※「もしも世界から私だけ消えたとしても」のラストから数年後の世界を描いています。
西木詩音は七年前の二十歳のとき大学を退学し、逃げるように大学のあった新潟から静岡県の沼津へ一人流れてきた。過去の恋愛がトラウマとなり、詩音はもう誰も好き
にならないと決めていた。
それから七年経った。新天地での生活にも慣れた。でも一人ぼっちで恋愛とも無縁な生活が長く続き、詩音の心は自分でも気づかないうちに限界を迎えていた。
バイト先の同僚の松江沙羅に、同じく同僚で大学生の勝又大智とつきあったらどうかと勧められ、詩音はもう誰も好きにならないという過去の誓いを破り、五歳年下の大智と恋人になった。
かつてのサセ子さんと恋愛経験0の童貞男、まるで異なる境遇の二人だが、詩音と大智にはそれぞれの過去を理由に心に深い傷を抱えている、という共通点があった。心安らげる居場所を持たない者同士、二人の恋は急激に進展していった――
(登場人物一覧)
〈現在〉
西木詩音…主人公、27歳、大学中退
勝又大智…22歳、大学四年生
勝又美琴…23歳、大智のいとこ
橋本凛…店長
川島莉子…店員、女子高生
川島健司…莉子の兄、中学で大智のクラスメート
松江(旧姓:吉田)沙羅…店員
松江雅博…沙羅の夫、バー〈こもれび〉のマスター
黒瀬悠樹…かつて沙羅を薬漬けにして売春させていた
勝呂唯…大学四年生、中学で大智のクラスメート
勝呂智音…唯の娘(父親は小山田圭吾)
小山田圭吾…ミュージシャン、中学で大智をいじめていた ※同姓同名の実在するミュージシャンがこの人物のモデルですが、その実在する人物は本作品および本作品に登場する人物とは関係ありません。
高部千花…小学校教諭、唯の同僚
〈七年前〉
杉山竜星…詩音の初彼
藤原礼央…詩音の元彼(竜星と同期)
後藤陽平…詩音の元彼(一年後輩組)
足立史也…詩音の元彼(一年後輩組)
南場達彦…詩音の元彼(一年後輩組)
緑川芳樹…詩音の元彼(一年後輩組)
島田陸…詩音の元彼(一年後輩組)
原雅人…詩音の元彼(二年後輩組)
斉藤大輔…詩音の元彼(二年後輩組)
広田豪…詩音の元彼(二年後輩組)
井原元気…詩音の元彼(二年後輩組)
ラモス…詩音の元彼(二年後輩組)
小野蓮…詩音の大学の先輩
※エブリスタでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-19 12:00:00
186810文字
会話率:53%
沢晴通は松江暮らしで知り合った彼女にDVをしていた。その彼女と別れてから統合失調症になり収容された病院で看護士から暴行を受ける。退院後松江に再び住んだ晴通は操と出会い落ち着きを取り戻す。
最終更新:2007-08-06 06:28:25
14258文字
会話率:45%