大の月と小の月がともに新月になる夜には、秘密を抱えてもいいとされる。
警兵庁を束ねる貴族の旧家の次男リカルドは、『大小の月が新月になる夜』、ある青年を引き取ることになった。
痛々しいまでに怯える青年は、生涯に一度だけ受験を許されるというデ
ィクテル協会の登録詩人だった。
東洋系の美しい青年は、カヅキという名で貴族の『雇われ詩人』をしていたという。
リカルドは少しずつカヅキに惹かれていくが、思わぬ行き違いから別れることになってしまう。
数年後、カヅキもリカルドもそれぞれの人生を歩んでいるが、ある書房で再会する。カヅキは学校の卒業を控える一方、リカルドもまた人生の岐路に立たされていた。
自分を傷つけ貶めることで精神を保っているカヅキ、そしてカヅキの自由さに憧れ、自分の人生を選択するリカルド。
数年の時を経て、二人の人生が再び交錯するも、巷で連続殺人事件が起きる。
犯人は誰か。
そしてリカルドは愛する人を手に入れることができるのか。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-10 12:05:22
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会話率:37%