明治三十年代の終わり、十二月三十日。東京府某所。
雪の降る年の瀬に、声楽家の黒田(くろだ)は、音楽学校のかつての同級生、貴船(きふね)と再会する。
貴船は昨年の春、志半ばにして胸を病んで逝った。
だからいま目の前にいるのは、貴船の幽霊、も
しくは幻影のはずだった。
ふたりは今年の春彼岸にも短い逢瀬を交わしていた。
しかし貴船は「お前が希めばいつでも会える」と告げて、満開の桜が散るとともに姿を消してしまう。
それ以降ひとときも彼を忘れられなかった黒田は、「今さら何の用だ」と貴船をなじりながらも、結局、彼を突き放すことはできない。
「なぜ、春から一度も会いにこなかった。俺はこんなにお前に会いたかったのに」
激しい嫉妬と恋情にかられて、黒田は貴船を痛めつけるように抱く。
「賞賛されるのは俺の才能じゃない。お前の才能だ。お前があのとき押しつけていった作品を、俺は五線紙に書き写して発表しているにすぎない。皆が称えるのは俺の音楽じゃない。お前の音楽だ。この気持ちがお前にわかるか」
そして大晦日の夕暮れ、黒田は貴船の自宅を訪れた。
元旦に横浜港を出立する定期船で、黒田はドイツに渡る。
その前のただ一夜を、貴船と過ごすと決めた。
「ねえ、黒田。昨日みたいに、してよ」
「……っ」
「昨日みたいに、乱暴にして」
あかあかと燃える暖炉の前でピアノを弾き、歌いながら、ふたりは激しく情を交わした。
夜が明けて、元日の朝。
黒田は横浜港から旅立つ。彼の手には、貴船から託された楽譜があった――
* * *
拙作「春林奇譚」と対になる掌編ですが、これだけでもお読みいただけると思います。
ひとりの男と、ひとり(?)の幽霊が執着しあう、レトロBLです。
◆エブリスタ、fujossyにも投稿
https://estar.jp/novels/25918562
https://fujossy.jp/books/23314折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-29 21:30:09
5895文字
会話率:42%
性描写を含める格闘ゲームを題材とした小説で、とにかく自由に
思い切り書く事を念頭として、続けてみようと思っています。
『ZERO』と言う名の格闘ゲームがブームとなっている世界で、
ゲーマー達の戦いが繰り広げられる。大晦日に行われる全国大会
の優勝を目指す主人公のもとに次々と現れる挑戦者。
果たして主人公は『神』の座を得る事が出来るのか……
現在忙しくて、更新がままならない時があるかもしれませんが御容赦ください。
必ず完結させると言う強い意志を持ってこの作品に挑もうと思っております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-06 20:34:21
1799683文字
会話率:26%
幼稚園の頃から腐れ縁でずっと一緒の二人。
大掃除で昔の映像を整理していたところ……。
※アルファポリスにも掲載いたします
※18禁回には「※」をつけたけれど、ほぼほぼ「※」がついてしまった
2021年1月3日、日間完結済みランキング1位あり
がとうございます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-14 16:00:00
16978文字
会話率:59%
エリート美形攻め×ちょっぴり卑屈な平凡受け
速水慧は、一年も終わろうという大晦日に、最大のピンチを迎えていた。なんと、ラブホテルの目の前で、恋人である瀧崎亮二が待ち伏せしていたのだ。恋人がいるにも関わらず女の子とラブホテル、けれどもそんな
状況になったのにはある理由があって……?
すれ違い気味になっていたカップルが、ひょんなことから愛を確かめる話。
全二話。後編はほとんどエッチしかしてません。
R18回には※をつけてあります。
【追記】時たま番外編更新します!
この作品はTwitterに載せたものを大幅に加筆修正したものです。初投稿です、お手柔らかにお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-13 22:00:05
15833文字
会話率:40%
幼なじみの男、桐谷 渉(ワタル)と恋人関係になってもうすぐ五年。
その間数ヶ月に一度しか部屋を訪れず(連絡もなし)、会うなりセックスして翌朝いなくなってる男。普段は仕事をしながら、いろんな女の家を渡り歩く生活をしている。
来訪の度に広くもな
いワンルームの隅に他の女からの贈り物を置いていくものだから、ついに山になってしまっていた。
毎年大晦日と元日だけは欠かさず姿を現すので律儀に待っていたのだが、今年は違う。
大晦日前日の早朝、年内最終可燃物収集日。土山 俊太(シュン)は気合いを入れて、恋人による不法投棄物を全処分すべく動き出す。
鍵も取り替えた、ゴミは収集カゴにサヨナラ、そんでもって今からリュックひとつで行先も告げずに、縁もゆかりも無い金沢に旅行に行ってきまーす。新幹線速い!温泉ヤバい!旅館ヤバい!
浮気攻め×男前受け
ハッピーエンドです。
全三話
(2021年1月8日追記)
完結しました。
今後は数話の番外編を更新予定です。
内容は2話の後書きをご参照ください。
この作品はアルファポリスにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-17 00:00:00
45124文字
会話率:37%
姚財寿と黄藍珠は、ニ十歳年の離れた夫婦。二人の子供に恵まれて、今年も平和な大晦日を過ごす。しかし、「これで遊ぼうよ」と藍珠が寝台に持ってきたのは、縄だった。
最終更新:2021-01-13 00:40:11
10635文字
会話率:49%
初世珠歩(はつよたまほ)は毎年両親と帰省をしていたが、今回は受験生なのを理由に断り、家へ残る。
大晦日、珠歩は年越しをするのに、幼馴染の島尾(とうお)、肥満の不土(ふど)、美少女アニメ、ゲームが大好きな亜呂太(あろた)の男友達三人を呼ん
だ。
話の中で『姫初め』の話題となり、誰かが女になれば出来るかの議論になるが、難しいと結論付けた。
そんな話で迎えた年越し、珠歩はいきなり長い髪と巨乳の姿へなり、女になったかと思われたが、実際は両方の性器を持つふたなりだった。
しかしどこから見ても美少女で、島尾達は迫ろうとする。
始めは嫌がる珠歩だが、友達の願いを叶えたい想いと、体の変化が知りたく三人と姫初めを行う。
事を終えて珠歩は、両親が強く帰省を勧めた事から、この体について何か知っているかもしれないと考え実家へ行くと、村で「ふたなり様」として迎えられた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-12 19:40:10
35115文字
会話率:50%
男子高校生の直樹は大晦日に神社に出かけ、初詣ついでに引いたおみくじには『大エロ』の文字が。
大吉でもなければ大凶でもなく、大”エロ”だ。
家に帰ればどういう流れか、美人な姉と可愛い妹がメス犬みたいに発情していて、そのままエロに……というお
話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-04 00:58:56
15959文字
会話率:36%
人生に絶望した男は、大晦日に死のうと寂れた神社を訪れた。
しかし彼はそこで思いがけない超乳の美女に話しかけられて……
最終更新:2021-01-03 23:48:44
7779文字
会話率:23%
大晦日、丑年を迎える支度でうっかりした男の子。子年の歳神様♀の身体にされてしまって、元旦から歳神様♂といっぱいえっちなことになりました❤︎
最終更新:2021-01-01 21:49:54
2658文字
会話率:46%
大晦日、付き合いたてのカップルである俺と優雨(ゆう)はカウントダウンのプロジェクションマッピングを見にきた。カウントダウンの後は初詣をして、それから家に招待して姫はじめで初えっち、なんて考えていた俺の目の前で表情をくるくるかえる優雨。めっち
ゃかわいい。
ひたすら目の前の恋人を愛でる『俺』と優雨にもたらされた歳神様からのお年玉は、『俺』の思考が恋人にだけ筒抜けになってしまうというバグだった。
※伊達きよ様のTwitterでの「BLサイコロやってみよう」企画で書いたものを、年末年始に合わせて加筆訂正しました。
てんつぶ様の『創作BL年末年始企画』及び公式ミニ企画『姫初め2021』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-31 23:00:00
3835文字
会話率:30%
大晦日の夜に公園で寒さに震えていた女の子にご飯を食べさせてあげたら、実はサキュバスで逆に襲われてしまうお話です。
タイトル通り、出来婚になります。
擬似ロリ孕ませ系の作品を書いています。
よろしければご試読お願いします。
最終更新:2020-12-29 20:06:32
9435文字
会話率:40%
2010年、大晦日
世界に正体不明の大地震が起こった。
そして、世界に迷宮が生まれた。
誰かが言った
迷宮には、未知のエネルギー資源があると。
世界各地で迷宮の探索が行われたが迷宮には未知の生物がいた。
そして、迷宮に潜る調査隊の中で妙
なことが起こり始めた。
身体が異様に軽くなったり、手から水が出たりと。
そして、ある者が「ステータス」と唱えると全てを理解した。
そう、まさしくゲームのような画面が出てきたのだ。
それから、各国の調査隊はステータスの開く者たちが行くようになり、ステータスの強化により人間離れしたものが増えていった。
それから、各国は迷宮探索者を正式に職業にし、冒険者と名付けた。
10年後
主人公天野 瞬は国立大学に入るため静岡に来ていた。だか、瞬にはもう一つ理由があった…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-12 12:00:00
3271文字
会話率:49%
友人と大晦日の神社にお参りに行って気付いたら不思議な土地にいた?!
それは、普通ならあり得ないとんでも無い事であった。
ゆったり更新
最終更新:2020-11-26 18:45:04
4093文字
会話率:15%
友人と大晦日の神社にお参りに行ったら、不思議な出来事が起きた。
それは、普通ならあり得ないとんでも無い事であった。
ゆったり更新です。
最終更新:2020-11-25 18:26:04
1145文字
会話率:0%
来年、40歳になるオレは、作家になって人生大逆転する夢を見ながら、定職にも就かず、その日暮しの自堕落なフリーター生活を送っていた。
しかし、作家になるなんて、そんなん夢のまた夢。
大晦日のその日、人生に嫌気がさしたオレは異世界に転生しようと
首吊り自殺をしようかな〜なんて思っていたら、引き出しからヤツが現れたのだった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2020-08-23 00:19:16
3912文字
会話率:57%
イベント会社に務める西野 純(28才)。
故あって、イノシシの着ぐるみに入ってお仕事中です。
そんなわたくし、仕事納めの日に、会社のえらい人からとあるミッションを命じられてしまいました。
大晦日にイノシシの着ぐるみに入らないといけなくなっ
たイベント会社の女性社員と、大晦日に神主のコスプレをして甘酒を配らないといけなくなった彼女の係長との仕事納めから元日にかけての攻防です。
〈姫初め2019参加作品〉
無事完結しました。
読んでくださった皆様ありがとうございます。
ちょこちょこ番外編追加します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-09 10:00:00
58290文字
会話率:34%
大晦日の夜。
1人廃れた神社に向かった新屋想汰。
そこで想汰は1人の女性と出会い頼み事をされたのだった。
「生気を分けて頂きとうございます」と…
以前上げたものをまとめた物です。まだいくつか書くつもりですので連載にしました。
話は繋
がってますが、それぞれが短編なので更新はかなり不定期で、いきなり終わる可能性があることをご了承下さい。
イチャラブオンリーで、NTR等気分が悪くなる物は一切ない、安心出来るお話です。
あまりのラブラブっプリに読み手が恥ずかしくなるようなお話を目指します!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-03 12:22:07
109985文字
会話率:41%
大晦日の夜。
1人廃れた神社に向かった新屋想汰。
そこで想汰は1人の女性と出会い頼み事をされたのだった。
「生気を分けて頂きとうございます」と…
最終更新:2020-01-03 11:36:29
22218文字
会話率:28%
大晦日、うっかり童貞をもらった元家庭教師で現義姉の山本花子さんと、元生徒で現義弟の尚太くんの話。一話目は花子視点。二話目から尚太くん視点。軽い花子さんと重い尚太くんの普通の恋愛エロ話です。
※尚太くんがストーカーなのでご注意ください。
※未
成年の性的な描写があります。
※アルファポリスに同作品投稿。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-25 20:54:03
20711文字
会話率:22%
江戸時代。
簪職人の佐助は、大晦日に親方の喜八郎に連れられて遊郭に来ていた。
部屋にやってきた遊女・雛菊の姿を見て、瞠目する佐助。
雛菊は、以前勤めていた簪屋のお嬢さんにそっくりだったのだ――。
最終更新:2020-01-20 18:28:21
2278文字
会話率:36%
「着物が着たいっ!」
そうお願いしたのは、ちゃんとした姿であなたに会いたかったから。
大晦日、あなたと会える――
――お兄ちゃんと会える。
お兄ちゃんと会うのは六年ぶりで、お兄ちゃんはすごく大人になっていて。
でも、わたしも
もう子供じゃないから。
気付いた気持ちを伝えなきゃ……もうお兄ちゃんの写真を見て一人エッチするだけじゃ我慢できないから。
だからね、お兄ちゃん。
「わたしと、エッチしよ……」
そう伝えて、わたしはお兄ちゃんにキスをした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-19 04:12:15
14654文字
会話率:45%