この世界は「ヱデンキア」と呼ばれている。
人間は元よりエルフ、天使、デビル、幽鬼、吸血鬼、アウラウネ、竜人、ケンタウロス、ラミア、妖精、ハーピィ、人魚、サイクロプス、人狼、トロール、リビングデットなどの多様なモンスターが市民権を得て社
会を作っている世界だ。
ところでヱデンキアには大きく分けて十のギルドが存在している。それぞれが農畜産、司法、金融、インフラ整備などなどの特色や技能、技術を有して社会維持に貢献している。たがその実、全てのギルドが自らの組織がトップに立って統率をすることが、最もヱデンキアの益になると考えていた。その為に社会生活の裏表を問わず、ギルド間では熾烈な抗争が勃発するのが常であり、互いに牽制し合う事で反対に世界の均衡が保たれていた。
その抗争の歴史がすなわちヱデンキアの歴史と言える。
しかし、ある日を境にその十のギルド間の均衡が崩れかねない二つの事件がヱデンキアに起きたのだ。
一つはウィアードと呼称される正体不明の怪物の出現。そしてもう一つはそのウィアードに対して唯一対抗ができる少年の出現だ。
その少年は名をヲルカ・ヲセットと言った。
実を言えば、このヲルカという少年は清水山秋生という三十歳の男が不慮の事故で絶命し、ヱデンキアに転生したという経緯を持つ。
彼は生前の記憶をほとんど残しており、また前世では妖怪について見聞を広げるために一生を捧げておりヱデンキアに現れたウィアードの正体が日本妖怪であるということに気が付き、尚且つその妖怪についての膨大な知識が幸いして、ウィアードを相手に唯一の対抗策となっていた。
十のギルドは、ヲルカ・ヲセットの獲得を目下の最重要課題として取り上げた。しかし、表立って大きく動けば他のギルドからの牽制を喰らうし、肝心のヲルカ自身が難色を示す恐れもある。
故に十のギルドは搦手にてヲルカを篭絡させようと画策した。つまりは各ギルドの才色兼備な女性ギルド員をあてがう様に彼の事務所に派遣して、色恋にて手中に収めようと企てていたのだ。
類稀な才気を持っていても所詮は十代半ばの男子。いずれのギルドもそう遠からぬ内に自分のギルドの精鋭がヲルカを絆して舞い戻ってくると期待をしていた…。
※宣伝用の二次創作作品です。是非本編もお目通しください折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-08 11:00:00
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