言葉に触れられない少女は、言葉を支配する男に出会い、少しずつ変えられていく。発話の苦手なノズには、故郷も、親も苗字も、恋人もいない。安宿で働きながら、マッサージ師として独立するのが、彼女のささやかな夢。
ある日、宿に現れたのは、『ロス・バ
ンディドス』と呼ばれる知の反逆者集団のひとり、黒い言語学者のゼファ。翡翠の瞳と白銀の双刀を持つ美麗な男は、ノズに“声”を与え始める。ただ、彼のレッスンは、接触過剰。発声が弱いと言っては、勝手に体に触れてくる無礼な男。
舞台は、文字の使用が禁じられた世界。読み書きは支配層の特権とされ、書物の保持は重罪にあたる。叡智で禁忌を犯す男と、沈黙に慣れた少女――ふたりにとって、発音は愛撫に似て、綴ることは触れること。
ノズが話せない本当の理由、文字禁止世界の闇、ロス・バンディドスという組織の目的――が着地点。ふたりの恋を軸に、いろんな色の糸が絡み合う、そんなお話。
*言語学関係の用語、アカデミックなネタが多いです。
*設定は重め、世界観は暗め、お話ちょっと長めとなっております。
*倫理観は現代日本のものと違います(価値観ズレ・犯罪行為許容・性的な乱れ)*繊細な方は、ぜひ自衛なさってください *濃い目R18エピソードには☆付き(薄いやつは予告なし)*「残酷な描写」は、一応タグ付けた程度 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 08:21:36
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会話率:32%