「破壊と再生、原始の神はその力を継ぐ者へ魔石を与えぬことで人を戒め、真理を与えたのです」
破壊の力と再生の力を持つ者は「魔石無し」だった。全ての民に魔力があり、魔法が使え十歳には魔石が現れる。子供は十歳で故郷を離れ十八歳まで学舎で魔法を学
ぶ。互いを敬うという理想とはかけ離れた現実の中、破壊の力を持つ「魔石無し」のアークは悲しみを抱えつつ三歳年下の「魔石無し」のスピカを守っていた。スピカは再生の力を持つ。肌を重ねれば治癒の力を発動する力ゆえに迫害される「魔石無し」の同胞を守るため、アークは王を目指していた。卒業後「魔石無し」の通過儀礼『選定の儀』を迎え、愚かな法を破壊するため国王「デレティウス六世」となった。民から『破壊王』と呼ばれたアークと『再生の聖女』として各地を巡り王の元へ戻ったスピカは……。短編完結。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-18 06:00:00
16473文字
会話率:45%