「蛇様は数えきれないほどお嫁さんを貰ったけど、皆食べてしまったんだよ」
和風・異種族婚姻譚。大正時代の日ノ本に少し似た世界の、因習のある閉鎖的で陰鬱な村に住む、無口で強くてまっすぐな娘・吉越祈(よしこし いのり)が、「祟り神の蛇さま」とい
う存在と結婚することが決まった。蛇さまと婚姻した者は食い殺されるとの噂が村にはあったが祈は絶望の気持ちよりも、この金ピカの小判で妹や弟たちに美味しいものを食べさせてあげられるとか、妹や弟たちを学校に行かせてあげられるとか、村の中で避けられていた父さんと母さんが村人達に感謝され受け入れられるという喜びで一杯だった。
しかし、次第に、自分が神様の婚約者に――つまり生贄にされるという事実や、蛇の化け物と初夜を迎えるという事実を恐ろしく思い始め……婚姻の儀の途中で逃亡をはかる……。
しかし、神域の森から降りてきた”蛇さま”とイノリは婚姻の儀のために会うことになる。蛇さまは白い髪と、桃色の目をした、とても美しい同世代の青年だった。
「わぁ、とっても可愛いお嫁さんだね。まるでボロ雑巾みたいで、弱った死にかけのドブで溺れる鼠か、親に借金のカタで売られた遊郭の人気のない娼婦みたい。肉も不味そうだね。でも……。いいよ、君を百二十五人目のお嫁さんにする」
-----------------
※この作品は異世界を舞台にしたフィクション作品です。現実での合意なき性交渉は犯罪にあたります。現実の性行為は両者の合意のもとに、避妊や安全などを考え慎重に行って下さい。
※飢兵村は架空の村です。
※作中には現代では耳慣れない言葉が少し出てきますが、これらの表現は、大正風の和風世界という世界観のリアリティをある程度守るために使用しております。差別・侮蔑を助長する意図は一切ございません。
※作中での危険な行為などを現実世界で真似しないで下さい。
※第一部分にポエムが書かれてます。苦手な方は読み飛ばしてください。村の空気はホラー色が強いですが、最終的には恋愛小説です。かなり大幅に加筆修正していますが、2023年8月後半に雪餅雀が蔦野四葉名義で投稿していた過去作「アガパンサスの咲く所【SS・短篇集】」の第一話「【ほの暗い】化け蛇様と生贄」のリライトです。
-------------------------
「きみは僕のお嫁さんだよね」
「……ばけものめ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-14 04:30:45
6568文字
会話率:41%
「猫精霊は異世界で百合を咲かせるそうです。」の短編集
彼女たちは愛し合い深く絡み合う。これはその一部始終を捉えた2人の愛が紡ぐ純愛レズ物語
(本編見てないとワカラナイヨ!!)
最終更新:2022-05-04 14:31:14
1992文字
会話率:69%
天翼人の少女と地上人の青年の愛の物語。
少女アヴィスの運命の始まりの日。
兄のように慕う大好きな王子の下に嫁ぐ日。
婚姻の式典の為、聖なる地での最後の御祓《みそぎ》をしていた……その時二人は出会ってしまった。
運命の歯車は廻り始めていく…
…
少女は乙女ではなくなっていた。
王子への想いは罪悪感で我が身を焦がしてしまう。
王子の優しさが更に罪悪感が心を縛り付ける。
もう二度と王子の下にはいけない。
然しながら、この地上で初めて出会った男に…
私の全てを奪った男の妻になど……。
何をわかり合う事が、愛する事が出来るというの?
これは葛藤する少女が女性として花開いていくお話。
真実の愛を見つめ続ける少女《アヴィス》と青年《ラウレス》の愛の物語。
そして、更なる未来に待っている真実とは…
ソリダリエテの世界をお届けします。
※2015年02月12日 執筆開始。
※2020年10月2日追記
現在この作品は設定や時間枠の修正準備中である為、
続話をすべて削除いたしました。
再投稿の目処もたっておりません。
この第一話も随時改定することもあります。
※2020年10月8日追記
R18指定となりましたので18歳以下の方は閲覧禁止となります。
ご了承の程、よろしくお願いいたします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-04 14:00:39
22582文字
会話率:18%