その美しい見目から精霊姫と名高い公爵令嬢・ルシアは、父親の推薦により春先に開かれる武闘大会にて勝者に祝福の薔薇を授ける『青薔薇の乙女』に選ばれる。
祝福を授けられた者は、どのような身分の者でも法により乙女の伴侶として正式に認められる―――
―とある男に長く片想いをしていた彼女は、ついに覚悟を決める。
周囲から反対されるのは分かりきっている、初恋の人。
いつまでも頼りなく、甘ったれで子どもっぽい己には少しも相応しくないけれど、それでも叶うならばその人の唯一になりたい。
切なる想いを胸に、どうにか武闘大会へ参加してもらえないか。それが無理だとしても、せめて一目だけでも会いたいと彼女が向かったのは――――
強者揃いの王国騎士団において比類なき剣の腕と、端正ではあるが周囲を威圧する眼光鋭い強面に鋼のようなムッキムキの肉体。そして粗野で残忍と評される、人間味に欠けた冷酷非情な狼のような男。
魔王も裸足で逃げ出す最恐の見目と性格故に……社交界における【触れるな危険物件】として名高い、ヴォルフ・フロル・クレマティス元帥のもとであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-17 18:13:32
44004文字
会話率:30%
頑張れないと言いながら、カワイイ弟のためにお姉さんが根性を見せるお話です。
絶望的な人生に疲れ切って死んだ三枝ハナ(28)こと私は、己の来世である見習い魔女ハンナとして目覚める。だが来世でもまた、ハナにどうしようもない困難が用意されていた。
ハンナの母親である大魔女ドロテア・ゼーゲブレヒトは、ハンナと弟のルディを捨て去り、何処かへと行方をくらませていた。なんとなれば、ドロテアは『超人』を生みだそうと、ルディを魔法薬の実験体にしていたのだ。ドロテアの実験が失敗に終わり、ハンナの弟であるルディは性欲絶倫なアホ少年になってしまった。問題を抱えた美少年のルディを押し付けられたハンナは、やむなく世間体とか常識に別れを告げて、姉弟の生活を守るために四苦八苦するのだった。無理やりな設定で始まる、ご都合主義な姉弟モノ。当然R18です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-07 14:00:00
135238文字
会話率:30%