昭和初期、新聞社に勤める彼方《かなた》は、血の繋がりのない祖父の危篤を知り、8年振りに生家に戻ることを決心する。そんな彼方は、生まれながら弱視の傾向が強く、常に眼鏡が必要なのだが、感情が高まると瞳の色が紫に変異する。それは一族の呪われた慣習
があったせいなのだが、彼方がそれを知るのはまだ先のこと。反発ばかりしていた祖父の変わり果てた姿や、変わらぬ初恋の人との再会は、彼方を温かく包み込み、そして苦しめる。そんな中、夜中に訪れた祖父の書斎で見つけた蝶。蝶狂いの祖父が秘匿していた蝶は、一見普通の黒蝶だった。しかし、月光を浴びて変貌した蝶は、彼方にある幻覚を見せる。己と同じ紫の瞳を持つ着物姿の少女に手を差し伸べる祖父の若かかりし頃の姿──。
翌日、恐る恐る少女の是非を問うた彼方に、祖父は彼女を初恋の人だと告げてきて──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-12 00:00:03
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会話率:18%
地方の豪族の妾妃の子ども、16歳になったキサヤは一族の期待を背負い、この国の皇太子の『飾りの妃』に選ばれる。
『飾りの妃』とは選ばれた少年が皇太子の婚姻の儀式で正式な二人の妃と共に形式だけの妃となるこの国の慣習である。
それが終れば、少年
は中央の官吏になれるはずだった。
ところが『飾りの妃』の実体は、次の帝の眷属を選ぶ儀式。キサヤは人間の亜種、魔族だった。
婚姻の晩、キサヤは皇太子と結ばれる前に連れ去られてしまう。キサヤを連れ去ったのは帝位継承の無い第三皇子、三宮。
反発しながら紆余曲折の末、二人は結ばれる。
キサヤと三宮の二人は国の支配下に組み込まれていない地方の制定に向かうことになる。果たして二人は上手くやり遂げることができるのか。
「ずっと一緒に」、「ずっと一緒に それからの話」の続編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-16 15:37:16
388686文字
会話率:38%