「超危険人物、山餅魔鎖鬼(ヤマモチマサキ)と間違えた。」
俺の名前は山本一徹(ヤマモトイッテツ)
中堅商社で働く中年一歩手前のリーマンだ。
主任昇格の辞令を受け帰国した矢先、様々な世界を神に変わって管理、調整する調整者から指名
手配犯と間違えられ異世界へ飛ばされちまった。
魔族、獣人族、エルフ族、おおよそ人ならざる存在が跋扈し、自らの種こそ至高と謳ってはばからない。それが異世界の共通認識。
俺は、救えなかった。異世界に慣れぬ俺を守り、俺が愛してしまった女性を。
だから決めた。彼女が自ら死を選んだきっかけとなった二種族の血を引いた彼女の赤子を、異世界では禁忌とされる忌子を俺が父親として導き、守り通す事を。
その為なら俺は何だってする。なんだろうが奪ってみせる。
夢、金、愛。誰かにとってなにより大切なセカイ、俺はそれを取り上げる。
これは別言語、異文化に溶け込み、人種問題など軋轢に葛藤しながら人の恐ろしさ、優しさを学び、忌子の父親として世界から蔑視される俺が自分の居場所を作り出していくお話だ。
何が大切で、譲れないのか……銀の髪飾りが仲間との出会いを引き寄せる。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-28 17:11:04
71031文字
会話率:29%
【 サユマとラトラ 】
密林の中に在る獣人族のとある集落――そこでは年に一度、15歳に年齢の達した男女を集め、それらの成人式とそして婚礼とを併せ行うしきたりがあった。
この物語の主役となるのは、そんな村で今年15歳になったサユマという
少女。
彼女は他の仲間たちとは容姿の違う己のしっぽに強いコンプレックスを抱くがあまり、想い人であるラトラへ自分の気持ちを打ち明けられずにいた。
そして、そんな彼女の恋敵としてラトラ争奪戦に名乗りを上げたの村一番の美人である女傑ツュー。
美しいその容姿に加えてさらには凄腕の狩人でもある完全無欠のツューの登場により、サユマの恋心も委縮してついには消えてしまう。
この世界の全てに絶望して、独りきりの夜を過ごすサユマとそして彼女を探すラトラ――そんな不器用なふたりの恋物語の結末はいかに?
【 ツューとヤマト 】
前作より15年後のお話。
独身を貫くツューは、己に求婚する雄へ必ず一つの条件を付ける。それこそは禁忌の魔獣であるウォーク・マーラッツの首を持参すること。
そんな彼女へと新たに求婚してきたのは、明日に銀齢祭を迎えようという15歳の若い雄・ヤマト。
親友の子ということもあり幼少期から親しんできた彼ではあったが、それでもツューは、その条件にマーラッツの首を所望する。
かくして翌日行われる銀齢祭ではあったが、そこにはヤマトの姿は無い。
それにて、自分の為に無謀にもヤマトがマーラッツに挑んだことを知ったツューは一路、かの魔獣の根城へと急ぐ。
そこにてツューが目撃したものは魔獣マーラッツの姿とその足元にて血だまりに沈むヤマトの姿であった。
かくしてツューは魔獣退治を為し得ることが出来るのか? そして二人の恋の行方はいかに……。
【 カルアンチャコ 】
別の森から移り渡ってきた異国の少女チャコ。彼女の淹れる不思議なコーヒーに魅了された少年カルアンは、そのコーヒーの秘密を探ろうと躍起になる。
彼女の私生活を覗き見ることでついにその秘密に至るカルアンであったが、そこには衝撃の秘密が隠されていた。
チャコのコーヒーの秘密と、そして彼女がここへ追いやられた理由とは……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-12-08 09:54:37
110822文字
会話率:29%