人に恋した魔獣は、その恋を成就するために獣人となる。恋が成就すれば人になり、成就しなければ消滅ーーそんな世界に生きるラウラは、渡り鳥の魔鳥だった。
犯罪国家アヴドゥールの第二王子、エミディオ・アヴドゥールは、自己犠牲を厭わない善良な王子ゆ
えに片目を失うが、ラウラの助力で軍事国家ロスティに逃げる。
ラウラはエミディオに仕えるだけで幸せだったが、消滅へのカウントダウンが始まり、焦るあまり、最後の思い出に彼を犯そうと決意した。
誰もこない塔の中、二人の夜が始まる。
※この作品は『アルファポリス』様にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-02 21:53:52
10183文字
会話率:20%