――勇者と魔王は死闘の末、相打ち。
時は鴎歴1960年。勇者の死後、ベスターニア王国では、彼への感謝を捧げる祭典が開催されていた。
その祭りの中を、一人の少女は走る。
――死んでいない。生きている勇者から、彼から待っていると手紙を受
けたのだ。
これは、戦火に喘ぐ世界を、生き残った、あるいは死に損なった者達が酒を交わし、煙で円を宙に描き、体を重ね、苦味を、甘味を全身で感じては、そんな世界を笑う物語。
(※酒を片手に煙草でも燻らせながら読んでいただけると幸いです)
(※濡れ場には【R-18】を前作品同様に付けさせていただきます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-06 20:57:59
33780文字
会話率:42%
「許せねえんだよなぁ……、テメェみたいな糞豚がこの都を牛耳ってる事がよ」
江戸時代初期から存続する任侠一家――いわゆる極道〝宍戸家〟の十七代頭首・宍戸剛司(ししどつよし)は十五度に及んで他の異世界を喰らい、平和へ導いた侠客である。
そん
な彼は此度、既に襲撃を受けている城へ召喚される。
恋に愛に酒に煙草、多くは語らず、弱きを助け、強きを挫く。
江戸の世から変わらぬ志を以て、剛司は一度異界を喰らう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-19 01:32:21
6594文字
会話率:27%