、自分を殺そうとする人狼クヴァルドの美しさに思わず見とれてしまう。鋭い爪が首に食い込むのを感じながら、ヴェルギルは襲撃者が呟くのを聞いた。
「やっと……やっと追い詰めた」
その声に祈りを連想したのは、頭をひどく打ったからだろうか──。
だが、彼の望みは想い人の復讐だった。
「人違いだ」と説明するも耳を貸さないクヴァルドに捉えられ、人狼の本拠地へと連行されるヴェルギル。そして天敵同士である人狼と吸血鬼は、手を組んで同じ敵を追うことになるが──。
「吸血鬼」小さな声で、クヴァルドが言った。「なんで、俺を?」
同じことを、ヴェルギルもまた自問していた。
何故、この男なのだ?
イムラヴの血を引く人狼は珍しい。だが、それだけが理由ではない。見事な毛皮に惹かれたからか? あるいは、哀れを催すほど真面目で高潔だから? 故郷の歌を見事に歌い上げたあの声のせいか? それとも、満たされない憧憬を抱えた彼に同情した?
わからない。これほど不確かなことがこの世に存在することを、いま初めて知った。
ヴェルギルは口の中で、〈嘘の守護者〉リコヴへの祈りを口にした。それから肩をすくめて、こともなげに言った。
「わたしは悪食でね」
それぞれの思惑を抱えつつ、激しく惹かれてゆくふたり。だが、ヴェルギルにはどうしてもクヴァルドを裏切らねばならない理由があった。
やがてふたりの道行きに、国中を戦禍に巻き込みかねない陰謀の暗雲が立ちこめ──!?
異世界の島国・ダイラを舞台にした、ハイファンタジーBL《日月の歌語り》シリーズ1作目。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-22 20:32:54
206846文字
会話率:45%