繕布里城下で代々菓子職人を営む『伍色屋』の若旦那・参梧は、ある日行倒れていた珍しい黒狐を拾う。
その日は城下にとあるお触れが出された日。
何かの縁を感じて狐を店へ連れ帰ったはいいものの、眼を離した隙に逃げられてしまい、後にはどこから入り込ん
だやら、ぞっとするほど美しい侍が残されていた。参梧から御前試合の話を聞きつけた彼は、居丈高に『選ばれれば城内へ入れるというのか。ならば私にも助太刀させてほしい』と唐突に申し出てくる。
どこか浮世離れした彼を雇うも、何やら常識も普通とは異なる様子。
寝込みを襲ったかと思いきや「恩返し」を申し出る始末で――!?
高飛車で自分の顔が良いことを知っている料理上手な侍(?)とお人好しで前向きな若旦那のほっこり寄りのお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-04 06:00:00
72872文字
会話率:51%