気弱な男、木村良樹(きむら・よしき)は自分には釣り合わないような器量良しの和田小百合(わだ・さゆり) と結婚する。最初はまったく振り向かれなかった良樹だが、小百合の恋愛が常に不幸なものであったためか、遂に待望の結婚に至る。二人の幸せの日々
が続き、やがて息子の創(そう)が誕生する。創は小百合そっくりだ。が、良樹には似ていない。けれども「世間には良くあることだ」と良樹は息子と自分の顔の相違を受け入れる。
創はすくすくと成長し、やがて三歳となり、幼稚園に通う。ある日、創の幼稚園の友だちが、「そうくんと、おなじかおをした、おとなのひとを、みたよ」と創に告げる。創は良樹にそれを伝えるも、すぐに忘れる。また良樹の方もまるで気にしない。自分の目で、その男の姿を目撃するまでは……。
まさか、托卵? 創はその男と小百合との子供なのだろうか? それともただの「他人の空似」なのだろうか?
芳樹の心の葛藤が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-29 10:00:00
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会話率:52%