帝都、灯京。元号は大正となり、次第に異国との戦禍の気配が近づいてきている。灯京帝国大学で精神医学を学んでいる俺は、現在私宅監置の資料を取り纏めている。私宅監置とは、江戸頃まで遡る座敷牢といった風習を、法制度化したものであるというが、近代化
を謳うこの国を思えば涙が出てしまうくらい劣悪なものだ。端的に言えば、精神病者――古い言葉で言えば瘋癲人などを、自宅で看るという制度である。調べる理由は、出身地の村における記憶が端緒だ。 ※2021年に頒布された座敷牢アンソロジーへの寄稿作品の再録です。灯京という場所を舞台に、大正~現代の間を輪廻転生するホラーです。他サイトにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-11 00:22:53
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会話率:62%
不幸な人間は少ない方がいい。
愛する人間が悲しんでいるのならば。
何も言わず、静かに寄り添ってみるのも手なのかもしれない。
――『■■■による精神医学入門・上巻』より抜粋。
最終更新:2019-10-31 17:45:46
2331文字
会話率:49%
衝撃の問題作、激しい児童虐待を生き延びる少女のフィクション作品
最終更新:2019-04-28 05:54:58
2851文字
会話率:11%