此の世の全てに意義を感じないまま衣食住を与えられていたものがいた。それは男のような女のような人間だった。性別もあった。年齢もあった。名前もあった。それすらがどうでもいいなかで“彼”はずっと死という永遠のテーマを待つだけ待っていた。日々泣きな
がら。日々絶望に身を落としながら。化学物質を愛した先に神は言った。「貴様は特例だ」と。その日、とある惑星から人間がひとり消えた。泡が弾けるように一瞬に。誰にも気付かれずに消えた。そして、その“彼”が次に生まれた先は――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-18 23:54:00
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会話率:39%