三十三歳のファッション雑誌編集長の桜子と、幼稚園からの幼馴染の専業主婦の海砂。
久しぶりのランチで二人は再会した。
そこで海砂から、夫と五年前からセックスレスだと聞かされる。
左胸のしこりで乳房切除をした海砂は、それが原因で夫に抱かれないと
悲観していた。
子どももいなく空虚な毎日を過ごしている海砂に同情した桜子は、極上の男を買わないかと囁いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-24 19:00:00
239839文字
会話率:33%
一栄会と黒谷組の抗争から四年が過ぎようとしていた。
この大事件で双方の組長、多くの構成員が犠牲となった。
現在は一栄会の五代目会長の母、百合子によって、関東一帯は無事治められていた。
黒谷組は組長とその息子、翔の死亡により以
前のような勢いはなく、弱体化されていた。
その為、世間は穏やかな日々が過ぎていた。
当時の大事件を思い出す者は、もうほとんどいなかった。
ある日、高御堂法律事務所に一本の電話が掛かってきた。
依頼主は桜宮若菜。
高御堂法律事務所所長の妻、高御堂(たかみどう)友(ゆう)香(か)の担当産婦人科医である。
若菜からの四年ぶりの突然の電話。
友香は何事かと驚く。
依頼内容は、若菜の経営するクリニックでの赤ん坊の取り換え事件。
産科クリニックにとって絶対にあってはならない事件に困っているという。
その為、以前若菜のクリニックで出産した弁護士の友香を頼っての依頼電話だった。
依頼内容に驚いた友香だったが、お世話になった若菜の依頼を引き受けることになる。
この案件を調べていくにつれて、若菜にも友香にも四年前の事件が大きく関わっていく。
そして相手方の弁護士、神谷。
神谷は、友香が以前愛した龍治にどことなく似た面影を持っていた。
そんな神谷と戦うことになった友香は気まずさを感じながらも、若菜のために誠心誠意戦う。
若菜と友香の過去をも巻き込んで、この事件が明らかになっていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-28 19:00:00
158663文字
会話率:32%
弁護士、九条(くじょう)友香(ゆうか)は、父が暴力団組織一栄会の顧問弁護士の頃、対立していた黒谷組の手によって自動車事故にみせかけて殺されたと聞かされる。
友香はその真相を確かめるべく、一栄会に単身で乗り込んだ。
そこで出会ったのは一栄会
の跡取り息子である桐生龍治、大学一年だった当時、友香が秘かに思いを寄せていた人だった。
十年ぶりに出会った龍治に友香は再び心を揺れ動かされた。同様に龍治も当時ヤクザの息子ゆえに、友香への思いを自ら断っていた。
友香の大学時代からの恋人、高御堂(たかみどう)優(すぐる)は、そんな友香の気持ちに気づき始める。
そして龍治の女の知美は突然現れた友香をおとしめる為、一栄会に敵対する黒谷組の陰謀に手を貸す。
この時から、二人の運命の歯車は狂い始める。
「今の友香は、俺にとっても一栄会にとっても必要ない。」
その言葉は黒谷の陰謀から友香を守るための、深く揺るぎない愛情ゆえのものだった。
一方的に別れを告げられた友香は、龍治の思いを知らず深い悲しみに落ちるが、それでも一途に思い続ける。
そして龍治を再び手に入れようと画策する知美と、友香を変わらない愛情を持つ優が、二人の運命を大きく変えていく。
互いに運命の人と確信していた友香と龍治。
黒谷の魔の手が、あまりにも残酷な形で二人に襲い掛かった。
四人の一途な思いが交差し絡み合いながら、両組は大きな抗争へと突入していく。
そしてその抗争は、思いもしない事件と発展していく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-18 19:00:00
227175文字
会話率:32%