病院のベッドで目を覚ますと記憶がない。自分が誰だかわからない。しかもベッドに拘束されている。首、手首、足首、腹周りを押さえられ……。やがて現れた刑事は、キミは殺人犯だ、と告げる。罪のない市民を何人も殺した凶悪犯らしい。それで拘束されている
。しかも困ったことに、殺人の記憶がある。頭にではなく、手が、身体が覚えているのだ。まさか、わたしが殺人犯……。名前は名城沙理(なじょう・さり)というらしい。職業は刑事。いずれ解雇が必定だ。けれども、わたしは殺していない。仮に殺していたにしろ、そうなった真相がどうしても知りたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-08 10:00:00
20938文字
会話率:63%
死体の形で、わたしは目覚める。
白い服の少女だ。
少女の顔は美しい。
が、表情は苦痛に歪んでいる。
首には扼殺の痕がある。
少女はレイプ後、殺されたらしい。
わたしは少女を哀れに思い、少女の心臓に念を送る。
やがて心臓にドキ
ンと大きな音が感じ、わたしに吐き気が込み上げる。
少女がわたしとひとつとなり、生き返ったのだ。
少女の身体の記憶のままに、わたしは少女の家に向かう。
その頃から、わたしの耳の奥に不思議なシュプレヒコールが聞こえてくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-12 07:00:00
27169文字
会話率:26%