昔、結婚の約束をした女の子がいた。ふたり。
それは子供同士の他愛もない約束で。
いつかは自然と風化するようなもののはずだった。
実際にどこにでもいる平凡な大学生である俺――藤井耀は約束をすっかり忘れていたのだが、それぞれの事情で離れ
離れになっていた女の子たちは忘れてはいなかった。
ひょんなことから再会した時――
「ねぇ、あたしたちの誰かを彼女にしてみない?」
あの頃にはいなかった彼女の一言をきっかけにして。
「なんならまずは身体の相性を確かめてからでもいいからさ♪」
止まっていた時計の針が動き出す。
魅力的に成長した彼女たちを前に、俺は頭を抱える。
――――俺が選ばなくちゃいけないのかっ!?
あたりめーだろ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-14 06:00:00
406917文字
会話率:39%
※フランス書院さんにて8月25日(金)にコミックシーモアとピッコマで当作品の上巻が先行配信されることになりました!他書店は9月に配信予定です。読んでいただけたら幸いです。
魔王討伐の旅を終えて王都に帰還する前日の夜。
呼び出されて訪れた
部屋の前で見たのは、ベッドの上で激しく交わる男女の姿。
二人は旅仲間である第一王女と勇者で、私の親友と、先日プロポーズをしてくれた私の恋人だった。
あの裏切りの夜に、私の心は死んでしまった。
そして私は―――――彼らの前から姿を消した。
遠い国で暮らしていても、不意にあの夜を思い出す。
5年経った今も、あの傷が悪夢となって私を苦しめる。
それでも少しずつ、彼のおかげで過去の傷として風化していくのを感じていたのに、私は突然母国に召喚された。
私を裏切った彼の手によって────。
2023/1/6日間総合ランキング1位になれました。ありがとうございます!
※マークがついている話はR18です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-27 21:50:47
168959文字
会話率:35%
妾腹の子供
幼い頃から幾度も言われてきた言葉。
本家の子供は何の因果か同じ歳。
あいつにだけは負けたくない。その一心でがむしゃらに勉強や運動に打ち込んだ。だが、俺の存在を気に掛ける者などこの家にはいなかった。
しかしそれももう15年も前
の話だ。
屈辱の記憶も時が経てば何れ風化する。
睡眠時間もまともに確保するのが難しい程忙しない日常の中、その男は再び俺の前に現れた。
それも直属の上司としてだ。全5話。
腹違いの兄×弟
※カントボーイ / 生理描写有り
※無理矢理
注意書きを読んで大丈夫な方のみお読み下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-14 19:05:36
16058文字
会話率:38%
「この世全てを自分の思うがままに操ることが出来たとしたら、それ以上の楽園はないのではなかろうか?」
かつての世に、そんな考えを持った一人の男が存在した。
その名も、グレナ・ガルアード。当時は無名に過ぎなかった一介の魔術師である。
全て
を自分の思うがままに操るというそんな考えは、一笑に付される世迷言に過ぎなか
った。
だがしかして、グレナだけは本気であった。
幼少の折から挫折と苦難の連続で、上手く行ったことなど何一つない。であれば、その命の果てに全てを思うが儘に操るという夢を見ても良いじゃないかと、そう考えた上での人生を掛けた魔術研究であった。
結論から述べよう。
この魔術研究は、成功した。否、世界から見れば、成功してしまったという言い方の方が正しいかもしれない。
グレナはこの力を、当初こそ些細な幸福のために用いていた。だがしかし、人間というのは欲深く。
グレナもその例に漏れなかった。
そうしてエスカレートしたグレナは、気が付けば一国の掌握に成功をしたのである。気が付けばなど、そんなわけがないだろうと、そう考える者がいるかもしれない。
だがしかし、この言葉に誇張はない。
何せグレナはただ、『会話を交わしただけ』なのだから。
掌握魔術。
無名魔術師の世迷言と笑われていたそんな魔術が、明確に世の脅威として認識された瞬間であった。
以降、グレナの欲望はエスカレートし、当初の目的である『この世全てを自分の思うがままに操る』という野望を現実のものとしようとする。
しかして、世界はそれを認めなかった。
後の世で聖魔大戦と呼ばれることになる戦いの末、魔王と呼ばれるに至ったグレナは封印される。
殺されるのではなく封印されるに至ったのは、『我が身は不老不死であり、滅ぶことは決してない』という掌握魔術を自身に施していたためであった。
そうして封印されたことで、世界には平和が戻った。時間の流れと共に、グレナの存在は風化する。
しかして、忘れてはならない。
グレナは滅びたのではなく、ただ封印されているだけであるという事実を。
ピシッ、ピシピシッ!
今この時、世界に再び暗雲をもたらす魔王の封印が人知れず溶けようとしていることに、この時の人々は気が付いていない――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-18 22:00:00
28401文字
会話率:39%
世の中を炎上させたネタにエロを織り交ぜ、鬼畜な作品にしていく短編シリーズ。
だいたい下品で無様なとろアヘ堕ちなんでそういうの苦手な人は右上の×推奨。
大丈夫の人は読んで拡散RT。風化させないようにしないとね。
ホットな炎上ネタが出てから書
くので完全不定期更新。
とりあえずブックマークしておけば気付いたときに新作が更新されてるかもよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-05 00:18:07
34552文字
会話率:67%
五年前、ある夏の名残……黒猫館殺人事件の悲劇は、既に人々の記憶から風化している。フェリーに乗り込んだ語り部たる秋保祈と、秋保にとって唯一の名探偵・駿河相は、探偵資格を発行する協会のイベントで、金島へと向かう。果たしてこの時、そこに待ち受け
る衝撃の事実を予測した者はいたのだろうか。歯車が回り出す。名探偵と助手、運命の二人―― ※DWバースですが、独自解釈・設定てんこ盛りです。探偵×助手(助手の一人称)です。なお、あらすじは嘘ではないですが、若干詐欺です、ご容赦下さい。他サイトにも掲載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-24 18:18:00
9992文字
会話率:66%
相方とのSF小説「HypnoticMother」が2021年で20周年を迎えることから始まった企画。
正典である原作小説そのものが未完、つまり『猫箱』状態になっており、物語の風化防止の緊急処置として紡がれたのが偽典「Tune the Rai
nbow」である。
こちらに投稿しているのは、中でもR18指定に該当するエピソードを集めてみた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-06 15:09:39
5394文字
会話率:25%
魔王の娘、イヴ・スターリングメイデン、冒険者となる──えっ、ヤりに来たわけじゃなくて…?
“運命の人”──ヤリマンビッチサキュバスの口から出た「運命の人」等と言った乙女チックな単語。
…なんでも天族の──取り分け悪魔に属する者は妊娠から出産
までのスパンが短いらしく…。
妊娠した瞬間に例え閨中であろうと、母体となった悪魔の女性の近くに幼体で“現れる”らしい──。
それは例え人間だろうとエルフだろうと獣人であろうと、天使だろうと──悪魔の女性は悪魔の子を成す。
…悪魔に混血は存在しない。
そんな悪魔のキテレツ摩訶不思議な生態からまことしやかに今日まで残っている伝聞の中に──“運命の人”の記述がある。
それは“必ず”悪魔以外の異性である、と。
“運命の人”と交われば…混血が産まれる、と。
…それがいつしか“人間”の異性──に限定されたのは…長い長い歴史の中で風化し捻れ、曲解された──故に。
…異種族の異性と恋仲になり結婚しても──相手の種族の子は産まれない。
それはとても──寂しく哀しいことだ。
天族は皆、長寿だ。長寿が故に──後悔しない出逢いを。身を焦がすほどの熱い愛を求める。
近親婚を繰り返したとて──病気の子は産まれないし、アルビノは存在しない。
白髪に赤目の悪魔も存在するが…それは別に身体能力が劣っているとか、遺伝子的に欠陥が見られる──とかはなく。
それそのままの両親の色味を受け継いだだけだ。
…兎も角その“運命の人”とやらを求めて地上へと降りた夢魔のイヴ。
道中色々な異性と仲良く?睦み合い、荒々しく腰を振って互いの体液と体液を交換し合う旅路の果て──少女は“運命の人”を見付けられるのだろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-22 00:00:00
6767文字
会話率:34%
「ごめん、他に好きなコが出来た」…高校時代、一方的に別れを告げられた雅(みやび)。その元カレ・芳(よし)と同じ会社に就職し、しかも同じ営業部に。「うぬぼれないでよ。アンタなんてもう好きでも何でも無いから」風化した思いを綺麗サッパリ捨てて改め
て芳と友人関係を築いてみたものの、残念ながら恋愛方面は全然。「逃げないで。俺のこと、どう思ってる?」そんな時に現れた先輩・光正(みつまさ)に激しく心が揺れる。──高橋雅26歳。今からモダモダ恋愛、始めます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-19 12:00:00
185349文字
会話率:44%
アマの初恋は風化し始めていた
初めてまともに彼氏ができそうなとき
また、アマは秘密を抱えてしまう秘密のゲーム
負けたら1つ言うことを聞く事
アマは戸惑いの方が大きかった
最終更新:2018-11-12 08:00:00
2638文字
会話率:5%
「記憶とは風だ」
もし記憶とは何かをわかりやすく説明せよと言われたらこう答えるほかない。
全ての事物は流れて消える。
まるで草原に散らばった小動物の死骸が誰にも気づかれることなく動きゆく時間の中で風化するように。
それは永遠に未完のままで、
あるいは未完であり続けなければならなくて、まさに今こうしている間も完全に消えてしまうまでの小さな灯りを放ち、じわじわと僕の中から消えゆく。
僕の夏休みは結局いつもそういうものだった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2018-08-26 01:30:02
18137文字
会話率:31%
高校時代の友人から結婚式の二次会の連絡を受けた直斗。
卒業してから6年。地元を離れ、気持ちの風化を待ったが、親友だった達也に対する想いは今も変わらない。
会いたいが会えない。
残酷な現実を目の当たりにする勇気が出ない。
もどかしい気持ちを抱
えたまま地元へ向かう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-28 12:00:00
16396文字
会話率:32%
知り合いのフェイスブックの記事に、そいつの昔付き合っていた女の投稿を見つけた。懐かしい思い出が蘇る。短編。
最終更新:2017-03-21 16:29:30
6346文字
会話率:5%
王が死んだ。
戦って、戦って、戦って不敗を誇った王があっけなく。
“負けが決まっていた”王の剣は王の死を前に決意する。
“報われようとしなかった”叡智の剣は微笑む。
これは語られない物語、秘してただただ風化してゆくだけだった記憶の欠片。
気が向いたときにそれぞれの話を追加していきます。
短編集・・・・になる、はず。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-04-26 21:02:17
2597文字
会話率:25%