僕の友人アオは、触れるだけでその人の病気や怪我を治すことができる、治癒能力の持ち主。そんなアオを人々はサバドール(救世主)と呼び、縋る。孤児だった彼のことは、誰も助けなかった癖に……。でも僕は誰のことも責められない。だって、アオから最愛の人
を奪ったのは、僕なんだから。//治癒能力持ち救世主×貴族の子息//エロなし//受けがかなり可哀想です。攻めのせいで死にかけます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-04 21:44:48
15360文字
会話率:38%
早瀬龍一 26歳。
【酷く抱いてくれる人、募集】
掲示板にそう書き込んでは痛みを得ることでバランスを保っていた。それが自分に対する罰だと信じて。
「一郎って俺に肩を貸すために生まれてきたの?すげーぴったり。楽ちん」
「早瀬さんがそう
思うならそうかもしれないですね」
BARで偶然知り合った一郎。彼に懐かれ、失った色が日々に蘇る。
※「君が僕に触れる理由」に登場する早瀬の物語です。君が僕に触れる理由の二人も登場しますので、そちらからお読み頂けるとストーリーがよりスムーズになると思います。
※ 性描写が入る部分には☆マークをつけてあります。
※ こちらの作品はアルファポリスにも投稿してあります。
全28話 順次投稿していきます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-28 20:12:48
71889文字
会話率:64%
八田台美術大学に通う高橋歩は同じ学科に在籍する早瀬のことが好きだ。叶わない思いを胸に抱いたまま早瀬の親友である佐倉の手で欲望を発散させる日々。
これは自分の気持ちに鈍感な主人公の恋愛物語。
※性描写を伴う箇所には☆印を入れてあります。
※こちらの作品の登場人物 早瀬の物語【酷くて淫ら】完結しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-17 10:26:52
50910文字
会話率:58%
痴漢冤罪により、身も心もボロボロになり果てた朝倉はホームへ身を投げた。
だが、次に朝倉が目覚めた場所は、いつもの我が家だった……。
不思議に思いながら仕事の用意をしようとすると、何やら体に異変を感じる。
何と、姿見に映っていたのは、記憶の中
の自分とはどこからどう見ても似つかない、完璧なルックスを持つ男だった……。
その日から、朝倉の人生が一変した。
どこへ行ってもモテる、モテてモテて仕方が無い。
しかも、朝倉には恐るべき能力が覚醒していた。
それは手で触れた女性を自由に絶頂させることができる力だった。
死ぬほどモテなかったブサメンが、真逆の人生をやりなおす!
ちんこの乾く暇がねぇ⁉ 逆転人生優勝しまくりやりまくりストーリー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-22 12:00:00
12749文字
会話率:34%
口の中のものが徐々に更に硬くなる。
ああ、もうすぐね。
ぶら下がっていた手に触れる皮の袋がもう揺れなくなった。
硬く丸くなって純一君にくっついている。
「お義母さん、ああっ、だめっ! イクよっ! イクっ!」
私の頭を押さえていた力が増す、そ
れとともに腰のスピードも上がった。
「ううっ! イクっ!」
そう告げた後、純一君の腰の動きが止まり、私の口の中のものが、ぐんと硬く大きくなり、跳ね上がった。
撃ち出された男の液が勢いよく喉に当たる。
びしっと音がするくらい力強く何度も、何度も……。
あふっ……今朝もすごい量……一度では呑み込めない……。
私はなんとかすべての呑み込んでから、純一君を見上げた。
純一君は、切なそうな目で私を見下ろした。
「お義母さん……あの……僕……一度だけでいいから……お義母さんと……」
「だめよ、それはしないって約束したでしょ?」
「でも、でも、どうしても……お義母さん……だめでしょうか……?」
最近になって純一君は処理の最中、遠回しに私の身体を求めてくるようになった。
私としたいと……。
もちろん、その度にたしなめてるけど……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-17 21:30:16
5980文字
会話率:11%
日課は女生徒を視姦と盗撮した画像をオカズにオナニーするくらい若い女学生が好きな用務員・「豚田太」(トンダ フトシ)歳は40代。
学生が好きなため、同年代との恋愛には興味がなく風俗すら避けていた。
彼はこのまま女性の身体に触れることもなく、
いずれ警察に捕まって孤独を貫くと思っていたが、ある日から彼は非日常を送ることになる。
それは他人の認識を都合のいい内容に改変出来るチカラに目覚めた事だった。
そして彼は真っ先に「もしレイプに手を染めるならこの女を犯す」と決めていた女子生徒にそのチカラを行使した。
※Hシーンの有無を「◎」マークで区別しています。マークがあればHシーンがあります。
更新は不定期です。完全に作者の気まぐれで投稿していきます。
主人公は性犯罪を平気で行う性格で、女性を性のはけ口にしか思ってないので、女性を陵辱したり性行為を強要するような言動が数多くありますのでご注意下さい。作品内の描写において犯罪行為が含まれますが、すべてフィクションであり作品内で行われる行為を推奨するものではございません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-16 06:59:18
36417文字
会話率:39%
時は、勇者と魔王の世界。
世界を闇に染めるべく降臨し、恐怖と破壊の限りを尽くした「魔王」。
そして魔王を阻むために仲間達と旅を続け、遂に最後の決戦へと至った「勇者」。
しかし、決戦の時を前に魔王は囁く。
「勇者よ。世界の半分はやらぬが、
淫魔の国をくれてやろう」
七日の間、勇者は淫魔の国の王となる体験を紡ぐ。
そこで出会う淫魔達との触れ合い、閨の夜、更には隠された真実の端々にさえも触れる。
七日の後、勇者の出した、「答え」とは――――?
※この作品は、作者が2011年11月よりSS速報VIPにて投稿した作品の原書、その転載となります。
「SS宝庫みんなの暇つぶし」他、数々まとめサイト様にも掲載しておりますが何せ古い作品でして把握しきれてはおりません、悪しからず
作者ツイッター https://twitter.com/inmayusha
10/21~
2013年スレ投下分投稿中
毎日22時更新折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-03 22:00:00
327382文字
会話率:47%
梨緒は恋人の玲との健全なおつきあいについて悩んでいた。玲は梨緒の元家庭教師の教え子、現彼氏。半年つきあって、触れるだけのキスはまだ九回。そろそろえっちい雰囲気になってもいい頃だと思う。否、みずからの手でえっちな雰囲気にしよう。年上の私がリー
ドするんだ。だって私は、玲くんの先生だから!暴走ガールのらぶらぶえっちです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-02 22:08:11
10260文字
会話率:50%
田舎育ちの平民である俺は元男娼。花が過ぎたと言われて娼館をクビになったところを、ロドリゴという男に拾われて、表と裏の仕事をしながら暮らしていた。
ようやく仕事を覚えてきた頃、ロドリゴからある特殊な裏の任務を命ぜられた。
その任務のために俺は
、大貴族マクシミル公爵邸に潜入して、美しい令嬢メイズに近づかなければいけなかった。
そこでメイズの兄、公爵のカルセインと運命に導かれ出会うことになる。
カルセインに惹かれていく気持ちは止められず、メイズの優しさに触れるたび、とても任務を遂行することなどできなくなり……。
古龍の血を受け継ぐ特別な人間達、国の王子達の思惑や陰謀も入り乱れ、混迷する事態はやがて出生の秘密へと繋がっていく。
愛を貫き、幸せを手にすることはできるのか。
※重複投稿
※R18要素あり折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-29 18:41:28
156340文字
会話率:27%
イカロス遺伝子をターゲットとした白血病治療薬を開発する水科海里(みずしなかいり)は、自分の性愛対象の違和感に気付きつつ誤魔化して生きてきた。海里の勤めるWalt(ヴァルト)製薬の大口取引先である河瀬医院の院長、河瀬幸仁(かわせゆきひと)と趣
味の話で親しくなり、やがて自分を息子のように可愛がってくれる年離れた幸仁に心惹かれていく。
アルファポリスにも掲載。
【!】本文はトランスジェニックマウスなどのワードを含みますが、動物愛護法やカルタヘナ法に触れる行為を推奨しているわけではありません。本創薬に必要であるワードですので、何卒、ご容赦下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-12 23:20:59
16793文字
会話率:27%
タイトル通りなのですが、より詳しく書くと「やばい。あの魔女、本当に余計なお世話して!!」と焦っているツンデレ風味の女の子が、長年こうなる機会を虎視眈々と窺っていたむっつり系幼馴染剣士に美味しく食べられる話。
局所的な淫紋ブームに乗っかりま
した。
♡一迅社さま「溺愛令嬢は旦那さまから逃げられません…っ アンソロジーコミック」 5巻にて、広乃あずま先生にコミカライズして頂いております。
※ベリーズカフェにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-04 22:31:27
12206文字
会話率:34%
十九世紀に『バース性』と『魔力』が英国で発見されてから、人々の生活は一変した。二十二世紀である現在、『科学』は国を治める王侯貴族だけが触れる事の出来るものとなり、多くの人々は、魔術と魔導具を用いて生活をしている。減少傾向にあるΩは、隔離
保護政策をとられていて、特に魔力持ちのΩは行動制限をされている。塔に隔離され、いつも王侯貴族に見学されていた主人公の『僕』は、『欠陥品』だとして、誰に見初められる事も無い日々を送っていた。二十一歳になっても、未発情だからである。そんな中、ある見学者から、良い香りがした――所から始まる、ほぼ異世界のオメガバースです。※fjossy様からの転載です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-11 14:25:59
35280文字
会話率:66%
俺は遅れそうになって焦っていた。
建物の立ち並ぶ狭い道を走っていると、左の狭い路地から突然人が出てきた。よけきれず、二人して激しく転がった。
顔の上に何か固いものが乗っていたのでどけようと手をやると柔らかくて弾力のあるものに触れる。触
り心地のよさについついムニムニと手が動いた。
「何するのよ!!!」
そんな出会いで始まる二人のすれ違いの恋。
二人共に主人公です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-14 05:00:00
18535文字
会話率:44%
1時間以上一人で居ると死んでしまう希伊は、幼馴染である信弥の助けの元何とか日々を過ごしていた。
だが親の再婚が決まり、信弥の家に転がり込んでいた希伊は新たな家で暮らす事となる。
希伊の寂しさを紛らわせる手段は、心を許した人と1時間以上離れな
い事。
それ故『死』を危ぶまれた先、新たな兄となった翠が希伊を助けてくれた。
彼は希伊とは違い、人に触れる事により気持ち悪くなる性質を持っているという。
正反対の二人。
だが学校では表情を変えず人を寄せ付けない翠に、希伊は段々と惹かれていき……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-14 20:08:32
8649文字
会話率:49%
1時間以上一人で居ると、寂しさで死んでしまう希伊。
そんな彼に出来た新たな兄は、希伊とは真逆の、人に触れると気持ち悪くなるという性質を持っていた。
それ故人との関わりを避けている彼は、希伊の性質を知り、希伊を死なせぬよう共に居てくれるように
なった。
――だが何も、特殊な性質を持っているのは彼らだけではなかった。
徐々に明かされていく周りの事実、抱えている事情。
「どうか僕に、協力してくれませんか?」
その声を皮切りに、希伊はそれを知る事となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-12 00:05:02
3198文字
会話率:51%
最新作品の紹介↓
【目覚めた性癖~お願い、私を見ないで~】
ある日、彼氏と一緒にお出かけをするのに電車に乗った私は、おしりに触れる手の感触に気付いた。
周りを見渡すと女性は居なくて、男性に取り囲まれていて……!?
バレそうでバレない背徳感ハ
ンパない行為に、私はどんどん思考を奪われていった。
お願い……気持ちよくなってる私を見ないで!
男性向けエロ小説の短編特集になります。
内容は痴漢、無理矢理、快楽堕ち、などなど。
少しずつ更新していく予定ですので、是非ブックマークをよろしくお願い致します。
アルファポリスでも掲載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-02 19:00:00
9784文字
会話率:35%
触れる指先で私の唇を濡らさないで……
いつだって貴方の指先は、冷めない熱を持っているから。
その熱で私を狂わせようとするのはもう止めて? そう言いたいのに……
「ちゃんと聞いて」
貴方に見つめられると、いつも顔を逸らして
貴方
に話しかけられると、何度も耳を塞いで
「じゃあ逃げる?」
そんな訳ない! 私には貴方から逃げる必要なんてないのだから。
それなのに……
「ほら、捕まえた」
いつの間にか貴方の腕の中、逃げられなくなっている。
新しい課長として支社にやって来た優男、梨ヶ瀬 優磨。
誰からも好かれる明るい性格と優し気な容姿を持つ梨ヶ瀬を、あからさまに避ける女子社員の横井 麗奈。
ミーハーな性格であるはずの彼女だが、梨ヶ瀬の事だけは毛嫌いしているようで……?
そんなある日横井は部長に呼び出され、梨ヶ瀬のサポート役を頼まれるのだが————?
笑顔の裏で何を考えているのかを決して見せない二面性のある優男と、そんな男の隠した危なさに気付いて逃げ出したい女子社員。
そんな二人の攻防戦の行方は————?
梨ヶ瀬 優磨 29歳 179㎝
横井 麗奈 25歳 166㎝折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-25 13:52:27
7325文字
会話率:38%
セレンは、夫のアクセルとの夜の行為が苦痛でしかなかった。
ある夜それを伝えられたアクセルは、妻に苦痛を与えていたことにショックを受け、セレンのいうことをなんでも聞くと言う。
それを聞いたセレンは、裸になったアクセルの背中の絵を描くようになる
。
やがて触れることができずに焦らされ、我慢の限界に達したアクセルは、目の前で自己処理するように言ったセレンに、肌を見せて欲しいと懇願するのだが……
夫婦の寝室の話です。
自慰行為があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-19 23:15:23
10877文字
会話率:36%
地球最大規模を誇る金融事業財団・バートン財団。その社長には、三人の後継者がいた。レイス、アリス、イリーナのバートン三姉妹である。そしてこの家の当主バートン家では、夜毎、想像を超えた禁断の世界が繰り広げられいた。それは両親が娘に性の宴を披露す
る禁断の狂宴。これは、その禁断の狂宴から始まる、想像を超えた、性と愛と背徳のエロスの物語・・・。
でも、これは、何より、恋愛の物語です。
第1章は主にバートン財団の面々と彼の趣味の話が中心。同時に夫婦愛を描いてみました。
第2章からは、何故、レンブラント・バートンはそのような行為に及ぶのかを、彼の血塗られた過去と共に話は進みます。同時にバートン財団の世界支配の話も進みます。
第3章はブラインド・ターゲット編。ここでは過去のバートン家の因縁が絡んできます。
彼の性愛のパートナーは、第1部では妻が中心ですが、第2部では臨時社長秘書との関係が中心です。
途中から、レンブラントとクレアの禁断の恋の話も始まります。
0章はプロローグ・オブ・バートン。レンブラント・バートンの過去に触れる物語です。
なお、作品の登場人物の名前が諸事情により変更となりました。(2018年10月13日付け)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-18 00:00:00
483965文字
会話率:47%
その美しい見目から精霊姫と名高い公爵令嬢・ルシアは、父親の推薦により春先に開かれる武闘大会にて勝者に祝福の薔薇を授ける『青薔薇の乙女』に選ばれる。
祝福を授けられた者は、どのような身分の者でも法により乙女の伴侶として正式に認められる―――
―とある男に長く片想いをしていた彼女は、ついに覚悟を決める。
周囲から反対されるのは分かりきっている、初恋の人。
いつまでも頼りなく、甘ったれで子どもっぽい己には少しも相応しくないけれど、それでも叶うならばその人の唯一になりたい。
切なる想いを胸に、どうにか武闘大会へ参加してもらえないか。それが無理だとしても、せめて一目だけでも会いたいと彼女が向かったのは――――
強者揃いの王国騎士団において比類なき剣の腕と、端正ではあるが周囲を威圧する眼光鋭い強面に鋼のようなムッキムキの肉体。そして粗野で残忍と評される、人間味に欠けた冷酷非情な狼のような男。
魔王も裸足で逃げ出す最恐の見目と性格故に……社交界における【触れるな危険物件】として名高い、ヴォルフ・フロル・クレマティス元帥のもとであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-17 18:13:32
44004文字
会話率:30%
J大学理工学部物質生命学科に通う二回生、佐々木和人は親友で狐の獣人である白川稔、師元乖次、三島沙耶、佐知川ルル、田上梨園達とともに現代視覚研究部と呼ばれる彼らが作り上げたサークル活動を利用して様々な研究に明け暮れ独自理論の完成を志している。
ところがある日、彼らの指針的存在であった田上梨園の突然の自殺という出来事を通じて、五人の運命は大きく揺れ動き得体の知れない悪意の渦の中に放り込まれる。彼らに共通していたのは死の直前に田上梨園が完成させていた論文『戦争装置によって導かれる恒久的平和の持続可能性』だったが、彼女の死によって全てを闇の中へと放り投げられたまま彼らの学園生活はちょっとずつ日常を取り戻そうとしていく。佐知川ルルとその恋人ミルキー、白川稔ら供に主宰円夜凪率いる『銀の匙』の円夜凪の革新性というタームそのものを唾棄してしまう圧倒的な演劇を目の当たりにした佐々木和人は友人との束の間の休息を堪能し白川稔に恋人との不仲を打ち明ける。些細なすれ違いを指摘され、自らの不手際の可能性が原因であるのかもしれないと思い直した佐々木和人の元に訪れたのは他人との理解という領域において破壊的であり、破滅的であり、圧倒的な悲劇が無惨で残酷な死体として発見された佐々木和人の恋人、梅里桃枝そのであった。一方、同じく恋人の自殺によって失意のどん底にあった師元乖次は親友に訪れた壊滅的な試練を乗り越えるための手を差し伸べようとする。彼が提案したのは決して暗闇に呑み込まれることなく田上梨園の理想としていた装置の研究と成果を続けようとする意志を捨てさせないことだった。崩壊してしまいそうだった日常を取り戻す為に研究に没頭しようとする彼らのもとに、田上梨園が自殺する直前までいた研究室の一員であった柵九郎という生徒が現れる。多重人格者として自身の中に眠る狂気をひた隠しにしていた柵九郎は目的の達成のためにだけ他人を犠牲にしつづける道を選び続けようとし、現代視覚研究部の五人の元に立ち塞がる。佐々木和人を常人では受け入れることすら敵わない試練と悲劇の連続によって人の奥底に眠っているはずの悪意の正体を剥き出しにしながらそれでも乗り越えるべき人生の苦難の在処を見つけ出す。人間にとってもはや存在すら触れることすら敵わなくなってしまった不可知の姿を探し繋がりによって希望を掴み取ろうとする青春SFミステリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-03 19:39:59
231884文字
会話率:37%
都会から離れた地方には、現代でもその土地に残る土着の民間伝承などと絡みついた伝統的な儀礼が残っている。
古くから続く物ほど部分的に近代化され簡略化されて、その土地の現代の祭りとして変化していっている。
その一方で古くからの伝統を厳格に受け継
ぐ血統の一族には、表だって知られる事がない因習というモノが色濃く残っていたりする。
この地方都市の外れにある小さな町にも、そう言った過去の因習が根強く残っていた。嘗ては、元服・裳着と呼ばれた、成人の儀式がそれである。
今では二十歳を迎えて公的に成人式として行われる行事ではあるが、昔は十代前半に行われていた。
無論当時は、医療面での問題や平均寿命の違いなどもあったのだろうから、現代と比較するのはおかしいのだろう。
嘗ては子供が早くに亡くなる事も多く、その為、精通や初潮を迎えた子が、大人になった時点でその儀式が行われていた為だとされている。
ただ成人を祝うだけならば普通の風習で片が付くのだが、この町での風習は少し異なる。世間一般では、因習として忌避されるような意味合いを含んでいる。
元服の祝いの宴の中には、成人を迎えた後継者としての男子に対する筆卸を意味する行為が含まれる事がある。成長した男子が次世代を残すことが出来る事を確かめる意味を持ち、男子は早くに性に触れることを推奨する傾向がある一方で、裳着に関しては、逆に女子の処女性が大切にされ婚姻を迎える迄は処女であることが大事にされる。だか結婚に際してその地域の領主が初夜権を持つなどという因習も存在したという。
そんな性に纏わる因習がこの土地には残っている。
この土地に残る因習。それは男子の元服の儀に伴う筆卸の儀式。しかもそれは単に年頃の異性をその相手にするのではない。
儀式の相手役を務めるのは、その男子を産み育てた母親が行うというもの。母親がその役を出来ない場合は、より血筋の近い既婚の女性がその役を担う事になる。
それだけでも、忌避されるには十分な理由となるのだが、この土地ではもっと人としての禁忌に触れる部分が含まれている。
この町での元服の儀式は、一夜限りで終わることがない。無事子孫を残せるかを確認する為、その相手が妊娠出産するまで関係が続くのだ。
血縁による妊娠出産までが1つ目のルーチンとなっている。
そんな因習に基づく儀式の日がまもなく訪れようとしていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-30 00:00:00
55432文字
会話率:45%