俺の運命は、六年前のあの日、一変した。
王立学院の「下級課程」で平凡な生徒として過ごしていた俺は、
ある夜、貴族専用の〈月夜見庭園〉でこの国の王太子――ヴェリオス・カレヴァント・アフ・サーリネンと遭遇する。
それまでベータとして生きてき
た俺だったが、竜人の血を引く最高位のアルファ・ヴェリオスとの遭遇で突然発情。
発情にあてられたヴェリオスにうなじを噛まれそうになった俺は、間一髪のところで逃げ出し、身を隠すが、後日妊娠が発覚する。
医師の協力でひっそりと子を産んだ俺は、今までの自分の経歴を隠し、とある農村で静かに暮らしていた。
だが、そのころ王太子ヴェリオスは、全土に命じていた。
「全てのオメガを後宮に集めよ」と。
ヴェリオスの「オメガ狩り」の手がついに俺の住む村にも迫る。
村人を守るため、自ら王宮へ赴いた俺が見たものは――恐るべき変容を遂げた王太子の姿だった。
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竜人の血を引く最高位アルファの王太子×訳あり子持ちベータ
※R18シーンの予告はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 12:06:30
4681文字
会話率:14%
この世界にはいくつもの種族が住んでいる。その中でも竜を祖先にもつ竜人が一番強く長寿で、そして番をこよなく愛して大事にすると知られていた。
そして番の儀によって『婚鱗』を交換し交わることで、魔力は良質化され竜気が高まるのが通常だったのだが…。
◆前日譚:筆頭守護騎士ジャレッドと暗殺者の少女ミュー
そんな竜人の番に一番寿命の短い人族の少女がなる、という稀なケースが発生。竜人以外を番に迎えるということは、婚鱗の交換ができないということで。婚鱗には魔力が高密度で凝縮され、それを剥がしてしまうと魔力も寿命も減ってしまう。
そんな運命を課された竜人を、皆悲しみ憐れんだ。
竜人の番事情を知らない人族の少女と愛の重い竜人の、種族違い・寿命違いの恋は誤解やすれ違いを生み、両片思いでありながらこじれていってしまって…。
◆本編:竜王と処刑された王女
歴史に残る賢王となるだろうと言われる竜王にはなかなか番が現れなかった。
ある日、占術師が竜王の番が人族の国ユーマンチにいると告げる。逸る気持ちで竜王が向かった先で出会った番は、まさしく目の前で処刑されるところで…。
※タイトル回収は本編になります
※残酷描写や悲惨な境遇がところどころ入ります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 20:30:00
74102文字
会話率:46%