厳しい階級制の王国で成就した平民と王女の恋愛結婚は、幸せなお伽話として人々に語り継がれていた。
平民ダヴィットの幼馴染であり、彼を王都の学校へ送り出す為に尽くしたエミーリヤは、捨てられた女と囁かれつつ町の外れで独り暮らす日々。
華々
しい結婚式から6年が経ち、突然ダヴィットがエミーリヤの家へ訪れた。息子の教育係になって欲しいという身勝手な要求を断り切れなかったエミーリヤは、迎えの使者・護衛騎士のエフィムと出会う。
到着した屋敷の雰囲気は暗く、老齢の使用人ばかり。ダヴィットが言葉巧みにエミーリヤから様々な物を取り上げる中、囚われた火の精霊の言葉を始まりにして、美しいお伽話の真実の姿が露になっていく。
――私が愛した彼は、美しい王女さまと結婚してしまいました。
◆R18部分を削除し、加筆・改稿した物を小説家になろう・カクヨム・Pixiv・エブリスタに掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-31 19:00:00
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会話率:46%