五年の時を得て実家である黒鐘家へと一人の女が帰還する。女の名は黒鐘素子、20歳となり社会的な基盤を手にした彼女にはある目的があった。
かつて共に苛烈な虐待を受けた妹である黒鐘礼子を連れ戻し、二人で愛する妹と幸せな生活を送ること。それこそが
素子の望みであった。
素子は五年前、家出をした先で自身を拾ってくれた女性である身寄りのない少女を救うNPOの代表を務める鈴原希央と共に狂気に満ちた黒鐘家から礼子を助け出すべく忌まわしい屋敷の戸を叩いた。
しかし、それは新たな地獄の始まりであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 21:48:37
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会話率:42%