優等種の青年セオは、感情のない研究者クラリッサと出会う。
性交は義務、“処置”と呼ばれる制度の中で、二人は淡々と交わる。
だが、冷たいまなざしの奥に揺れる感情を、セオは見逃さなかった。
禁を破り結ばれた夜、彼女は彼の名を呼び、彼は人間として
生まれ直す。
これは、名を呼ぶことで始まる、ふたりだけの恋の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 02:17:28
5603文字
会話率:12%
あらすじ
感情を持たない若き女性研究者クラリッサ。
彼女の仕事は、“優等種”と呼ばれる青年たちの遺伝子交配を管理・観察すること。
無菌の部屋、徹底した規律。
すべてが「繁殖効率」のために設計された世界で、クラリッサはある日、命令を受ける
。
――あなたが交配対象になれ、と。
相手は国家が最も重用する美しき優等種、セオ。
感情など不要、ただデータを記録すればいい。
そう思っていたクラリッサだったが、彼の肌に触れられ、奥深くに入り込まれたとき、初めて知る。
痛み、悦び、そして……涙。
冷たいはずの世界の中で芽生えたひとつのぬくもり。
けれど国はそれを許さなかった。
――忘れても、身体が、心が、あなたを探してしまう。
理性と本能のはざまで揺れる、管理された世界の恋。
記憶さえ奪われた少女が、もう一度「愛」に触れる日を願って。
※やや過激な性描写あり。切ない系ディストピア×微エロロマンス折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 01:21:07
1302文字
会話率:14%