退役軍人セバスチャン・モラン大佐は、“英国犯罪界の巨魁”たる男、ジェイムズ・モリアーティ教授の腹心だったが、彼の目的は、かつて彼が愛した乙女、アイリーン・アドラーを始末した教授に、自らの手で復讐を遂げることだった。それ故に彼は、ライヘンバッ
ハの滝で名探偵と戦った教授を、溺死の危機から救ったのだった。すべては、自らの手で教授を始末するために。
アイリーンを殺したモリアーティ教授を、自分以外の男には殺させない。そう思っていたモラン大佐だったが、ある時彼は娼館で死んだはずのアイリーンと出会う。彼女は、何とモリアーティ教授の実験で、死からゾンビとして復活したのだった。モリアーティ教授は彼女を、自分の被造物として操ろうとしていたのたが、フライデーと名を変えた彼女は、自分を失い悲嘆に暮れているであろう恋人の、名探偵である彼のもとに帰るために手を貸して欲しい。と、モラン大佐に要求してくる。だがモラン大佐は、再び再会出来た彼女を手放したくなくて、彼女を“社交界の華”とするべくフライデーを、“ご主人さま”として調教することを決める。ところが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-06 17:31:47
2120文字
会話率:41%