「鬼木の山」そこは、鬼の住む山であった。ある日、蘭国を飛び出した千里は、山に踏み入れてしまうと鬼に襲われる事となる。
死を覚悟した千里だったが、何処からともなく聞こえたのは、美しい笛の音色だった──。
青い髪を揺らして横笛を手にさっそうと現
れた青年。術を操ると、鬼たちと敵対し、千里を救いだした。優しく差しのべられる手。
しかし、彼もまた「鬼」であった。
──無事に国へと戻れた千里だったが、すぐに喃国の侵略が始まった。
そこに潜むのは、黒い鬼の存在。
町は焼かれ、国の滅亡かと思われた蘭国の危機に、再び「青髪の鬼」が千里の元に現れる。
蘭国を救い、消えた鬼の戦いは、やがて伝説となった。
月日は流れ──。
着々と復興を進める蘭国では、夜な夜な鬼による襲撃事件が発生していた。その狙いは千里だった。
城主である狢伝に呼ばれた灯馬は、千里の護衛へと向かう。
千里が狙われる理由、そして鬼の目的とは?
「ただ、会いたい──」
千里は今も、青い髪の鬼を想う。
人の願い、鬼の願いが交わる時、石は強く輝きを増す!
和製チャンバラ、群像ファンタジー。
※こちらは『前編』となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-11 17:25:28
524文字
会話率:32%