熱砂の帝国エルハリム。玉座を巡る暗い習わしが根づくその国には、皇位継承権を二分する皇子の存在があった。第一皇子イスハークと、第二皇子ゼイン。皇帝の美質を継ぐ彼らは等しく黄金の髪と青い目を持つ精悍な青年だったが、ゼインは色狂い、穢れた出自の忌
み子で知られていた。
ある日、踊り子のシャウラはゼインと邂逅し、一夜をともにする。以来ふたりは、神聖な木曜日に秘密の廃屋で落ち合って互いを貪りあうようになった。しかしそこに、愛はない。シャウラの目的はゼインを籠絡し、意のままに操ること。次期皇帝候補として力をつけていく第一皇子に近づくための、駒に過ぎなかった。──その夜までは。
罪深い第二皇子×魔性の踊り子×盗賊の青年。
架空の中東を舞台にした惨劇ロマンス。
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※2020年5月末に刊行された合同誌『Fika』に寄稿した短編を大幅に加筆した作品です。陵辱・暴力・残酷描写、主要人物の斬首シーンを含みます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-20 22:00:08
40449文字
会話率:28%
幼き頃から面倒を見ていた不遇の皇子がついに皇帝陛下へと即位した。嬉しさと誇らしさと、ほんの少しの寂しさと。複雑な感情を抱いたリシェはあることを切っ掛けに傍を離れようとするが―――?
十六年も共に居続けた、年の差など端から頭にない孤独な皇帝×
邪な感情を抱いてしまったことに自己嫌悪する侍女がくっつくまでの話。
■攻めの喘ぎ声あり/少し女々しいかも
前後編折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-01 18:00:00
12238文字
会話率:56%