ペシという町のはずれに、長く誰も暮らしていなかった小さな一軒家がある。2年前、その家に、どこかからやって来た女がひとり、暮らすようになった。ともにペシにやって来た家族たちから『ラナ』と呼ばれるその女は変わり者で、滅多に町の方に行こうとも、家
族たち以外と積極的に関わろうともしない。2年が過ぎても、それは変わらないままだ。……ただ、そんな彼女にすすんで関わろうとする者も少なからずいて。「――ちょっと相談がある」ある日、2週間ぶりにやってきた男の言葉をきっかけとして、色々なものが少しずつ、少しずつ動きはじめる。――町はずれに暮らすラナと、彼女を取り巻く者達の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-20 01:01:09
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会話率:38%