――『勇者こそこの世に災いを齎す者である』。
十年余り前、この世・ノーヴに〝勇者〟として降り立った駿河惟【するがゆい】は、降り立ったと同時のタイミングで殺されかける事となる。
誰が唱えたか勇者は敵だと、誰が唆したか勇者は災いそのもので
ある等と。
だから惟はその国一つを滅ぼした。徹底的に、老若男女問わず、敵意を向ける者全てを殺め、潰し、燃やし尽くした。
その後、この世界に惟を落とした張本人である女神と合流し、とにかく人類のいないところへと足を運んだ結果、辿り着いたのは〝勇者こそ希望である〟と仰ぐ魔族であった。
これは、勇者の定理の逆転した世界で、ついに魔王として座に着いた青年の苦労譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-18 15:59:37
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会話率:42%