携帯しているスマートフォンに何件もの着信があったという事に山下宏典が気づいたのは、その最後から数えて大凡で小一時間は経過した後であった。愛機であるところのそのスマートフォンのディスプレイに表示されていた着信の数は十三件。そして、そのどれも
これもが同一人物からのものだという事を知った山下は、その人物からのものという事実に逡巡する。何故ならその人物とは、約半年前に別れてからこの日まで疎遠となっていた笹原由奈だったからだ。
逡巡が焦燥にクラスチェンジする中、山下は笹原にコールする。暫しして聞いた半年ぶりの声は、暗く沈んだ音色をしていた。イヤな予感がする。付き合っていた頃の事が蘇る。悪寒が走る。そしてそのとおり笹原が発した次の言葉は、自殺を仄めかすものだった。
結局のところ、笹原が命を落とすという事態にはならなかった。しかし、違う問題が提示された。笹原が自殺を図っていた際、何者かによる放火も同時進行していたのだ。全身に火傷を負った笹原は現在、病院で生活している。山下は足繁くお見舞いに通う。半年ぶりの再会と笹原が背負う現状に、山下の心は激しく揺れ動く。罪悪感。そして、背徳感。山下は笹原に溺れていった。
そんな中、笹原を担当する医師でもある芹澤が殺害される。犯人は放火も実行した人物だった。山下は複雑な心境を内包しつつ、笹原との今後を考える。
一方で笹原は、事態の経過に大満足していた。これは、恐ろしい企みと危ない賭けによって漸く手にした幸せだったからだ。
そう、全ては。
笹原の思惑どおりに進んでいた。
………、
………、
筈だったのだけれど。
著者) 野良にゃお
雪やこんこの夜 2011/夏折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-23 13:00:00
203159文字
会話率:25%
100万人に1人という割合で“魔法”を使える人間が存在する世界にて。
その1人である藤堂美香(とうどうみか)は、今日も1人の男子生徒の告白を断っていた。
そしてある日、そんな世界に迷い込んだ魔王を名乗る男が、突如として彼女の前に立ちはだかる
。
美香に想いを寄せる幼馴染の少年、相田吉良(あいだきら)も年相応の悩みを抱えていた。
彼女を守りきれない自分に焦燥感を覚えつつ、彼もまた奪われることの悔しさと戦っていく。
※――的な、羞恥・凌辱・NTRの3本柱を軸に構成した
変身しないタイプの魔法少女によるヒロインピンチ物語。
~ヒーローは、かなり遅れてやって来る~
Hシーンがある回にはサブタイトルに☆が、本番シーンがある回には★が付きます。それに伴う多少のネタバレはご了承下さい。
※追記
ファンティアへの移転の為、公開は途中までとさせて頂きます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-20 22:00:00
147726文字
会話率:30%
デビューして6年、ソラは恋をする。
今や絶大な人気を誇るサグレスのメンバーであるソラ。転換期を迎える仕事に焦燥感を感じ始めた頃、自分とは正反対の男性と出会う。
売れっ子芸能人がサラリーマンに甘やかされる話。
エ
ブリスタにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-09 00:12:30
234941文字
会話率:3%
地方の都市で突如として起った戦乱の火蓋。
街に容赦のない攻撃が加えられる中、沙菜は邦玲華の街からの脱出を余儀なくされる。
眼前で次々と起こる殺戮。自分の手にもその刃が伸び、身代わりとなって多くの人々が殺されていく。
彼女は自分の身分をさらけ
出し、人質となることをこの場で宣するが、敵が彼女の意思に歩み寄ってくるかは、運に左右される、一つの危険な賭けとなった。
彼女の手に握られる、国の身分を呈する受印。
汗ばむ手、募る焦燥、沙菜が人目に国の受印をかざす時、威圧するように空に鎮座している黒いシルエットに包まれた、庸の艦隊が、不気味な影をたたえているのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-03 06:00:00
512223文字
会話率:27%
私は何も持っていない。
アラサー会社員、杉下葉月は人付き合いが苦手な仕事に生きる女だった。
同世代と自分を比較しては焦燥感と虚無感に襲われる日々。ある日彼女は、生き甲斐とも言えた仕事をリストラされ、自殺を企てるが…
※この作品は自サイ
トにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-20 00:00:00
96809文字
会話率:32%
二振りの太刀を折られたシオンたちは、山奥に隠れ住むという刀匠の里を目指して北の山脈を目指した。
そこにある廃墟ホテルをキャンプ地とし、長期戦の覚悟をして探索を開始した彼女たちを嵐が襲う。
嵐の中、この世の者とは思えない黒い狒々のようなバケモ
ノを見る。翌朝、焦燥感に駆られたシオンは早速の探索を開始する。そしてそこに仮面をつけた集団を発見、彼らを追って先行し足を踏み外して崖を転げ落ちる。目の前に巨大な甲殻類ガリザニの群れ、それに喰われかけたシオンを助けたのは、あの仮面の集団だった。シオンを探すオルキスたちはその仮面の集団と出会う。彼らはシオンを助け手当までしてくれていた。そして彼らこそ、刀匠の里の住民だったのだ。シオンたちは彼らの里へと招かれた・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-08 05:53:49
93842文字
会話率:50%
静真と辰義は中高一緒の友人同士。18になってからは一緒に住み始め、もう8年余りが経っている。仲は良いが特に何も起こらない日常の中で、静真はじわじわと焦燥を感じ始める。辰義は恋心を自覚済みだが平穏が壊れるのを恐れて何も言い出せない。どちらかと
いえば線の細いデスクワーカーの静真と、現場タイプの辰義というタイプの違う奥手リーマン同士のほんわりまったり、時には喧嘩もしつつ、互いが相手への本音を言えるようになるまでの話。エロは本当に連載の最後あたりにしか出ないと思います。だけど辰義はたまにエロ妄想してます、はい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-09 19:33:45
43801文字
会話率:36%
その夜酒場では、女給が冒険者たちによってテーブルに抑えつけられていた。パーティのリーダーである男は、女の鼻先に金貨を滑らせる。そして女給は犯された。
王都より遠く離れた街に、ふらりと訪れたベテラン冒険者パーティは、この半ば打ち捨てられ
た場所では最強の力を持っていた。彼らの焦燥が魔の森へ駆り立て、無理な戦いへと身を投じていく。寒々しい街に絡めとられるように――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-17 03:16:17
294659文字
会話率:30%
レオには、これから自殺をしようとする人がわかる。
ただわかるだけという自分の力に焦燥感がつのる毎日。
そんなある日、幼馴染のコーヘイが……
※1話完結で、様々な事情で死を選ぼうとする人と関わりながら、二人が成長していく話(になる予定)。
※
プ:死体、1:ショタ、2:いじめ、3:NTR、4:レイプ、5:NL、6:SM(流血あり)の表現があるので閲覧注意
※題名を変更しました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-15 13:35:27
27174文字
会話率:33%
互いの間にあるのはただの欲望だと思っていた。何を考えているのかわからないセックスするだけの年上の女。なのに……。「じゃあね……」そう囁いて去って行く女に慎二は不意に悟った。女が自分との関係をもう終わらせるつもりなのだと。焦燥に駆られて追いか
けたエレベーターの中で、変わる二人の関係。年下不良青年×年上女の追いかけっこな恋。
※この話はTwitter上で相互フォローさせて頂いているこなつ様から出る超難問なお題目のクリアを目的に書いています。
こなつ様からのお題目がある時だけ、連載します。
今回のお題
☆何かを割ってください(割れるでも可)それを見た上で何かの回想シーンをひとつ入れてください。
☆調理以外のシーンでひとつ調理用具を使ってください。用具はお任せします。
☆愛を囁く歌を歌わせてください(短歌、俳句可)しかし著作権うんぬん引っかからないよう創作でお願いします。ただし「愛」のつく単語は禁止で!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-23 10:55:47
85997文字
会話率:20%
マンションの鍵を貰い、幸せな生活をスタートさせた鐘音。けれども自分と雪乃瀬の生活レベルの違いに戸惑いを、子供であることに不安を、日々の中でどうしても感じてしまい、あれこれと思い悩んでしまう。そして、ただ傍にいてくれるだけで幸せという雪乃瀬の
言葉。親に捨てられた過去を持つ鐘音には、その言葉がどうしても素直に受け止められず、何も出来ない自分に更なる不安や焦燥を抱いてしまう。そんな中、雪乃瀬に連れられて向かった洋品店で、紅透真というデザイナーと知り合う。恋に不慣れな鐘音のために、紅がしたアドバイスは――。生活スタイルの差に、年齢差。恋に付き物の悩みに、一人悶々とする鐘音ちゃんです(*^o^*)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-04 19:00:00
22664文字
会話率:37%
取引と称して、無理矢理の関係から始まった勝利と椿。互いの気持ちを確認し、晴れて恋人同士となった二人。これまでの性の奔放さから、当たり前のように身体を求めてしまう勝利。それが恋人同士として当たり前の姿なのだと懸命に受け入れるも、恋愛経験のなさ
から上手く身体も心も開けない椿。楽しいばかりだと思っていた蜜月は、予想外の戸惑いと苦悩の連続で……「恋愛中ってもっと楽しいと思ってた」という歌詞があるように、恋を成就させることと同じくらい、恋愛を継続させてゆくことは難しいことです。恋って始まりも途中も切ないですよね。そんな恋愛中の、戸惑いや悩み、揺れる心情を綴ってみました。『好きだから。』の続編です。本編を読んでいなくても、大丈夫だと思います。多分ですが(^^;)でも、本編から読んで頂いたほうが楽しめると思います♪折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-15 20:00:00
43508文字
会話率:38%
「真昼の月」スピンオフ。
薪野の昔馴染みである唐沢和人(17話「焦燥」りさサイドで登場。外苑のレストランのシェフ)視点。
「真昼の月」27話「抱擁」直後の短編です。
*小説ブログ【bitter & sweet】にて掲載中です。
http://tsumitobatu.blog25.fc2.com/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-07 07:00:00
3423文字
会話率:40%
中学のころのあるきっかけから男性に好意を持つようになった、へたれ大学生佐藤冬馬(さとうとうま)、20歳。
20歳になっても未だに童貞、処女の冬馬。
周りの友達が少しずつ大人になっていく中で感じていた焦燥感。
その焦燥感をなくすため、出会
い系の掲示板で知り合った男性からのお誘いにのってみることにした・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-01 22:26:58
210文字
会話率:20%
薄暗い理科標本室で僕たちは抱き合った。何故そうなったのかよくわからないままに。疑問と焦燥と欲望の中、虚ろに横たわる蛇が僕たちを見つめている。少し不思議な物語。※PIXIVに投降した物の改訂版になります。
最終更新:2013-06-02 09:07:17
13269文字
会話率:36%
完全無欠の優等生・日高智宏には、唯一にして最大の秘密があった。化学教師の桐生瑛一と体の関係を持っているのだ。
桐生に憧れつづけ、体だけの不毛な関係から抜け出せない日高の焦燥と、他人に心を許さない桐生の不器用な恋の物語。
二人の物語を主
軸に、桐生に思いを寄せる英語教師の東雲、妻を亡くした保健医・相模と、彼に献身的な愛を捧げる少年・紗鳥の物語が交錯する、学園BL小説折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-03-28 01:37:35
53191文字
会話率:35%
肉食魚の餌として買ってきた、幼い金魚のディーと接しているうちに、冬来の胸にはいつしか、正体不明の焦燥感が宿るようになっていた。
最終更新:2008-10-02 23:14:28
3881文字
会話率:43%
司法試験受験生の高丘充弘は、名状しがたい焦燥感と性欲に苛まれ、ついに書道家である父の弟子、市村早霧を犯してしまう。父の怒りに触れ早霧の母が営む酒屋の二階に転がり込んだ充弘は、生活苦から受験生仲間の福島という男から金を借りるが、それには試験に
合格するという条件がついていた。早霧の妊娠という思わぬ事態に受験そのものを断念した充弘と早霧に、本性をあらわした福島の毒牙が襲いかかる。姿をくらました早霧を追った充弘の眼前に展開するのは、彼女の信じられない狂態だった…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2005-12-03 20:05:08
43728文字
会話率:40%