国籍日本人のみが罹患し、感染するとほぼ十割脳死する病気が出現した。結果として、感染者の臓器は移植必要患者に提供される事となった。その取り決めの枠外から手を出す闇ブローカーを監視する公安部五課の三名+αのお話。
※非常に残酷なネタ(例:
死)及びNTRや多角関係、直接的ではないですが女性との性描写を含む想定ですので、苦手な方は回避願います。シリアス方向のお話ですが、わりと登場人物に前向きな者がいるため悲壮感は薄いかも知れません。まったり不定期更新です。宜しければご覧下さいませ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-09 18:47:11
17979文字
会話率:52%
|血飛沫《ちしぶき》が、切断した首の断面から噴き出ている。
魔獣を切り刻むたび、破損した腕、足、頭部、臓器がそこら中に飛び散る。
そのひとつが、彼女の肩にかかる。
(や、これ、|大腸《だいちょう》?|小腸《しょうちょう》? どっち
にしても)
「.....|臭《くさ》い。気持ち悪い」
そう言って、肩の|臓《もの》、落ちてる|臓《もの》を|物《・》|珍《・》|し《・》|い《・》|武《・》|器《・》で|八《や》つ|当《あ》たり|気味《ぎみ》に|切《き》り|裂《さ》いた。
あまりの悪臭で|涙腺《るいせん》が崩壊寸前だ。
(今回の魔獣は、匂いが強烈。)
汗と死臭の匂いが混ざり、身体に|纏《まと》わりついてくる。
(早くお湯に浸かりたい。)
討伐後、彼女は魔獣の頭部を|携《たずさ》え、爆速でギルドに報告、目的地へと迅速に移動した。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-05 09:07:47
117798文字
会話率:41%
突然バースを失った世界。その片隅で生きた男の人生。地獄でも本人には救いだった話。
※好きな方向け※
タグ確認必須/一頁目必読!
最終更新:2020-10-10 07:28:42
9875文字
会話率:23%
お金に困った方彼女達なら優しい笑顔で貸してくれます。
たとえ担保がなくても返済能力がない方でも
返せなかったら
奴隷として余生を女性様方にささげるか
ご自分の臓器全てささげるか
また1人お金に困ったお客様がご来店されました。
最終更新:2020-09-21 23:41:20
668文字
会話率:0%
R-18/メンタル/シリアス/近未来/臓器移植/訳あり哲学者/訳あり社会人大学生/etc.
【訳あり哲学者×訳あり社会人大学生】
今よりも臓器移植に関する法律が緩和された日本。
従来に於いて「脳死」と認められ本人若しくは家族の承認が必
要であった臓器移植であるが、手を尽しても救う事が出来ないと医師が判断し、尚且つ、臓器の移植により助かる命が緊急で存在する場合に於いて、「脳死」と判断することなく家族の承認もなく臓器の移植を行える法律が制定された未来の話である。
(この法律が想定しているのは大きな事故や災害によるものであり、現場の状況に応じて臨機応変に医師が処置を行えるようにすることを目的に制定されたものである)
妻と共に大規模な玉突き事故に遭い妻の臓器を移植され生き残った哲学者。
幼い頃の航空機墜落事故で弟の臓器を移植された天涯孤独の社会人でありながら大学に通う児童養護施設職員。
二人は互いの境遇を知らぬままに講義で出逢い、交流を深めていく。
己のことを、愛しい者の臓器を喰い荒して生きる『悪』だと共通の認識を持つ彼等は、自身の存在について葛藤しながらも命とは何かを探っていくのだった――。
*不定期更新。
性的描写があります故、高校生含む18歳未満の方は、自己責任に於いて判断をお願い致します。
当方では、如何なる不利益を被られましても責任が取れませんので、予めご理解下さいませ。
タイトル横に*印がある頁は性的描写を含みますので、お気を付け下さい。
此方の作品は、作者の妄想によるフィクションであり、実際のものとは一切の関係も御座いません。
また、作者は専門家ではありませんので、間違った解釈等あるかと思います。
存在意義とは何かを考えるシリーズとなっており、ストーリー展開のため現実にはならないであろう設定となっております。
苦手な方は読まれないことをオススメ致します。
以上のことご理解頂けたらと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-22 01:52:24
9438文字
会話率:15%
某小説のサイトに掲載していましたが、此方に連載します。
移植した臓器は、引き取り先の家族でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
僕の身体の命は貴女方の大切な人の………。
最終更新:2020-04-23 09:59:27
4749文字
会話率:49%
国、人種、価値観、文化の全てが集うと言われる地、異文化合流大陸”ミストニア”。
ミストニアでは数年前より相次いで事件が発生し、犯罪の数は夥しいほどに増加している
事件の元凶には必ずしてこの世界に存在するはずのない人種”異塊”が絡んでいた。
彼等は常人が到底持ち得ない超常能力を駆使して、欲望に忠実に生きていた。
ーー異界狩り。どこからともなく現れ、楽して手に入れた力で支配を進めていく彼等を歪で異常な肉の塊と称し、彼等を殲滅しようと影で動きを露わにする者共。
とある地域にて”殲人”と呼ばれるライドオもまた異塊に執着し、万物具と呼ばれる生命の臓器や身体の部位を使って生成した神をも恐れぬ冒涜した武器により狩り続ける。
万物具を身体に組み込んだ人間ペティを旅に連れ、異塊の殲滅を望み、異塊を呼び込む元凶の討伐へと赴く。
末路は異塊の破滅か、それとも自身の破滅かーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-17 00:01:52
70245文字
会話率:50%
双子のΩの弟を数年前に亡くしたαの金井志鶴は三回忌の前に自身の肝臓癌が発見される。
無事にΩの弟の臓器を移植し完治するがその移植手術からどんどんと体がおかしくなる志鶴。
自分の番である行幸の匂いに反応しなくなるばかりか、弟の番の存在が気にな
ってしまう。
義理弟α×α→Ωです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-20 12:37:23
1868文字
会話率:30%
人買いの男は、少女人形のような少年と出会う。売れば相当な値段になったであろうに、契約ではパーツしかもらえないことになっている。少しくらい利子をもらってもいいだろうと、男は少年を押し倒す。
「売り物だったなら傷物にするわけにはいきませんからで
きませんでしたが、幸いにもあなたからいただくのは部品ですし」
そして凶行が始まる。
※残酷を通り越した残虐描写にご注意ください。流血場面や臓器摘出場面があります。
※凌辱、暴行の描写を含みます。苦手な方はご注意ください。後半ほのぼのです(当社比)。
※こちら単体でお楽しみいただけますが、一応本編あります→https://ncode.syosetu.com/n8420fd/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-26 00:00:00
12587文字
会話率:48%
日本や韓国のテレビで報じられたT国の生体間臓器移植の話を元にあくまでフィクションの小説とし掲載させて頂きましたが同じ前提で作成した「壁穴の桃尻少年」(同一作者の駄作)より主人公の少年が気弱な物ですから暗くてより鬼畜ですので御了解ください。
兵士に逮捕されて居なくなった両親に残された兄弟が国家の名のもとで保護され虐待されます。
その弟がドナーにされるお話が前半ありますが弟想いの主役の兄は救われますが何も知らない2次性徴を迎える直前の弟は救われません。
分枝小説では少年同士の愛が少しありますが全体としてサブタイトル名から推測して頂けると思いますがタグをご覧頂いた通りの鬼畜や微グロやお漏らし等が中心ですので嫌悪感を持たれる方はご遠慮ください。
なお、当サイトの「収容所の少年」やBLOVEに掲載させて頂いた「貞操帯装着実験をされる少年」などの私の小説から引用したお話がありますのでご覧になられた方がおられましたらご了承の上でご覧くださいませ。
第7話以降は分枝小説としましたので詳しくは第6話の後書き欄をご覧くださいませ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-29 10:40:42
67491文字
会話率:52%
T国の実態と思える複数の検索ワードをテーマにした微グロフィクション小説です。主人公は父親が政治犯とし武装警察に数年間に何度か逮捕され生活に行き詰った母が闇金にお金を借り返済できなくなり取り立て時に足蹴りの暴行されたのを止めようと足にすがりつ
くリン少年14歳です。暴行され急性腹膜炎になった母を助けようとしリンの姉18歳は薬を万引きし身体検査で麻薬密売人にされ悲惨な臓器提供候補にされ残されたルイ少年は自ら自分を苛めていた関係者に臓器提供する事で母親を助けよとします。詳しくは前書き覧に記載してあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-18 22:05:49
5994文字
会話率:51%
人体の精巧なコピーがつくられるようになり、性教育や解剖の授業に使われることなりました。
さらに、性交のシミュレーターとして、実習にも使われます。
誌璃空ユウさんの「燈色の場 CLONE編」を参考にさせていただきました。
コピーのつくり方に
ついては別の方法を考えてみました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-06 11:00:00
17645文字
会話率:30%
舞台は遠い未来...
人類は荒れ果てた地球を捨て、異星へと旅立った。
混沌とする地球に巣くうのは、異星に移住する事が出来ない貧困層、人の臓器のスペアとして造られたクローン人間、クローン達の製造・処理を管理するアンドロイド達だった...
最終更新:2019-04-24 11:57:39
3680文字
会話率:30%
──私はこれから、全裸のこの姿のままに生きたまま解剖されます。手術後は臓器を摘出されて死んじゃうので、私が生きているうちに、生の女性器の構造や反応をよくご覧になってください。私に課せられた役目のうちの一つですから……。
ただしクローンの私
にもオリジナルと全く同じように備わっている羞恥心により、うっかり手で股間を隠したりすることのないよう、今は後ろ手に縛られています。なので手が使えない私の代わりに、今この場で、陰毛を綺麗に剃ってください。もちろん性器を繋げたままでも構いませんし、避妊の必要もありません。ローションがないので愛液か精液で代用してもらえれば幸いです。よろしくお願いします──
学校の玄関前広場に設置されている演台の上では、衆人環視の中、そのとおりの成り行きが進行していた。
44字×20行換算 70ページ
Twitter: @USilic
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10632806
https://upppi.com/ug/sc/item/19584/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/857522094/513237475
https://syosetu.org/novel/180497/
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888570661 にて公開中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-17 20:13:43
39825文字
会話率:21%
放射能が汚染する土壌にて全身の臓器に癌が転移して、人工臓器と入れ替えた少女ロキシア。
彼女の依頼は故郷にて、想い出の品を回収する事だった。
映し鏡のセルジュと人喰い人狼のミルザの二人は高濃度放射能汚染地帯へと向かう。
政治的な内容過ぎて
、ひとまず自粛した冥府の河のエピソードの8・5話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-13 13:47:54
10502文字
会話率:30%
姉の脳死による臓器提供がもとで両親との間に確執を抱え、菅島柊は家を出る。双子の姉が、異国の地で臓器を摘出された事を彼は快く思っていなかったのだ。引っ越し先で少年・ちひろと出逢い、戸惑いつつ彼に惹かれていく。そんな中、高校時代の部活仲間から後
輩・山縣翔琉の死を知らされた。彼が自分の事を好きだったと告げられ、柊は動揺する。柊もまた彼の事が好きだったのだ。ちひろと過去の想いの間で揺れる柊。ある日ちひろから衝撃的事実を知らされる。彼は心臓移植を受けたレシピエントだった。その事実と、ちひろへの特別な感情を受け容れた柊だが、ちひろに負担を掛けまいと想いを封印する。ちひろの大学進学を機に、ふたりの同居が決まった。同じくしてちひろの側の気持ちと、母親の覚悟を知って柊は想いが達せられるという期待を抱くが……
★脳死・臓器移植に関する記述が入ります。テーマは深刻ですが ハッピーエンドを目指します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-14 10:04:16
96304文字
会話率:26%
美しい悪魔レスデコー・レィアという女を覚醒させるための崇拝教団レスデコレ。
彼等は母国に眠るガラスに収められた悪魔のようなカニバリズム的性質を持つとされる美女の目覚めを待ちわびていた。
彼女は淡い金髪の髪とへーゼルカラーの瞳を持つ。首に掛
けられた蛇の首飾りが喉元深く牙をおろしている。ベージュから覗く柔らかな肌は息づくが……。
長きに渡り眠りに落ちたスヘーラ夫人は、本当に生命維持がなされているのか。父スヘーラにより眠らされたレスデコー・レィアの三人の子供達が古い城に眠る母を甦らせるため、悪魔に身を売り新鮮な臓器や脳、鮮血を求める。
その途中で教団レスデコレに誘拐されたルジク一族主、アラディス・レオールノ・ルジクが、彼等の母国に連れ去られ古城の美女と初めて会う。彼女はルジクの先代ダイマ・ルジクとも親交があった女性であり、そのダイマ・ルジク自身も彼女の目覚めに助力を分けてきた事をルジクは知る。
果たしてレスデコー・レィアは覚醒してしまうのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-14 05:14:08
42132文字
会話率:51%
人類は機械人類と生態人類に分かれて戦争を始める。
機械人類が戦争に勝利するが・・・
最終更新:2018-03-05 17:21:13
630文字
会話率:34%
人類は永遠の願いの一つを遂に叶えた。
機械の体で様々な悩みから解放された人類は幸せなのか?
最終更新:2018-03-05 17:12:11
326文字
会話率:15%
彼はいつも独りぼっち。
自然に人が多い場所を避けるように行動している。
いつものように、独りでいると・・
最終更新:2018-03-05 16:57:09
366文字
会話率:0%
ピーターは有能な医師にして研究者、シャトルから「可能な限り年齢の低いレズビアンのカップル」を用意するよう求められる。
シャトルに引き渡した二人の少女は衣類を全て奪われ、外部や他者との関わりを一切断たれ状態で半年以上を過ごした。
互いの卵巣を
一つ犠牲にし、女性同士で妊娠する……ピーター立ち会いの下、前例のある手術にシャトルが挑む。
※重複投稿折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-11 04:46:58
15835文字
会話率:47%
他人の脳を移植されると、移植された患者は他人の人格になる。普通に考えると、それが当然だ。
ところが、動物実験の結果として判明したことに、脳を移植されても、移植された患者の人格は患者本人のままだという。
それは臓器記憶というものが
あるからだ。ある末期脳腫瘍の男性患者は、そのような動物実験の結果を信じて、他人の脳を移植される人体脳移植の手術に挑む。その目的は脳腫瘍の完治だ。
さて、脳の移植を受けた男の運命は?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-18 19:00:00
25155文字
会話率:75%
他人の脳を移植されると、移植された患者は他人の人格になる。普通に考えると、それが当然だ。ところが、動物実験の結果として判明したことに、脳を移植されても、移植された患者の人格は患者本人のままだという。それは臓器記憶というものがあるからだ。ある
末期脳腫瘍の男性患者は、そのような動物実験の結果を信じて、他人の脳を移植される人体脳移植の手術に挑む。その目的は脳腫瘍の完治だ。さて、脳の移植を受けた男の運命は?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-10 07:14:44
25233文字
会話率:80%
キリストは生きていた。しかも、意外な形で……。
下請け映像プロダクション勤務の宮原紡(みやはら・つむぐ)はインドとタイの若年娼婦及び男娼を取材中、奇妙な妙な噂を耳にする。どんな受給者(レシピエント)とでも拒絶反応を起こさない万能臓器の闇
市場があるというのだ。もちろん臓器の移植には生体拒絶反応が伴うので俄かにそれは信じられない。宮原と付かず離れずの関係にある恋人坂下理紗子(さかした・りさこ)は「その用途だったら生体クローンよりもiPS細胞の方が望ましいでしょう」と結論付ける。
その後、謎の万能臓器について意外なところから情報がもたらされる。N新聞社勤務の情報通三枝木晴正が「世界でも有数のハイテク企業CEOが膵臓癌から立ち直ったのは万能臓器のお陰だ」と告げたのだ。また同様の移植を受けたと思われる金持ち達が移植後必須となるはずの免疫抑制剤を服用している様子がないとも言う。
その三枝木が突如姿を晦ませる。宮原がフィリピンへ臓器売買の取材に行く前日に……。伝手を頼り、宮原は取材中にマニラ速報社の記者アブドゥにアポイントメントを取り付ける。アブドゥは失踪した三枝木が取材メモに名を残した人物の一人。そのアブドゥが万能細胞は奇跡だと宮原に告げる。更にその奇跡は宗教上の奇跡ではなく奇跡を起こした本人そのものに由来するとも言う。万能細胞の符丁は『ダビデのパン』で、それは現在まで生きながらえたイエス・キリストそのものだ、というのだ。しかも、その売買を取り仕切っているのがユダヤ人の結社であると……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-20 16:00:00
35653文字
会話率:60%
箱の中で鐘の音を聞く、見る。四角い壁、ベッド、窮屈な掛け布団、全身が痺れている。鐘の音はまだ聞こえている。火事?
かつて、わたしには価値がある。わたしに対する盗人がいる。あのときの盗人の彼女はもういない。
わたしは無数にいる。わたしが
囚われている。
どうして毎日、血を抜かれてるのだろう?
身体の一部を持って行かれるのだろう?
心臓や脳までも……。
わたしに接する人は仮面を被る。わたしは夢を見る。あのとき、わたしでもあった研究者の彼女はわたしに対するヒントを掴む。が、それがヒントであることに気づけない。
わたしの囚われ続ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-04 09:33:18
25022文字
会話率:1%
【梗概】
下請け映像プロダクション勤務の宮原紡(みやはら・つむぐ)はインドとタイの若年娼婦及び男娼を取材中、奇妙な妙な噂を耳にする。どんな受給者(レシピエント)とでも拒絶反応を起こさない万能臓器の闇市場があるというのだ。もちろん臓器の移植
には生体拒絶反応が伴うので俄かにそれは信じられない。宮原と付かず離れずの恋人坂下理紗子(さかした・りさこ)は「その用途だったら生体クローンよりもiPS細胞の方が望ましいでしょ」と宮原との会話の末に結論付ける。
謎の万能臓器について意外なところから情報がもたらされる。N新聞社勤務の情報通三枝木晴正が「世界でも有数のハイテク企業CEOが膵臓癌から立ち直ったのは万能臓器のお陰だ」と告げたのだ。また同様の移植を受けたと思われる金持ちたちが移植後必須となるはずの免疫抑制剤を服用している様子がないとも言う。
その三枝木が突如姿を晦ませる。宮原がフィリピンへ臓器売買の取材に行く前日のことだ。伝手を頼って取材中に宮原はマニラ速報社の記者アブドゥにアポイントメントを取り付ける。アブドゥは失踪した三枝木が取材メモ中に残した人物の一人だ。そのアブドゥが万能細胞は奇跡だと宮原に告げる。更にその奇跡は宗教上の奇跡ではなく奇跡を起こした本人そのものに由来するとも言う。万能細胞の符丁は『ダビデのパン』で、それは現在まで生きながらえたイエス・キリストそのものだ、というのだ。そして、その売買を取り仕切っているのが……。
※ Facebookサイト『小説家気分でみんなに読んでもらおう。』 (https://www.facebook.com/groups/novel.raed/?fref=ts)で先行掲載。
復活した第一回ハヤカワSFコンテストで「奇妙な延命」として一次通過したSF。翌年、編集の指摘を入れリライトするが一次落ちする。当時はSTAP細胞疑惑がまだ疑惑でしかなく、仮に世に出れば話題性があったと思う(2013年03月が第一回の締め切り、2014年01月がSTAP細胞の論文2本(ネイチャー/01月30日付)、03月末が第二回の締切)。だが現時点では使い道がなく、眠らすにも飽いたので、この場もお借りすることにした。咀嚼いただければ有難い。百枚強の短編。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-13 06:17:03
35678文字
会話率:60%