――すまない! 少し休ませてもらえないか!
今日は、門の前で訪れる男性を待つ日。「婿取りの儀式」
門を開け、招き入れた男性を夫とする。
そんなしきたりに従って、家の裏門で訪れる予定もない相手を待っていたのだけれど。
――すまない。連れの具合
が良くないんだ。
やや強引に、ぐったりした連れの少年を抱えて入ってきた青年。
十のときに母が亡くなり、父が連れてきた義母と異母姉。
実の娘なのに、屋敷の隅に追いやられ、もっぱら縫い物ばかりさせられていた。
その上、幼い頃からの許嫁だった人からも婚約破棄され、彼は異母姉の夫となった。
「こんな男を夫にするのか!」
彼らに出会ったことで、父親から勘当されたリファ。
そんな彼女を助けてくれたのは、今日が婿取りの儀式だと知らず飛び込んできた青年。
――身の振り方が決まるまで。
妻にする気はない。自由にして構わない。
セイランと名乗った青年は、頼る先のないリファに、とりあえずの暮らすところを提供してくれた。
地方から省試を受けるため上京してきたというセイラン。彼の従者で、弟みたいな少年、ハクエイ。
彼らと暮らしながら、少しずつ自立のために縫い物仕事を引き受けたり、彼らのために家事に勤しんだり。
家族に捨てられ、婚約者からも見捨てられ。
悲しみに、絶望しかけていたリファは、彼らと暮らすことで、少しずつその心を癒やしていくけれど。
――自立。
いつかは、彼らと別れて一人で暮らしていかなくては。いつまでも厚情に甘えてばかりいられない。
そう思うのに。
ずっとここで暮らしていたい。ハクエイと、……セイランさんといっしょに。
――彼女の境遇に同情しただけ。助けたのは、ちょっとした義侠心。
自分の運命に、誰かを巻き込みたくない。誰かを愛するなんてことはしない。
そう思うのに。
ずっとここで暮らしていたい。ただの進士として、……彼女といっしょに。
リファとセイラン。
互いに知らず惹かれ合う。相手を知れば知るほど、その想いは深まって――。
門を開けたことで、門をくぐったことで始まる、二人の恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 17:00:00
23945文字
会話率:36%
『樹界』と呼ばれる世界で妖魔と戦う巫女――祈は、妖魔を追って異世界を渡る。
現代日本へと来た彼女は妖魔と戦うための霊力を得ようとするが、『樹界』と違って自然の中から霊力を得ることができない。唯一残されていたのは、男性の精液を飲むという方法
だけだった。
彼女を手助けした青年、進士は祈に協力することに。
しかし美貌と豊満な肉体、淫乱の素質を持つ祈は妖魔討伐のためながら他の男達にも翻弄される……。
本作品はNTR(寝取られ)作品の予定です。
苦手な方はお気をつけてください。
ヒロインと主人公(進士)との性的行為がある話には「H」と表記します。
ヒロインと他の男性との性的行為がある話には「NTR」と表記します。
前書きに前回のあらすじを書きますので、参考になさってください。
後書きに次回予告を書きますので、参考になさってください。なお最新話につきましては次回予告のめどが立っておりませんので空欄か、なにかしら別の用件を書きます。
後書きが口語調というか砕けているのは、内容を言いすぎないようにするためです。ご了承ください。
進捗は少し遅いかと思います。不定期です。
ある程度、溜めてから一気に投稿する形になるかと思います。
なるべく章ごとに書きたいとは思っているのですが、未定です。
細々と長々と、自分の趣味に突っ走って書いていく予定です。
どうぞご容赦くださいませ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-05 04:35:18
122207文字
会話率:53%