※愛する人を救い出すため、革命に加わった王子様×人柱として塔に千年、とらわれ続けるお姫様(←BLです)
【(冒頭イメージ)新年1月1日、午後11時45分。年越しの祭の興奮いまだ覚めやらぬ夜。この時間になってもまだ、鳴りやまない花火の音と歓声
が、俗世より遠く隔てられたこの塔の上にも届く。昨日と今日を入れて四日、あの子はここへは来ない。『第八王子なんていてもいなくても同じ』とあの子はいつもふざけたように言うけれど、それでもなお、その『血』が負う義務があるから。でも別にさみしくはない。十年前、幼いあの子が無知で無謀で、けれど誰よりも勇敢な冒険者としてこの塔の頂にたどり着くまで、千年近くもの間、私はずっと独りだったのだから。だからそれを過ぎたら、またいつものように会いましょうねと言ったのに——なのにどうして今、君はここにいるの?】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-01 23:45:12
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会話率:34%