合唱物語
性は本来子孫を残すためのものであろう。しかし性は快楽をもたらす。そこで快楽が生殖から独立したものもある。性をひさぐ売春は世界最古の職業とも。しかし好きな相手でなくては性の本当の快感は得られないのではないか。他方、性は支配の手段
でもある。相手を所有すると言ってもよいかもしれない。それは当人がそう思うだけかも知れないが性は多面的である。好きな女あるいは男と結ばれることで幸せと感じるなら本物であろう。さらに相手に感謝するようになれば悟りの域に達したといえよう、
教育学を志望した矢野健は受験に失敗し、二期校の経済学部に入学する。経済に興味が持てず合唱団に入部する。そこで知り合った天真爛漫な谷和子と恋に落ちるが成就はならず、落ち込む。そこに妖艶な香川京子が現れ矢野健を奪ってしまう。谷和子は巻き返しを図り奇妙な三角関係となる。
大学卒業後矢野は大手企業に就職し、和子と京子は教職に就く。矢野は有名な一般男声合唱団に入団しドイツ旅行に出かける。そこで金髪の乙女モニカと知り合い結ばれる。モニカが大学卒業後日本にやってくる。そこで四角関係が始まる。
数年後、会社組織に順応できない矢野は大企業を惜しげもなく退職し行政書士を開業する。その事務所にかつての部下駒込直美が職員として働くようになる。やがて二人は他人でなくなる。五角関係となる。さらに直美の同級生もこれに加わり六角関係にまでなる。
この関係は矢野健が所有する女たちまたは彼を取り巻く五人の女(妻)たちととらえることができようが、反面矢野を共有(総有)する女たちともとらえることもできよう。また正六角形であるかどうかも評価は分かれよう。この点は読者の評価に委ねる。
昭和50年ころの日本を舞台に矢野は公害問題に取り組む。公害関係法令をクリヤーして産業廃棄物処分場開設に尽力する。思い込んだら突進して行く代表的若者であった。この矢野を愛し支える女たちはどのような人生を送るのであろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-09 19:15:21
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まえがき
性行為は両性が合意のもとに為すべきものであって男が力づくで女を犯すなどは男の恥である。口説き口説かれて行うものであろう。男女の一体となる共同作業(生殖器の共有)によって性の悦びを知るものでないか。強姦レイプは妊娠の可能性すらあ
る。意に反する性交による女の苦痛は測り知れない。
その意味では殺人よりも残酷である。しかし、その量刑は三年以上の有期懲役であり、刑期を終えた男が再び女を犯すことも少なくない。刑法の強姦罪だけで再発は防げない。
矢野健と駒込直美は独自の手法で強姦の撲滅、再発防止に取り組んでゆく。果たしてその手法とは、強姦撲滅再発防止は功を奏するか、法治国に於いて私刑リンチは許されないが被疑者被告人の人権が過大視され、殺しても飽き足りないという被害者の心情が軽視されている現状では致し方あるまい。国民感情から乖離している刑法の改正が望まれる、
なお本作品はフィクションであり同名の人物会社等はすべて実在のものとは無関係であることを断っておく。
刑法第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
強姦罪(ごうかんざい)とは、暴行又は脅迫を用いるなど、一定の要件のもとで女性の性器に男性が性器を挿入する行為(強姦)
姦淫とは性交をいい、男性器の女性器に対する一部挿入で既遂に達し、妊娠および射精の有無は問わない(大審院大正2年11月19日判決以後の確定した判例・実務)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-20 00:00:00
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