クリスティーナはまだ十七歳という若さで、半年前に夫を亡くしたばかりの寡婦だった。幼馴染の騎士は、領主の娘であるクリスティーナを妻にしたあと、一年足らずで亡くなった。無謀な盗賊退治になど出かける必要はないとクリスティーナは泣いて縋ったのに、新
しく領主となったクリスティーナの姉の夫――ジギスムントを守ることが、騎士として当然の務めだと新妻の制止を振り切って。
異界の門が開く夜、死んだ夫が迎えに来てくれることを待ち望む娘と、その夫の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-01 00:12:56
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会話率:19%