東京都渋谷区道玄坂の横丁奥、昭和の残響が漂う薄暗い路地。古びた看板が軋み、煤けた提灯が揺れる街並みに、木村心療内科クリニックはひっそりと息づく。雑居ビルの階段を上がると、湿った空気と消毒液の匂いが漂う診察室が現れる。ここで、性的な悩みを抱え
る患者たちの深層心理が剥がされる。
心療内科医・木村遼(38歳)は、催眠療法、告白療法、夢分析を駆使し、患者の無意識に侵入、治療の名の下に自身の支配欲を満たす。
聴覚障害者のアシスタント・早苗(24歳)は、タブレットと遼の音声認識ヘッドセットで淡々と記録するが、彼女の無表情な視線はクリニックの異常な空気を鋭く捉え、内面の葛藤を秘める。患者たちの性的衝動と遼の冷徹な命令が交錯するこの診察室は、エロスの迷宮へと堕ちていく。
本連載は、昭和の街角に隠された医師と患者、そして早苗が織りなす、愛と狂気の境界を記録する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 17:02:57
28956文字
会話率:9%
女子高生の時、伊越多佳子は、援助交際をする。
親友の死をきっかけにして、見えなくなった日常。
終着点はいずこか、わからないまま、レールを外れて、生きるために男をあがなう。
そして、妊娠という体の変化に怯え、家族にバレてしまうと……。
最終更新:2020-04-18 10:29:28
2149文字
会話率:20%
本郷義堂は毎朝通学列車で一緒になる、美少年のことが気になっていたが、自分からは恥ずかしくて声をかけられないでいる。ところが、彼が落としたケータイを拾ったことをきっかけに、彼が音のない世界に生きる聴覚障害者だということを知るのだった。
超バリ
アフリーな義堂が、壁を越えてガンガン行く話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-09 18:05:17
60015文字
会話率:38%