「あんた良い匂いするな」
初めて会ったその日に、なぜか目を逸らせず相手の甘い匂いに誘われるようにしてアミルとルルティアはゆっくりと唇を重ねた。
互いにキスをした自分に動揺して反発しあうが――。
南の島を訪れたワケありの吟遊詩人アミルと、
巫女として島の皆に慕われているルルティア。
二人は運命の番として反発しながらも次第に惹かれあっていく。
猫の精霊バズを連れたアミルと魚の精霊アクアを連れたルルティアのモフモフとヌメヌメ(?)に見守られた不器用な初めての恋の物語。
★R回には※を付けます。
★全41話で完結予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-03 18:10:23
127847文字
会話率:40%
王国の辺境で産まれたジョゼリンは直ぐに実の母親と引き離され、貴族に拾われる。そして、メイドとして教育されたジョゼリンは10歳で数十年前に戦争から救った英雄であるお兄様が住む屋敷に戻る。
それから数年間は普通にメイドとして業務を全うしていた
が、ある日王国の姫と婚約したお兄様の言い付けで深夜にお兄様の部屋を訪れる。入室時の返事が無くて様子を見ようとベッドの近くに近寄ると目の前を暗闇が襲ったと思った瞬間だった。
口の中を掻き回すヌメヌメとした何か。
股の間にある生暖かくて固い何か。
私を襲うこの不思議な感情はなんだ………。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-03 16:52:36
2438文字
会話率:62%
『うっふふ』
摩耶が笑みを洩らした。
「な、何が可笑しい!」
LUCAが気色ばんだような表情をした。
「バラバラにして犬の餌にしようが、現実世界のあたしは無傷よ。なので恐怖感は半減するわよ」
「そう思う
なら、今から体験させてやる。夢魔地獄の凄さをな」
『ガチャガチャ』
『グゥッイン』
電動ノコギリとフォークが小刻みに踊っている。
LUCAが胸前で押し開いていた両手を、地面に叩きつけるように振り下ろした。
フォークと電動ノコギリが、摩耶を目指して突進する。
摩耶は冷静にフォークと電動ノコギリの動きを見ていた。
(これでジエンドか‥‥)
摩耶は静かに眼を閉じた。
『ゴー‥‥』
突然、内耳が揺れて耳鳴りがした。
そして眼前に過去の出来事が螺旋を描くように点滅する。
(本当だったんだな。人は死ぬ瞬間に過去の出来事が走馬灯のように蠢くというのは‥‥野呂との2年間の結婚生活、偽装結婚とはいえ穏やかで安らぎの日々だった。あたしは満足‥‥)
『あれっ?』
眼前に2倍位に膨れてギラギラ耀くシルバーの円盤から放り出された野呂の姿が大写しになった。
(あの時の出来事があたしの人生で一番ビックリした一瞬だったわ。あっ、映像が動き出した‥‥)
ヌメヌメぶよぶよした野呂の表皮をバリバリ破って、毛が全く無いツルツルした人間らしきものがニューと現れた。
表皮は蒼白いゼリー状のもので覆われて白く透明感を帯びていた。
床に散乱したゼリーで滑るのか男は、動いては転びながら、やっと四つん這いになった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-13 23:29:46
684文字
会話率:34%