処女を奪われるために、ここへ来たわけじゃない。
舌も、手も、全部……王に抱かれないための“策”だった。
私は誰にも咲かされない。そう決めていたのに。
あの夜、王の寝室で。
眠る王のすぐそばで、“下準備”の名目で触れてきた従者の指。
冷たい
のに、優しくて――どうして、こんなにも感じてしまうの?
お願い、ダメ……咲いちゃう……。
咲かせたのは、王じゃない。
選んだのは、私の意思。
けれどその瞬間すら、誰にも知られてはいけなかった――
処女を守るために王に尽くした。
舌も、手も、全てはそのため。
でもあの夜、“下準備の指”にすべてを壊された。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 19:22:04
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