『押入れの三上君』、『オパール』に登場する平浩司の幼年期から樋口佑亮との出会い、彼を仲間に引き入れるまでの物語。
ごく平凡な家庭に生まれ育った平浩司は、九歳の時に遭った事故を境にそれまでの記憶を失い、自分のことを平家の養子だと思いこむ。そ
して、自分の中心から何かが失われているという喪失感に苛まれ続ける。
また、事故後の彼は以前と性格が一変し、平凡だった成績も、興味の対象に片寄りがあるものの、大学生を凌駕するようになっていた。
興味のないまま大学へ進学した彼は、ある日キャンパスで運命的な出会いをする。父親が弁護士だというその青年は、うぶで世間ずれしていなくて、それでも浩司の前では背伸びして大人びて振る舞おうとする、浩司から見れば容易く手玉に取れる、いわばカモのような存在だった。
ただし、彼はただのカモではなかった。その容姿こそ、浩司が自分がかつて持っていたと信じて疑わない皮=身体だったからだ。
その日から浩司は、その青年、樋口佑亮を手に入れようと、あらゆる手段を労するようになる。
一方、樋口佑亮も、今まで自分の生活圏にはいなかった平に、次第に興味を引かれていくのだが......。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-26 12:53:28
19088文字
会話率:47%
異世界転生、微妙だけど見方によればチート系。相変わらず黒髪+黒目な日本人主人公が標準装備です(苦笑)
最終更新:2018-08-15 07:00:48
11871文字
会話率:17%