東西南北4つの公爵領と、
それらを統治する中央(セントラル)によって
成り立つ魔法先進国ルノア王国。
王家、公爵家のみしか発現しない魔力を
持って産まれた少女、ロアは
病弱ではあるものの、
平民でありながらその美しい歌声に
魔力が宿ってい
た。
ロアの母、ライラは娘に人前で歌う事を禁じ、
ロアもそれを守り、裕福とは言えないが
平和に暮らしていた。
そんなある日、まだ幼く
母の仕事が手伝えないロアは、
いつものように森へ
自生する山菜を採りに行く。
ふと、いつもと違う道を通りたくなり、
散策していると美しい湖畔に出た。
小鳥の声と木々が風に揺れる音。
湖の穏やかな波は陽の光を浴びて
キラキラと宝石のようだ。
人前で歌ってはいけないが、
ここなら良いのではないか?
幼いロアは周りを見渡し、
人影が無い事を確認すると、
持っていた籠を置き、
心地よい風を胸一杯に吸い込んだ。
歌声が疾走る。澄んだ歌声は木々を震わし、
花々は水を含んだように色を増す。
ロアの魔力は、歌声を聞いた万物の能力を
増幅させる《イングロース》。
ロアの楽しみは歌う事だった。
歌っている時だけは、自分が自然の
一部になれた気がしてどこへでも
羽ばたける気がしていた。
パキッと背後で小枝を踏み締めた音がして、
勢いよく振り返る。
そこには深い夜空を切り取ったような
髪色の少年が一人、
木陰からこちらを見ていた。
(聞かれた?!)
少年はうっとりとした
微笑みを浮かべて静かに
ロアとの距離を詰める。
「探したよ。僕の愛しの妹君…ーー。」
その時は知る由もなかった。
この出会いが開けてはいけない
パンドラの箱だと言う事に。
捻じ曲がってしまった愛は
執着、嫉妬、呪いへと形を変える。
それはほんの些細な
きっかけだったかも知れない。
金糸雀の願いはたった一つ。
ーーーーー自由になりたかった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-21 23:47:49
732文字
会話率:20%
このルメルシェ王国では、宝石のような煌めく瞳を持って生まれた娘は、女神ビジュの愛し子であり、『聖女』とされる。
エメラルドの聖女、ルビーの聖女、サファイアの聖女……、各々その宝石のような美しい色をした瞳を持っていた。
聖女は決して不
思議な力を持っている訳では無かったが、女神に愛された娘を妻に娶れば、その家門は女神の愛し子を手に入れたとして周囲に一目置かれ、繁栄したという。
ある時生まれた聖女の娘は、深い森の中で両親と暮らしていた。
そこで何故か娘を冷遇する両親は、とうとうその少女を身売りしようと画策する。同じ頃、偶然森で出会った少年ラウルと仲良くなった少女は、二人で森を出ると約束した。
けれども少女は聖女を欲する者によって攫われ、ラウルとの約束を守れないまま、塔の上に監禁されてしまう。少女を監禁したのは王弟でもある公爵で、非常に残忍な男だった。
公爵は満月の夜になると、媚薬で酩酊する少女に無理矢理涙を流させようとする。『聖女が満月の褥で流す涙』が希少な宝石に変わると信じていたからだ。
少女にとっては不幸中の幸いというべきか、公爵は女嫌いの不能者であった為に最悪の事態は起こり得なかったものの、毎日を辛い思いで生きる少女。
しかしある時、公爵の屋敷を盗賊の一味が襲う。そして塔の上に囲われているアネットを攫った盗賊の頭領は、何と森で約束を交わしたラウルだったのだ。
けれども公爵の屋敷で過ごすうち、声を失ってしまっていた少女にラウルは気付かない。声だけでなく、少女の瞳が、出会った時と全く違った色味に変わっていたからだ。
実は少女は、光源によって色が変わる不思議な宝石『アレキサンドライト』の聖女だった。
少女の正体に気付かないラウルは、愛人(少女)から公爵の秘密を聞き出そうと寝台の上で脅して来て……?
※無理矢理表現あり
※残酷な描写あり
※『アルファポリス』様にも掲載中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-12 21:18:38
175947文字
会話率:43%
【連載中】異世界の大使が突如出現し、異世界救済が条約で定められた現代世界。高校3年生の四鈴(しりん)は進学先が無事に決まり、充実した高校生活の終盤を迎えていた。契機は母の突然のカミングアウト。母と共に異世界へ渡ることとなるが、異世界に着いて
早々、離れ離れとなり、路頭に迷う。無自覚女ったらしな術者に拾われ、異世界に渡ったお偉いフランス人に助けられる。徐々に、西の帝国で起きた皇女の悲劇に自分の出生が関わっていたことを知り、望んでいた日常からかけ離れた世界へ巻き込まれていく。貴族出身の上級術者×元高校生。コンセプトは元女子校育ちにあたまを抱える腹黒敬語キャラ。
----------
以下、注意点。同性愛、近親相姦を思わせる表現、人によっては気分を害する表現が一部あります。女性を貶める発言をする男が出ます。物語の設定、ファンタジーと受け取ってサラッと流せる方のみ、お願いします。細かい表記やルールはガン無視。実在の地名や名称等とは一切関係ございません。全てはそれっぽいだけで執筆しております。シリアス重視。恋愛は後。R18設定は後々の需要に応じて。「イセのお蔭参り」読後推奨、必須ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 00:00:00
259284文字
会話率:35%
7歳の時から10年間、第2王子の婚約者として頑張ってきた僕は、父の失脚、自殺とともに、家は廃絶され庶民に落ちた。
貴族籍を持つ義弟と、乳母を抱えて生きることに必死な僕。
とうとう売れる母の形見の宝石もなくなって、残った売れるものはこの健康な
体だけ。
男娼になる時は訪ねてくるようにと声をかけてくれた、最年少宰相補佐のあの人のところへ行ってみようと思うんだけど。
体当たりで必死に生きた僕が幸せになるまで。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-27 18:09:40
16251文字
会話率:44%
ブラック企業で働く真鍋啓哉は、残業続きの日々を送っていた。ある日、会社の屋上ドアを開けるといつもの階段はなくて、真っ暗闇が広がっていた。
落ちた先で、“女神の加護”を授けられた啓哉が見たのは、黄金、宝石…。
──金銀財宝の洞窟の中だった。
さらにここには、でっかい恐竜がいるかもしれない!?
財宝を守る竜×人間
女神に呼び寄せられた人間。
啓哉にメロメロなピュアドラゴンを楽しんでいただけますと幸いです。シリアスな展開もあります。巣から始まる話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-10 11:24:54
30327文字
会話率:22%
「敗戦国の宝石姫は本物の悪女だ」社交界はおろか市井でもそう囁かれている。
人質として出向いた国で、矜持を取り戻すために行動した結果、悪女のレッテルが貼られた美貌の王女のお話しです。
NTR表現、言葉の暴力でてまいります。
最終更新:2023-09-08 01:03:04
1849文字
会話率:23%
平々凡々、中堅貴族の伯爵令嬢、アニア。地味に静かに生きてゆこうと思っていたのに、なぜか王太子殿下のお妃候補にされてしまった。アニアの国、ランプレヒト王国の世継ぎの王子ときたら、文武両道、美麗な容姿、「宝石王子」とまで巷で言われるほどのキラキ
ラしい御方。そんな彼は、どうやらアニアをもともと知ってるらしい。お妃候補にして自らの側に置くと、その後は執着を隠そうともしない。境遇の変化に呆然とするアニアと、腕はいいけれど色々変わっている殿下の部下たちに囲まれて暮らすうち、アニアの心境にも変化が……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-28 03:33:54
26904文字
会話率:24%
すべての民が【守り石】を持つ国。
そんな国の中でも珍しく守り石を持たない私・ジュエルは石に宿る精霊を察することができる能力を持っている。
その能力のせいで家族から冷遇されてきた私だけれど、政略結婚が決まって式をひと月後に控えていた。
婚
約者から身なりをもっと気にするようにと言われて、久しぶりに街に出た私は露天商に絡まれて紫黄水晶を押し付けられる。
買い物を終えて束の間、街中では現れないはずの魔物に私は襲われてしまう。
生命の危機に陥ったとき、私は紫黄水晶からふたりの鉱物人形アメシストとシトリンを喚び出してしまい運命が動き出す――
鉱物×人形×魔物とバトル!な近未来ファンタジー!
※当作品はアルファポリス、カクヨム、ノベルアップ+で公開中の作品を改稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-22 17:00:00
167791文字
会話率:51%
使役している黄水晶の鉱物人形・シトリンとデートの約束をしてしまった精霊使いの《私》。
デート先で雨に降られて急遽部屋を借りることに。
買い物で服一式を持っていた私が着替え終えると、彼は告げる。
「女に服をあげるということは、それを着ている
ところを愛でるためではなく、脱がすためだと聞いた」
と。
※アルファポリスでも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-16 06:00:00
4902文字
会話率:53%
精霊を鉱物人形に封じ込めて契約し、彼らを従えている精霊使いの私は貞操の危機に陥っていた。
鉱物人形のアメシストとシトリンの仲のよさを役得だとばかりに愛でていたのを、恋愛感情だと勘違いされてしまったのだ。ふたりから同時に言い寄られた私は、決断
を迫られる。
※BL妄想に励んでいたお気に入りのふたりから迫られる話
※公開中の作品https://novel18.syosetu.com/n6578hr/ と同一世界観のお話です。
※アルファポリスでも公開中
※カクヨムにて全年齢版公開中(タイトル変更)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-09 06:00:00
13745文字
会話率:38%
超絶ポジティブなロロ・ヒューバーは国中を旅して珍しい石を探す宝石探索者。
旅の途中で野盗に襲われてピンチのところをクライヴに助けてもらい、そのまま王都までの警護をお願いすることにした。
色々訳アリそうなクライヴだけど、優しくて、腕が立って、
気が利く。
最高の相手を見つけた。
これはきっと運命の相棒に違いない。
そんなことを思いながら一緒に旅を続けるうちに、ロロはクライヴのことを男として意識するようになる。
でもそのクライヴのことが好きだという女性が現れてしまって……
訳アリ放浪者Xポジティブ宝石探索者のボーイズラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-20 17:00:00
320547文字
会話率:23%
舞台は現代日本。外国から野菜、肉、魚等を依存レベルで輸入を頼っている自給率低下の我が国。そんな中抗うべく立ち向かう巨大会社がいた。会社の名は「多賀畜産・農業・漁業開発グループ」
その名を知らぬ第一次産業に関わる仕事人はいない。家庭農園で
使う肥料から漁師に必須な漁船の製造から販売まで幅広く事業を拡大していた。
そんなグループの息子「多賀 満」は会社を大きくした祖父とは違い、少しだけ生活レベルが上だと感じるだけで娯楽の少ない田舎で過ごすごく普通の16歳男子高校生である。
ゴリラのような体格の執事、そんなゴリラに痴女だろとツッコミを入れたくなるような好意を何回も伝えお約束のように玉砕する姉、養鶏場の息子でリアルの女性恐怖症を患う漫画家志望の友人など数多くの変人に囲まれて平和に過ごしていた。
そんな騒々しい日々を卒業するまで過ごすのだろうと思っていた矢先、ゴールデンウィーク明けに近隣のお嬢様学校から転校生がやってきた。名は「橘 真夏」
うなじが見えるポニーテールをした艶やかな黒髪に透き通るような綺麗な瞳、そして男女問わず釘付けにしたのは新品のセーラー服をはち切れんばかりの大きな胸とスカートの上からでもわかる丸みのある尻。田舎ではそうそう見ない極上の美少女であった。
「最近近隣の農家で流行っている豚熱で倒産した」と父親から聞いていた代々家族で養豚を営んでいたお嬢様であった。
同情しながら彼女を眺めているとまとめた髪に1つの赤い三日月を見つけた。どこか見覚えがあると思っているとかつて初恋の相手に送った宝石であった。
衝撃を受けた満は他の生徒と混じって彼女と接触を図ろうとしたが冷たく拒絶される。
そうこうしているうちに放課後になり明日出直そうと帰ろうとした時、真夏が人気の少ない山の中に入っていくのが目に入った。なんとなく胸騒ぎがし彼女の後を追いかけると地元の人でも近寄らない足が着かないという自殺で有名な深い沼の中に入ろうとしていた。
この物語は全てを無くし絶望の淵にいる元お嬢様が倒産した養豚会社の借金返済の為メイドになり、抱えきれない程の愛を注がれ立ち直る話。かつて好意を向けてくれた少年とそれぞれ秘密のある変人たちと紡ぐ笑いあり涙ありスケベ少しありの話である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-19 21:46:25
16808文字
会話率:18%
ある日、婚約者である王太子名義で贈られてきた首飾りをつけた公爵令嬢のアリーチェは、突然意識を失ってしまう。
実はその首飾りにつけられていた宝石は古代魔道具で、謎の呪いにかかってしまったアリーチェは、それを理由に王太子から婚約解消されてしまう
。
王太子はアリーチェに贈り物などしていないと主張しているものの、アリーチェは偶然、王太子に他に恋人がいることを知る。
古代魔道具の呪いは、王家お抱えの高位魔術師でも解くことができない。
そこでアリーチェは、古代魔道具研究の第一人者で“天才”と名高いクロムに会いに行くことにするが……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-16 22:00:00
187450文字
会話率:43%
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな男たちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士
と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※ひたすら頭の悪いギャグ、ソシャゲあるあるとかメタネタが多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。R18は最後に入ります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素が入ります。
※この作品はhttps://www.alphapolis.co.jp/novel/605182143/410685892にも掲載しています。
※完結しました!お読みくださった方、いいねや評価・ブクマをくださった方、本当にありがとうございました!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-01 00:08:07
270563文字
会話率:62%
店に放火され命を失なった俺は、なぜか異世界で神獣カーバンクルに転生した。
しかし神獣とは名ばかりで、盗みは得意だが、剣と魔法の世界で、HP 10、MP 0という最弱キャラだった!
おまけに額の宝石には恐ろしい魔王が封印されていて、その
魔王復活を目論む魔族たちに命を狙われているらしい。
世界の片隅でコソコソとアイテム集めにいそしむ泥棒神獣が、仲間を集め再び世界の脅威に立ち向かうことになる物語
[カクヨムでも、改行多めで 連載中です]折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-01 08:55:17
483235文字
会話率:39%
全10話。距離感のおかしい貴族の次男アルファ×家族を支えるため屋敷で働く魔術師オメガ。
オメガであるロシュは、ジール家の屋敷で魔術師として働いている。母は病気のため入院中、自宅は貸しに出し、住み込みでの仕事である。
屋敷の次男でアルファで
もあるリカルドは、普段から誰に対しても物怖じせず、人との距離の近い男だ。
リカルドは特殊な石や宝石の収集を仕事の一つとしており、ある日、そんな彼から仕事で収集した雷管石が魔力の干渉を受けない、と相談を受けた。
自国の神殿へ神が生み出した雷管石に魔力を込めて預ければ、神殿所属の鑑定士が魔力相性の良いアルファを探してくれる。
貴族達の間では大振りの雷管石は番との縁を繋ぐ品として高額で取引されており、折角の石も、魔力を込められないことにより、価値を著しく落としてしまっていた。
ロシュは調査の協力を承諾し、リカルドの私室に出入りするようになる。
※他サイト掲載あり/[2022/10/31]他サイト初出折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-25 00:00:00
49815文字
会話率:45%
ふわふわのウェーブがかった金髪のロングヘアー。スカイブルーの大きな瞳は磨き上げられた宝石のよう。透明感のある瑞々しい白肌が眩しい。
腰についた白と水色のストライプ柄のリボンとフリルがたっぷりあしらわれたワンピースドレスを纏う。
そし
て、その服に合わせて作らせたのであろうリボンと同じ柄の日傘をさして、こちらを振り向く。
にこっと万人の男が一目惚れしてしまうような微笑みを向けて、彼女サリーは言った。
「今日こそ、お子を作りたいのですが」
可憐な容貌と甘く軽やかな声、言っているセリフのちぐはぐ感に、一瞬にして周りの空気が凍りつく。
残念ながら聞き間違えではない、言われ慣れつつあるクロスは彼女を前にして何度目かのため息をついた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-09 11:53:38
38755文字
会話率:37%
ふわふわのウェーブがかった金髪のロングヘアー。スカイブルーの大きな瞳は磨き上げられた宝石のよう。透明感のある瑞々しい白肌が眩しい。
腰についた白と水色のストライプ柄のリボンとフリルがたっぷりあしらわれたワンピースドレスを纏う。
そし
て、その服に合わせて作らせたのであろうリボンと同じ柄の日傘をさして、こちらを振り向く。
にこっと万人の男が一目惚れしてしまうような微笑みを向けて、彼女サリーは言った。
「今日こそ、お子を作りたいのですが」
可憐な容貌と甘く軽やかな声、言っているセリフのちぐはぐ感に、一瞬にして周りの空気が凍りつく。
残念ながら聞き間違えではない、言われ慣れつつあるクロスは彼女を前にして何度目かのため息をついた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-09 11:47:33
38753文字
会話率:37%
人は誰だって迷子なんだと誰かが言っていた。
きっと本来ならある筈の家が、見つからなくなるのは心に受けた傷や体験があるからではないか。
帰りたいのに帰れない。
神様はあるべき世界に。人は家に。時には母の下に。
本来の帰るところは様々
で、多分きっともっと広い場所に目印をもらって戻るんだって。
貴方の帰る場所は見つかったかな?迷子は道標を示してもらえるように。
その場所はあるって話。遠い日に語り部のおじいさんが語ってくれた様々な話。
ある日突然、空に走った閃光と共に消えてしまった絶の神様達と烈の神様達。帰りたい場所に帰れたのかな。
遠い昔の神話にいた迷子の人もそれぞれ。
さぁ、迷うならカードを引いてごらん、きっと道は拓けて、答えを見つけるヒントをくれるからさ。
爽やかな笑顔で長い銀髪の青年は言う。
頑張る子にはいい事あるから。カードの言葉は応援で助言《アドバイス》だからさ。
翠の宝石のような瞳を輝かせて、迷子の手を優しくとると、彼は自分の店のある路地裏へと連れて行く。
「さぁ、カードをひいてみようか」
泣き濡れた子供の頬を拭いてやり、甘いお菓子とミルクでもてなし、カードで小さな迷子の道を示すのだ。
「ほら、もうすぐ迎えがやってくるよ」
柔らかな彼の声は、いつしか子供を泣き止ませて笑顔にする。はしゃぐ声に名を呼ぶ母の優しい声が重なる。
魔導都市伯奈《まどうとしハクナ》の路地裏からまた様々な運命《とき》が流れ出す。
迷子を拾い、または迷い人は迷子の力を借りて世界を歩きだす。そんなお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-25 02:25:05
12998文字
会話率:40%
ファリスは体液が魔力値の高い宝石に変わる“貴石人(レーツェラナ)”の末裔だ。
それを隠しながら生きてきたのに、乗っていた馬車が山賊に襲われた時に運悪くバレてしまって──
「めちゃくちゃ美味いのであちこち舐めたい」
「やだ!!」
「減るもん
じゃないだろ」
「減るわよ尊厳が!!」
小さめ異物挿入モノが書きたいんだけど体内残留怖いなーとか思って「中で溶ける素材ならいいんじゃね?」となった末のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-23 21:00:00
22093文字
会話率:31%
他人の嘘を見抜ける力を持つスーラヤールは、発展したルースト国の宝石商オルランドと婚約した第三王子の従者としてルースト行きの船に乗り込んだ。
スーラヤールは乗客のひとり、変人のロードリックとなし崩しに関係が深まっていくが、呪われた宝石“セイレ
ーンの歌声”が消失し、更に自室で死体が見つかって殺人容疑をかけられてしまう。
それは閉ざされた船上で連鎖する殺人事件の始まりだった――この船の上では、誰もが嘘をついている。
■変人でヘタレだけどやるときはやる隠れ美形攻×銀髪褐色肌細マッチョ受です。
■過去作と世界観を共有していますが、読まなくても問題ございません。
■改稿は誤字脱字・ニュアンス修正です。誤字報告ありがとうございます!
■連続殺人事件を扱うので完全ハッピーではないと思われ、ハッピーエンドタグはつけていませんが解決して終わります(主人公の恋愛的にはハッピーエンドです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-01 21:03:36
111209文字
会話率:50%
鉱山が発展し、建物が集まって一つの大きな錆びた塔を形成するルースト国。
宝石商の末っ子シダは第五王子のローリアと婚約し、会ったその日に同居を始めることになった。
ローリアはその夜からシダの髪の毛に執着を見せ、シダは流されていく。錆と退廃美の
街を舞台に、なんだかんだありつつもフェティッシュに関係を深めていく二人のお話。
■本編完結済みですが、不定期に番外編を更新します。
■改稿は誤字脱字・ニュアンス修正です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-29 21:06:58
39294文字
会話率:43%
鉱山が発展し、建物が集まって一つの大きな錆びた塔を形成するルースト国。
宝石商の息子レダは美しい外見のせいで厄介事を呼び込んでいた。それを助けていた幼馴染のエリオドアだが、レダが学校に入る頃には次第に離れていき、そっけなくなってしまう。
エ
リオドアが大好きなレダは、なんとかエリオドアを繋ぎ止めてお嫁さんになろうとするのだが――。
「錆の館のシダ」に出てきたレダの過去話です。※読まなくても今作のみで完結しますが、キャラクターは一部共有されています。
■改稿は誤字脱字・ニュアンス修正です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-22 08:00:00
35138文字
会話率:38%
交易都市海都ヴァルチモアで繰り広げられる料理と魔法と錬金術のお話
登場人物全てが変態です
通常の性嗜好の方が読まれると恐らく頭痛を感じます
血が近い程に惹かれあい、強い子が産まれる世界なので近親相姦が基本です
最終更新:2023-03-14 19:56:29
366395文字
会話率:64%
海の都ヴァルチモアの錬金術と魔法と料理の恋物語
成人したてのカフェ経営者ルクレツィアと海軍士官レオンハルトの調教話
血が近い程に惹かれ合い、より強い子が産まれる世界なので近親相姦が基本です
登場人物全てが変態です
通常の性志向の方読まれる
のはお勧めしません
BL有りとなっていますが、肉体的表現はありません折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-19 04:28:44
160722文字
会話率:85%
失われた錬金術と海軍大隊長レオンハルトが毒薬を素に紡ぐ物語
最終更新:2023-02-15 10:02:42
198387文字
会話率:82%