ラヴァル王国の王女アリシアは、生まれた瞬間に母を失い、母を愛していた父王からは冷遇されて育った。
「今日はお母様の亡くなった日だから、お父様があんな風に怒っても仕方がないわ」
誕生日が来るたび、そう自分に言い聞かせて過ごすアリシア。
やがて十二歳で父王を亡くし女王に即位するも、その実権は宰相ジェロムに握られ、他人の愛を知らないアリシアは意志を持たない人形のような日々を過ごしていた。
城の者達は見て見ぬふりをし、中には後ろ盾のない彼女を虐げる不届者さえいて、アリシアの毎日は辛く孤独だった。
そんなある日、アリシアは国を救った英雄を王配に迎える事になる。
相手は平民出身の傭兵あがり、軍の英雄テオバルト。
戦に生きるテオバルト、上官命令とはいえ、王配になるのを決して喜んではいなかった。
「俺に王配になれって言うんですか?」
不満げに腕組みをし、苛立ちを隠さない。それでもテオバルトはこの婚姻の裏側にある各々の狙いを胸に、王配になる事を決意する。
これは腹黒い義母や策士の宰相によって二人は騒動に巻き込まれながら、共に関係を変化させていく物語。
豪胆でぶっきらぼう、そして男らしくセクシーなテオバルトと、自尊心が低く愛情を知らない儚げ女王の、結婚生活の行方は……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 12:19:51
37369文字
会話率:36%
不浄の年の、一番最後に産まれた忌子のルカ。
最低限の世話だけを受け、儀式の贄となるその日のためだけに生きる日々。
時折訪れる双子の兄、ラギと過ごすひと時だけが楽しみだった。
やがて17歳となり儀式の日がくる。
ルカは儀式によって傷を負い
、魔物に追い詰められ。死が間近に迫った時、1人の男が現れる。
モルスと名乗る男に溺愛される忌子のルカは、困惑しながらも彼の存在を受け入れていく……。
全6話完結です。
9月18日〜sideモルス 連載始めました。
ヒロインがまだ子供の頃からのお話なので、R18の場面では少し時間がかかります。
その代わり、妖しく甘美な雰囲気が出せるように頑張ってみました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-21 00:52:39
18672文字
会話率:30%