「子供を妻に押し付けられて、私だっていい迷惑だ。成長しても、女性として見ることはできない」
十六歳のとき、十歳年上の夫エルクシードの本音を聞いてしまったリリアージェ。
リリアージェは、政略結婚の駒として、わずか八歳の年にエルクシードと結
婚をした。
夫の、その本音を証明するかのように、適齢期を過ぎても自分たちは白い結婚のまま。
きっと、彼にとってリリアージェはいつまでも子供と変わらないのだろう。そこにあるのは家族としての、きっと妹としての親しみなのだ。
だから思った。そろそろ、お互い今後の人生について考えるときなのではないか、と。
「エルクシード様、わたくしたちそろそろ離婚をしませんか?」
すんなり離婚できるものだと思っていたのに、エルクシードは「離婚はしない」と言い張って。
大司教を巻き込んだ話し合いの結果、離婚猶予期間が設けられることになってしまった!
しかし、夫は夫でリリアージェへの想いを上手く表現できずにいた。
これは、すれ違った夫婦が一年をかけてお互いを知っていく物語。
そんな感じなのでR描写は終盤です。
各電子書籍サイト様にてコミカライズ連載中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-31 23:00:00
155571文字
会話率:39%
船上の陸人に一目惚れした海人の末姫は、数日後の浜辺で"陸人化の秘薬"を飲み干した。しかし翌朝目覚めた彼女は小さな小屋の中で戸惑う。穀潰し? 奴隷? 愛玩用? 物語にある「浜辺で散歩中の王子様」は何処に? ……混乱する彼女
を村人は容赦なく売り飛ばす。行商人に連れられた先でやっと"王子様"に再会できたけれど、彼はどうやら人間不信なようで―――
/ポジティブな元人魚がワケありな"王子様"の心を射止めようと奮闘する話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-19 09:00:00
120105文字
会話率:25%