その森は、女神の加護を持たない者が踏み入れば、二度と出ることは適わないとされる禁足地だった。硝子樹と呼ばれる異質な木々が立ち並ぶ森に追放された一人の男。善意に拠って行われた行為が、然し、誰にとっても善い行いとは限らない。貧民、娼婦、孤児
、乞食。病に冒されようと、治療を受けることさえ叶わない、貧しき者。そんな彼等を救う為に、かつて男は手を差し伸べた。
だが、それは間違いだった。何故ならば、人は常に過去を裏切る生き物であるから。人は必然性を軽視する生き物だから。
男は森の中を彷徨い見付けた館の中で、硝子の棺に封印された、美しき乙女を見付ける。煌めく金の髪に、硝子のように透き通る白い肌。男は硝子の棺に鎖された少女の封印を解き、その肌に手を触れ――死に絶えた。背後から、身体の中央を刺し貫かれ、血に塗れながら、硝子の棺に佇む美しき少女の対比として。
ああ、そして――蘇る。男は蘇る。少女として。星を連ねる不可視の線として。星々に捧げられるその願いの使者として。即ち、星夜の伴侶として、蘇る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-21 03:43:14
365004文字
会話率:55%
異世界カーンテヒル。そこは地球の文明に似通いながら、多分にファンタジー要素を残すわけの分からない世界であった。しかし、そのわけの分からなさは多分に不思議を生み出し、人々を魅了する。
飽くなき探究者が不思議を求める。その中に在って【食べ物
】は多種多様の混沌ぶりを見せた。冒険者たちは美味なる食材を求めて冒険を繰り返す。
その世界に在って尚も珍妙なる者がいた。白エルフと呼ばれる絶滅危惧種の少女エルティナだ。彼女はとにかく、食って食って食いまくる。獣がごとく。それが存在意義であるといわんばかりに。
そんな彼女が巻き起こす珍事は平和な世界に何をもたらすのか。
この物語は、食いしん坊なエルフが食べ物を求めた末に、人々を珍事にて、ほんのりと恐怖させたり、ほっこりさせたりさせなかったりする物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-18 18:45:02
402144文字
会話率:47%
※「流行りの転生で帝国女王になってしまった件。」の外伝です。本編を読んだことがなくても読めるようになってます。2話しかない本編より、最早こちらが本編説。
せっかく今流行りの異世界転生を果たしたのに、飢饉や反乱に喘ぐ最悪の帝国の元に生まれて
しまった?!…いいだろう。この国は私が立て直してやるッ!
異世界転生ファンタジーに見せかけた、男前ヒロインが剣と共に全てをなぎ倒し這い上がっていく…??少年漫画のような展開は作者の好み全開!本編よりぬき短編集が爆誕!
(本音はただ書きたいストーリーを書き殴る為に作られましたこちら。2話で匙を投げ付けた本編より、こっちの方が本編です。えへ。
気が済んだらこちらを組み込んで本編の更新を再開します。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-18 11:42:25
20249文字
会話率:43%
※「流行りの異世界転生で女王になってしまいました」の外伝です。詳しくはそちらをご覧下さい。
大筋から外れたり外れなかったりの、ヒロインが戦うシーンを描写した短編集。こちらはより闇多め、過激な戦闘シーンを書いていくつもりなのでお気を付けくださ
い。本編では書ききれなかった裏設定などもあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-28 03:48:16
1640文字
会話率:19%
父親から愛されなかったリディアは、男として戦場に送られた。
重傷を負い、死を覚悟したところを敵国の隻眼参謀シルヴァートに拾われる。
生きることに絶望したリディアと、どうしてもリディアに惹かれてしまうシルヴァートの淫靡な愛。
最終更新:2021-07-18 00:03:06
55514文字
会話率:29%
特殊家系であるコバール侯爵家に生まれたシェイラは、見目麗しく最強の女性だった。
そんなシェイラはどうしても夫にしたい相手に意を決して求婚するが……。
シェイラと結婚したいと王太子と、自分だけの主君を探したいシェイラのすれ違いながらも愛を育む
お話です。
間違って求婚シリーズ笑笑折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-27 21:31:15
25637文字
会話率:27%
とある依頼を受けて森の奥深くにある『不滅の塔』に調査に向かった傭兵のレイ、しかし塔に着いた途端塔が崩れてしまった。そこに突然男が現れ、レイの事を騎士様だと呼びだして──!?
大昔に封印されていた魔法使い×一見明るい闇深傭兵があーだこー
だ言いながら幸せになるお話です。
※今のとこエロなしです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-16 23:40:15
2585文字
会話率:46%
男女オリジナル中世風のファンタジー魔法世界でのオメガバースものです。
姉妹の話で二部構成です。第一部は姉編でオメガバース設定、差別に暴力描写ありのバッドエンドです。
第二部は妹編で異世界転生での救い編です。
姉は優しくて、妹はちょいバカです
。
一部の姉編はとにかくとにかくとにかく暗くて救いなしなので気をつけてください、一応暗いのでサクッと終わる予定です、そして姉の番はくずです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-14 21:24:45
19855文字
会話率:26%
王女エリザに命令され媚薬『イケメンの万人にモテまくる惚れ薬』を献上した、ノーラ・スペンサーは代々薬剤調合を生業としてきた一族の末裔だ。しかし、容姿も性格も醜い王女に人体実験として自分が薬を飲み効果を確認するように命令される。効果がなければ即
処刑という状況の中、『惚れ薬』を飲んだノーラは見張りの騎士を伴い帰宅する。
地味で無難な人生を望んでいたノーラが逆ハーレム状態などの困難を乗り越え成長する話かな・・・
18禁は最後の方だけです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-13 07:00:00
40980文字
会話率:44%
双子王の国に嫁ぐことになった。双子王子は眉目秀麗だが妖艶でめくるめくエッチの世界に誘われる。
とにかく両王子に溺愛されトロトロになるお話
最終更新:2021-07-12 21:51:10
4629文字
会話率:39%
神殿に勤めるアリアは元暗殺者。未分化で恋をした人により分化する種族の少女ミシェルを可愛がっていたが、彼女は男性になって戻ってきた。二人の恋の行方は?
最終更新:2021-07-11 10:52:28
3880文字
会話率:28%
アリサは小国の大統領の娘であり、科学者だ。この世界にはの科学者により作られた子供が5人いる。それがギフィテッドチルドレン。その一人がアリサだ。天才的な頭脳を計画的に授けられた。
この化学大国にして小さな国アーリアの。そのアリサはいつも月夜
の晩に愛しい誰かを思い出していた。ある月夜の晩にレオンという王子と出逢い、アリサは思い出す。自分は彼の恋人のアメリアであったことを。月夜の御伽噺。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-05 04:27:46
3596文字
会話率:25%
元婚約者のウィル神族の英雄グリフィン=グランヴィル伯爵に2年ぶりに再会した天空界の大国シルフィード国の大統領の孫娘リン=パッカードは無理矢理身体を重ねられる。トラウマから恋を認めるのが怖くて、逃げ出したリンと彼女に去られてから恋を自覚したグ
リフィンのじれじれ恋模様。逃げる彼女と追う彼の行く末は?前日譚「ひとつの願い」の続編ですが、本編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-21 03:24:56
8801文字
会話率:33%
ある物語のサイドストーリーです。
胸糞展開注意です。
最終更新:2021-07-10 21:07:31
5084文字
会話率:23%
あほ巨大ふたなり星人のシフォンちゃんが小人の住む大陸を使ってセンズリこくハートフルストーリーです♪
最終更新:2021-07-09 15:59:21
9436文字
会話率:29%
ペンドレルヘイヴン大陸のあちこちで起こる事件だったり日常だったり。
魔法あり物理ありお薬あり。ロマンスはほどほど。
最終更新:2021-07-09 04:52:12
3298文字
会話率:70%
亜人には、何をしても許される世界。
人である主人公【セクト】は、
精霊の力と剣の腕前で、ハンターとして数多の魔物を討伐し、名を馳せていた。
偏に、亜人であり娘でもある妖狐の【ハクノ】を、人の世から守る為に。
一途に育てるがあまり、幼かっ
た娘が美しい女性へ成長するまで時が流れ。
ある日の夜、ハクノから男性として見ていることを告白される。
血の繋がりがないとはいえ、
娘だと思っていた相手に好意を寄せられ、意識し始めるセクト。
許されぬ恋に悩み、苦しみつつも、心惹かれ、結ばれようとする物語。
※注意※
物語の性質上、差別行為が行われておりますが、容認・推奨するものではありません。
※10万文字程度で完結させる予定の作品です。
※全3章。3~5話ほど書き溜めた後に、1話ずつ投稿します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-08 22:00:00
51648文字
会話率:23%
ある召喚士の失敗が、世界の始まりだとされる。
膨大な魔力以外は何もなかった大地に舞い降りた召喚士は、生活に必要な物を、人を、神を召喚し、世界の礎を築くいた。
やがて世界は多種多様な生命の営みで満ち、そこに各々の欲望が生まれた。
欲望の捌け口
を巡り、世界は光と闇の神々の陣営に別れ、激しい戦が繰り広げられた。
原初の召喚魔法SAFACAが多用され、様々な異世界からあらゆる種が無尽蔵に召喚された。
結果、神々の戦争は双方が肉体を失う事で終結を迎えた。
時は流れ、神話戦争の傷が癒える頃。
世界は人間種が最大勢力となり、その中でも自在に魔力を操る超大国が誕生した。即ち、アースダイン魔導王国。
この国から千年の間、世界は安定期に入る。しかし、同時に怠惰な感情を育む土壌ともなる。
その負が、世界に満ち始めた頃、大陸の東の果てにある島国に、一人の男性が現れる。
彼の者は、新たな御代への導き手なのか。それとも破壊の象徴なのか。今は誰も分からない。
禁忌として時代と共に葬られた召喚魔法SAFACAと世界の命運を知り、抗う人々の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-02 00:14:09
12869文字
会話率:18%
一人の変態が異世界へ魔導士として転移される。
究極の変態になるべく、異世界にて『魔法の書』を収集する旅に出るお話。
内容はソフト~ミドルの予定です。
定期更新になります。
最終更新:2021-07-01 22:00:00
3312文字
会話率:24%
※異世界転移もの(6/23改題)
今日は彼と付き合ってから一周年の記念日。彼との交際は順調だと思っていた。
しかし、まさかの別れを彼から告げられる。笹本悠人は彼に水をぶっかけ、レストランを飛び出し、閉まりかけのエレベーターに乗り込む。
ショックで声を出して泣いていると、エレベーターの到着音が聞こえ、ドアが開いた。そのフロアは薄暗く霧がかっていた。惹きこまれる様に悠人はそのフロアへ降りる。怪しげな空間を彷徨っていると、突然目の前が光り出し、目を瞑る。
目を開けると、『精霊の間』と書かれた扉の前に立っていた。重厚な扉を開けると、そこには四大精霊(水・風・火・地)が待ち構えていた。悠人は四大精霊から救って欲しい世界があると言われ、十分な説明が無いまま、その異世界へと召喚される。
(2021/05/26追記↓)
3話後の番外編でバッドエンドあり。8話後の番外編でトゥルーエンドあり。
番外編をスキップすれば、ハッピーエンドになるように構成しています(今後も分岐をもたせた展開にするかも……?)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 20:00:00
59358文字
会話率:59%
友人の婚約式に出た光の王族のヒカリ=ウェルリース第一王女は彼氏と別れた所でやけになってお酒を飲んで酔っ払って異国の年下のアレックス王子に誘われる。
ヒカリはアレックス王子に一目惚れして更にうっかり酒に呑まれてほいほいついていってしまった。
アレックス王子と致してしまったヒカリは夢のお一人様ライフの為に逃亡する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 06:02:32
6366文字
会話率:32%
シノノメ王国へとヴァルブロは異世界転生をした。シノノメ王国は日本から召喚された勇者ユウト・シノノメによって建国され、日本の知識利用によって豊かな国となった。
ヴァルブロは第二王子として生を受けるが、自分が転生者だと少しづつ思い出す記憶によ
って知る。二次性徴真っただ中の十四歳で亡くなり、エロ妄想を抱えたままだったため生まれ変わって幼くても妄想をしてしまう。しかしまだ妄想も可愛いもんだったりします。だってまだ五歳だから。しかし、つい手は出ちゃいます父親だろうと……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-27 01:38:33
5586文字
会話率:44%
子爵家の娘として産まれたターニャだったが、一度も会ったことのなかった父によって異国の商人に売られてしまう。
売られたことを知らされることもなく、婚姻を結ぶのだと教え込まれたターニャは商人オフディによって襲われかける。
その時、一人の男性がタ
ーニャを助けた。
黒狼と異名を持つ屈強の男性アルスレンが自分の婚姻相手なのだろうか?
言葉すらも伝わらない二人が、あるすれ違いから体を繋げてしまう。
ターニャに一目で恋に落ちた男アルスレンと、
父に売られながらも新たな土地で前を向いて生きていくターニャとの、恋愛と再生の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-25 21:19:35
64864文字
会話率:28%
メイヴィスには義弟がいる。
元婚約者で子爵のヴィンセントという義弟が。
右脚が不自由になったメイヴィスに、ヴィンセントはいつも囁く。
「メイヴィス。どうか私を愛してください」と。
つま先に口付けながら乞う義弟の告白を、自身の身分や脚が理
由で素直に頷けない。
そんな均衡崩れた義姉弟(元婚約者)の、ちょっと歪んだ恋物語。
※タイトル少し変えました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-25 09:01:57
34154文字
会話率:27%
幼馴染たちのままならない心模様。BL、NLありですが、いまのところ性描写はなしです。とりあえず短編で。背景はシリアスっぽいですが、さらっと読んでください。名前を考えるのが苦手なので、別作品でも同じ名前がでてきますが別人です。
最終更新:2021-06-25 10:16:30
4454文字
会話率:34%
遠征で疲れた僕はお気に入りのベッドと恋人の待つ僕の部屋に帰ったのだけれど……。目の当たりにした出来事に怒り心頭で部屋を飛び出してやけ酒を煽っていた僕の前に現れたのは……。
※他サイトにも掲載しています。
最終更新:2021-06-25 00:00:00
18422文字
会話率:61%
伯爵家の一人息子として生まれたシスカは、ある夜お忍びで出かけた先の酒場で1人の美女と出会う。
銀髪に碧眼の美女は多くの男を寄せ付けていたが、その誰をも相手にせず袖にしていた。
雷に打たれるように恋に落ちたシスカはその美女ユリーカを半年も
費やして口説き落としついに夏の熱い夜に思い通じ合い結ばれる。
しかし、褥を共にしたその夜からシスカは体に異変を感じはじめる。そして三日三晩高熱に苦しめられたその夜、ユリーカはどこからともなく現れ意味深な言葉を残し姿を消す。
夜が明けたその日からシスカは食事よりも血を欲する化け物になった。
最も愛した者の名も姿も忘れた、1人の魔物に。
それから200年、死ぬことも老いることもないシスカは1人の日本人観光客と出会う。
32歳のOLだった遼子が失恋の痛手を癒す1ヶ月間の長期ヨーロッパ旅行で出会ったヴァンパイア、シスカと恋に落ちるラブロマンスなお話しです。
爵位とか海外のことはよく分からぬのでご都合的なファンタジー感覚でお読みくださればありがたき幸せ。
一応頑張ってリサーチはしているのだけど。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-24 21:22:59
9882文字
会話率:18%